書き出し自選・セッドあとむの5作品(節度亜図夢)

このたび光栄にも繋がれてきたバトンをいただいたので僭越ながら
自選5作品を紹介させていただきますセッドあとむ(節度亜図夢)です。

もともと私の投稿する媒体としてはNHKで放送されていた「ケータイ大喜利」という番組が始まりです。
そこで知った方からのSNS上で流れてくる情報で「書き出し小説」を知り、投稿を始めた事がきっかけでした。
書き出し小説は自分がハマった大喜利とは似て非なるもの、それでいて共通点も多くあると感じています。
最大の共通点としてまずは考えていて単純に楽しい、そして採用された時の心震えるような感動と採用されなかった時のひざから崩れ落ちるような挫折を味わえるという事ですね。
それでは、前置きはこのくらいにして私の5作品を紹介いたします。

標的に恋をするところから俺の殺戮は始まる。
(第106回 規定部門「殺し屋」)

記念すべき初採用作品です。
規定部門でのトップバッターでコメントもいただけたので感動もひとしお、正に「ここから俺の書き出し小説は始まる」でした。

また、吉田から列が曲がっている。
(第184回 規定部門「吉田」)

私が作品を考える上で絵を描く手法があります。
まずはお題からイメージするなんとなく漠然とした絵をざっくり描いて、そこから頭の中で話を展開させるといった感じです。
この作品の例でいくと、設定として吉田は学生。
校庭で整列している絵を描いてみる。
列がどうもまっすぐではない。
曲がりは吉田からだった。そんな感じで作ったように思います。

野球は一回表から。
(第208回 規定部門「前向きな事実」)

これは言わずもがな「野球は9回ツーアウトから」という言葉が大元です。
こういうアホらしいのも自分的に大好物です。

久々の言葉の揺れに酔う。
(第217回 規定部門「地元」)

私は全国を旅する転勤族なので様々な方言が入り混じり、現在言葉のイントネーションが迷子状態です。
そんな中でも久しぶりに里帰りすると味わえる地元の訛りは懐かくて心地よく、その言葉の揺れに癒されます。

すでに恥の下地は塗り終えた。
(第252回 自由部門)

今回採用作品データを改めて見てみるとその4分の3が規定部門によるものでした。
これは数少ない自由部門での採用作品です。
自由部門は正にお題もなく自由で制限がない部門です。
それだけにどのような角度から攻めていくのかが難しいと感じています。
ただ、ド素人で文章書くのが苦手な自分が結構な数の作品を人様に見てもらっている訳ですから、すでに恥の下地は塗り終えたと言えます。
これからも自由部門にも積極的に投稿していこうと思った次第です。

それでは隔週日曜お昼の更新を楽しみにしつつ、5選のバトンをお渡しして失礼させていただきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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