シマウマはシマシマですか?(七寒六温)

ハテナハテナ大学のシキシマ教授のもとに1人の学生が質問にやって来た。
「ミスターシキシマ? 質問があります?」
「質問? 構わないよ」

「ありがとうございます。では遠慮なく……」
「ミスターシキシマ、シマウマはシマシマですか?」

「はい。シマシマです。」

「なるほど。では、シマシマはシマウマですか?」

「いいえ違います。例えば、シマリス。シマリスを思い浮かべて下さい」

「シマリス?」

「シマリスもシマシマだけど、シマウマではありません」

「なるほど。シマリスはシマシマではあるが、シマウマではないのですね」
「では、シキシマは何故シマシマですか?」

「ええ、シキシマは、今ボーダーを着ているので、シマシマです。ですが、このボーダーを脱げばシキシマはシマシマではなくなります」

「なるほど。シキシマはボーダーの時に限りシマウマになるのですね」

「いいえ、違いますよ。シキシマはシマシマにはなれますが、シマウマにはなれません」

「シマウマではない、シマシマ。分かりました」
「では、シマウマはボーダーを着ますか?」

「いいえ、シマウマはボーダーを着ません。何故ならシマウマサイズのボーダーがないからです」

「すみません。あと1つ、質問をいいですか?」

「どうぞ……」

「シマウマは日本ダービーに出られますか?」

「残念ながらシマウマは競走馬ではないので日本ダービーには出られません」
「ですが、もしシマウマが日本ダービーに出るのなら、1着は間違いないでしょう」

「1着? どうしてシマウマが1着なのですか? それはシマシマだからですか?」

「いいえ。シマシマは関係ありません。シマウマは走るのが得意だから1着にはなれるのですよ」

「なるほど。シマウマは走るのが得意なのですね」

「ええ。人間とは比べ物にはなりませんよ」

「では、シキシマは走るのは得意ですか?」

「いいえ。シキシマは走るのが苦手です」

「なるほど。シキシマは走るのが苦手なボーダーを着ている。シマウマは走るのが得意なボーダーを着ていないやつ。これであっていますか?」

「ええ。その解釈で大体あっています。ただ、シキシマはボーダーを着ないこともあるのでシマシマではないことがあります」

「シマウマはシマシマじゃないことはありますか?」

「いえ。ありません。シマウマはシマシマです」

「シマウマはシマシマ?」

「シマウマはシマシマ。シマシマだからシマウマなのです。分かりましたか?」

「ありがとうございます。ええ、よく分かりました。ミスターシキシマ」

「いえいえどういたしまして……」
学生は満足そうに帰っていった。


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