書き出し自選・ベランダの5作品(ベランダ)

はじめまして、ベランダと申します。

どんなバイト先でも上手くやっていけそうなモンゴノグノムさんからご指名頂き、今回の書き出し自選を担当致します。

大変光栄なこと!非常にありがたいこと!感無量です!

やったあ!(ジャングルジムの一番上から)

が、しかし。しかしです。

ろくに本を読まず、区民プールで小学生のお母さんに睨まれ、小銭を握りしめて半額のお刺身をスーパーに買いにいくだけの私に文才などあるはずもなく、最後まで書き抜けるか不安です。

本当に不安です。今すごい心臓がバクバクしています。これヤバいやつです。アカンやつです。マジでどうしよ。

怖いの

ハァハァ ハァハァハァハァ 

ハァハァ!  ハァハァ!        ハァハァハァ!

ハァハァハァハァハァハァハァハァ!

ハヒィ ヒューヒューヒュー ハァハァ

オロロロロエオ!オモォッツ!エレロオロロロロロォッツ!

・・・・・ォロレロッロロレロ! 

・・・・・・ハァハァハァハァ

翼をたたんだ威厳のあるドラゴン「大丈夫?無理すなよ」

ベランダ「ほんまごめん、背中だけさすってもうていい?」

翼をたたんだ威厳のあるドラゴン「お水飲む?」

ベランダ「今無理かも。急に不安なってきて。いつも大事な時にこんなことなるんよ俺」

翼をたたんだ威厳のあるドラゴン「それはもうしょうがないやん、自分を責めたらアカンよ、どうする?今日は皆さんに帰ってもらう?」

ベランダ「いや、やるわ。せっかく来てもらってるし」

翼をたたんだ威厳のあるドラゴン「やるんやな?いける?」

ベランダ「うん」

翼をたたんだ威厳のあるドラゴン「ごめんなさいね皆さん、こんな感じやけど付き合ってあげてください」

ベランダ「手だけ握ってもらっていい?」


首筋をつたう一筋の汗から、文明が生まれやしないだろうか。

(207回 規定部門 『推し』)

威厳ドラゴン「これはどういうこと?」

ベランダ「モデルはサンプラザ中野。0から1を生み出す人間の汗は尊いから」

威厳ドラゴン「ファンなん?」

ベランダ「いや全然。ただ、歌う前の背筋の伸び具合は大好きよ」

威厳ドラゴン「確かに嘘みたいな背筋しとるね、もうフィギュアやね」


借金まみれなのに、歩道橋からもう一度手を振ってくれた。

(212回 自由部門)

ドラゴン「なんやの、このどうしょうもない状況」

ベランダ「手を振ってる奴の後ろには、それはそれは美しい夕焼け」

ドラゴン「余計どうしようもないやん」

ベランダ「唇噛みしめて、目いっぱい手を振ったよ」

ドラゴン「あんたの話やったん?」

ベランダ「・・・・・・・・うん」


火が燃え移った瞬間が一番格好良かった。

(84回 規定部門 『ファッション』)

ベランダ「初めて載せてもらったやつ。天久先生に褒めてもらえた」

威厳「あら大層なことやないの」

ベランダ「先生ありがとう。」

威厳「これからもよろしくお願いします」


「もう寝る?」と中大兄皇子。「もう寝る」と中臣鎌足。

(210回 規定部門 『日本史』)

威厳「さてはて、これは?」

ベランダ「うん、まあ、雰囲気感じ取ってもらえば」

威厳「ちゃんと説明せんと。あんたの書き出し自選なんやから」

ベランダ「いや知らんてもう。いちいち作品の背景とか意味とか求められてもないから」

威厳「カッカしなさんな。なんかあるやろ?」

ベランダ「特にないから。ある程度汲み取れ、書き出し小説なんやから」

威厳「面白いなあと思って書いたんやろ」

ベランダ「いじってんのか!」

威厳「大きな声やめて」

ベランダ「そら大きな声もでるわい!謝れ!」

威厳「はいはいごめんなさいごめんなさい」


「先月の給料は八兆円だったぜ、錦鯉銀河です。」

(91回 規定部門 『芸能人』)

ベランダ「ちゃんと謝れや!」

威厳「ちゃんと謝りました!はいもう終わり!謝る謝らんはもう終わりです!」

ベランダ「なんじゃこいつ、気分悪いわ」

威厳「ごめんなさいね、皆さんせっかく来てもらったのに、滅茶苦茶なってしもうて。この人は不器用な男やけど、感情表現が苦手やけど、これからも仲良くしてあげてくださいね」

ベランダ「なんや保護者気取りかい!エラなったのう!」

威厳「この作品もユーモア満載でええやないの」

ベランダ「またいじってるやんけ!」

威厳竜「最後にちゃんと挨拶して終わろう」

ベランダ「もうええわ。知らん」

威厳竜「ちゃんとやろ、ねっ。大人なんだから」

ベランダ「えっと、最後まで読んでくれてありがとうございました」

威厳竜「もうちょっとなんか言わないとダメやろ。お世話になっとるんやから」

ベランダ「俺こんなん苦手なん知ってるやろ!わからんて!」

威厳竜「大きな声ださない。簡単でええから、自分の言葉で言いなさい」

ベランダ「わからんて!勘弁してや」

威厳竜「毎週皆さんの投稿で楽しませてもらってます。ありがとうございます。」

ベランダ「毎週皆さんの投稿で楽しませてもらってます」

威厳竜「ありがとうございます」

ベランダ「ありがとうございます」

威厳竜「これからもよろしくお願いします」

ベランダ「よろしくお願いします」

威厳竜「リモート飲み会また誘ってください」

ベランダ「リモート飲み会また誘ってください」

威厳竜「よく言えました」

【次回】

次回は紅井りんごさんです!快く引き受けてくださりありがとうございます!

毎回、ド級の作品を生み出す紅井りんごさん。特に既視感バチバチで、見たことないシチュエーションでも懐かしさや、温かさが伝わってきます。現実でも書き出し小説でも大喜利でも「どういう意味?」とよく言われる僕は本当に見習わなくてはなりません。

めちゃくちゃあるある好きそうだし、強いんだろうなと思っております。

あと人柄もいいんやろうな。文章から伝わってくるもんな。

それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!

(遠くから甲子園のサイレン)

サンプラザの背筋

https://www.youtube.com/watch?v=CM6_-XJs1eg


文芸ヌーは無料で読めるよ!でもお賽銭感覚でサポートしてくださると、地下ではたらくヌーたちが恩返しにあなたのしあわせを50秒間祈るよ。