書き出し自選・みよおぶの5作品(みよおぶ)

おばんでございます。みよおぶです。

 この、みよおぶというハンドルネームは本名の明歩谷(みょうぶだに)に由来してます。大変珍名ですので決してググらないようお願いします。顔はウエストランドの河本に似ていて、声はウエストランドの河本に似ていて、ウエストランドの河本みたいに笑います。

 今回、『Yves Saint Lauにゃん』さん(以下にんじゃさん)との法廷での決着は避けたいので大人しくバトンを受け取りました。投稿が遅くなり、申し訳ありません。試される大地に試されておりました。

 したら、ちゃちゃっと始めます。

戦闘前に、ぜひご検討いただきたい保険があります。
( 第212回 規定部門「ヒーロー」 )

 こちらは初採用となった作品です。自分は、たぶん第210回くらいから投稿を始めていました。しかし、最終選考には残るものの載らない状態続きます。向いてないかなと思い始めた頃、この書き出しを思いついたときは、「載ったな」と確信しました(謎の自信)。そして、この初採用を機に書き出し小説の沼から抜け出せなくなるとは、この時は思いもしませんでした。


裸電球のとろける光の中、君の耳朶を見ていた。
( 第216回 自由部門 )

 憧れの書き出し先輩『昼行灯』さんに褒めていただき、めちゃくちゃうれしかった作品です。後に続く「金色の産毛に縁取られた耳朶。」という天久先生のコメントも込みの作品だと思っています。
 この回の少し前、書き出し界の大エース『タカタカコッタ』さんの「先生は、メトロノームを小指で止めた。」という作品がありました。この作品に震えるほど衝撃を受けた自分は、さらに自由部門にはエロ採用枠があるはずだと思い込みました。その思い込みから、この時期はひたすら自由部門でカッコいいエロい作品の採用を目指し、その最終形態がこの作品というわけです。また、耳朶という漢字をこの時始めて知りました。漢字にすることでいい感じの堅さが出たと思います。


誰もいないバス停で泣いていると、回想バスが停まった。
( 第226回 自由部門 )

 2週間に一回訪れる書き出し小説の締め切り日。自分は前日の木曜日の夜からアワアワしながら投稿を始めます。この時も何も思いつかない空っぽの頭で運転してました。すると、自分の先を猛スピードで走る車内灯を消して真っ黒の回送バスが見えました。回送バス、、、これだ!と思い、車を止めて投稿画面を開き「かいそう」と打ち込んだところ「回想」と変換されました。回想バス、、、こっちの方がいい!って感じでできた作品です。ちゃんと同音異義語を意識してますよ感を出すため、回送バスの書き出しも投稿したはずです。誤変換、誤字脱字、見間違い、聞き間違い、言い間違いなど、ネタになるものは案外自分から半径1㍍以内に潜んでることを学んだ作品です。
 書き出し北海道支部の大先輩『suzukishika』さんに褒めていただいた思い出の作品でもあります。


ムール貝は虹をため込む。
( 第234回 自由部門 )

 ムール貝って普段あんまり食べないけれど、貝殻の内側がめっちゃきれいですよね。あれって虹の成分なんですよ。
 天久先生からのコメントで「イタリアの民話」とあり、確かに神話よりも少し弱めの言い伝えや伝承っぽいなと思いました。例えばアイヌ神謡集には沼貝の話(トヌペカ ランラン)があるのでそういう空気感かもしれません。もし、民話的にこの書き出しから始まる物語の最後を締めくくる一文を考えるとこんな感じでしょうか
……………夏の地中海に虹が少ないのはこのためである。


給水塔の影がくっきり伸びて、月しか僕らを見ていなかった。
( 第247回 規定部門「エイリアンズ」 )

 「ロビンソン」に続き曲がお題となった回でした。曲がお題の時は、各書き出し作家さんの個性が滲み出つつも、しっかりBGMでその曲が聞こえてくるようでいつも以上にワクワクしちゃいます。次、曲のお題が来るのが待ち遠しいです。
 この作品は、書き出し先輩であり、クソコラクリエイターの『寂寥』さんのスペース(Twitterの)での規定部門対策会議を参考に作りました。時々開催されるこのスペースは、他の書き出し作家さんの考え方を知れたり、色々ヒントをもらえるのでとてもありがたいです。


 以上です。


 まだまだ先だと思っていた書き出し自選。やっぱり書いてみるといずいですね。初採用からまだ一年半、もう一年半。諸説入り乱れラジオ(再生回数の少ないyoutubeチャンネル)ぐらいにしか投稿なんてしてこなかった自分が、こんなにものめり込めるなんて思っていなかったです。

 自分は、他の書き出し作家さんより遙かに語彙力もユーモアも劣っています。なので、ひたすら違う視点を探したり、軸を少しだけずらしたりして、できた文を削いで、削いで、削ぎすぎるぐらい削いで、隙のある文をなるべく作れるように心がけてます。あとは読んでくださる方にすべてを丸投げです。丸投げし放題なのが書き出し小説のいいところだと思います。そして、書いた本人の考えよりもずっと飛躍し、一人歩きを始める書き出しを見送るのは最高の気分です。

 この書き出し小説という素晴らしい世界を10年にも渡って続けられている天久先生をはじめ関係者の皆様、自分なんかを迎え入れてくれた書き出し作家の先輩方には感謝しかありません。今後ともよろしくお願いします。

 さて、次の自選ですが、大好きな先輩『紅井りんご』さん、『昼行灯』さん、お二人の文芸ユニット『午前0時』さんにバトンを渡します。快く受け取ってもらえて有り難いです。才能と才能のマリアージュに酔いしれること間違いなしです!


 最後までお読みいただきありがとうございます。したっけ!

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