そんなオファーは受けない(井沢)
「いらっしゃいませ。お客様は何個ラスケイジですか?」
「はい?」
「失礼しました。お客様は何ラスケイジですか?」
「ニコ…ラスケイジですけど。」
語尾を濁らすケイジ
「ありがとうございます。ツーラスケイジ入りまーす。」
「え、あの、ちょっと。」
「番号札もってお待ち下さーい。」
聞かない店員
「ラスケイジって何の単位だ?日本特有のやつか。いかがパイとかいう、あれか。」
と漏らすケイジ
(挿入)雑なイメージ
「お客様、外国の方ですか?当店ラスケイジ専門でやっておりまして、こちら看板ラスケイジご案内させていただいております。」
「ラスケイジ専門。」
「はい。ラスケイジ。」
指差す店員
「まいったな。」
見落とすケイジ
「お先2個ラスケイジのお客様お待たせいたしましたあ!」
「あ、はい僕です。」
札出し提示
「嘘、あれニコラスケイジじゃない?」
ばれ出すケイジ
「ありがとうございました。」
にこやか店員
着席ケイジ。
包みを開けると見事なラスケイジだった。
派手なコーティングはなく一見して無骨だが、ほかほかのラスケイジは一口頬張っただけで香りが鼻孔を衝く。上質な材料を使っているのだろう。少し物足りないくらいの大きさもちょうどいい。思わず目凝らすケイジ。
「美味いなこれ。店員さん、もう2個ラスケイジ!」
「やっぱり、あれニコラスケイジだよ!」
人がステージ
に乗らぬように
ー暗転ー
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