机上のコント・ゼブラはシマウマですか?(七寒六温)

ハテナハテナ大学のシキシマ教授のもとにまたもや1人の学生が質問にやって来た。

「ミスターシキシマ? 質問があります?」

「ああ、君か。また来たのか?」

「気になることが増えました。聞いてもらえますか?」


「ええ。構いませんが。何でしょう?」


「ゼブラがシマウマだと聞きましたが、本当ですか?」


「ええ本当です。シマウマは英語でゼブラです」


「では、ジラフもシマウマですか?」


「違います。ジラフはキリンになります」

「キリン?」


「首が長ーい動物です」


「キリンは首が長ーい。覚えました」
「では、シキシマは首が長いですか?」


「いいえ。シキシマは首は短いです。他の人間に比べても首は短い方です」
「確認してごらん。ほら、君の方が首は長いだろう?」


「シキシマ、確かに首が短い」
「シキシマとシマウマはどちらが首が長いですか?」


「それは、間違いなくシマウマでしょう。体全体の比率でみたらどうか分からないけど」


「なるほど」

「キリンはゼブラ。シマウマはジラフ。確かに覚えました」


「違います、違いますよ。キリンがジラフ、シマウマはゼブラです。逆です逆。ついでにシキシマはヒューマン」

「逆ですか!」
「キリンはジラフ、シマウマはゼブラ。もうばっちしです」

「ゼブラ柄とキリン柄、どちらも私は好きですけれどもねえ」


「どうしてですか? 」


「それは、君がもう少し大人になったら
分かるかも知れません。しかし、それを知らないからと言って何も損はしません」

「なるほど……そうですか」

「ありがとうございました」
「キリンはジラフ、シマウマはゼブラ、シキシマはヒューマン。今回も勉強になりました」

「いえいえ。どういたしまして」


「また、質問があったら尋ねてもいいですか?」


「ええ。構いませんよ。答えられる範囲でなら答えますよ」


「ありがとうございます。またお願いしますミスターシキシマ」


「いえいえ、どういたしまして。私は君がまた来るのを首を長ーくして待ってますよ」

「えっ? シキシマは首が短いのでは?」

「ええ、首は短いです」
「これはあくまで比喩的表現ですよ」

「分かりました。それでは首を長ーくして帰りまーす」

「それは違うと思いますが……ま、いいでしょう」


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