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2022年9・10月の記事

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①【文芸時評10月】干さオレ~二子玉死闘篇~ 荒木優太 ②【文芸批評時評9月】夏はあっという間に過ぎ去った 中沢忠之 ③【連載】考えるあゆみ(第一回) なかむらあゆみ ④【連載】…
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2022年9月の記事一覧

考えるあゆみ(第一回)

「『わからない』が怖い」 なかむら あゆみ 怖がりである。  自然災害も人から嫌われることも驚かされることも人の輪に入るのも夫の運転以外の車に乗るのも丑三つ時に鏡を見るのも、考え始めると他のことが手につかなくなるほど恐ろしい。ゴーストバスターズの巨大なマシュマロマンは未だ夢に出てくるし、「もし呼吸を忘れたら」という呪縛は40年間私の寝つきを悪くしている。小学5年の時、霊感少女と一緒に鉄塔の先端に立つドラキュラを見たせいで、今も尖塔が恐ろしい。  そして私は「わからない」が怖い

夏はあっという間に過ぎ去った

文芸批評時評・9月 中沢忠之 「「事件」は文芸誌で起きるんじゃないSNSで起きる」という名言をぶちあげた栗原裕一郎が、みずからSNSで「事件」を巻き起こしている。  トランスジェンダー差別をめぐってである。結論からいえば、栗原の論点は2つある。まず、昨今のトランス活動家の差別批判に、行き過ぎた暴力があると批判している点(①)。さらに、その暴力を文壇に持ち込んだとして文芸誌『文藝』および水上文を批判している点(②)である。トランス差別批判一般の話と個別文壇内の話とまとめられる。

干さオレ~二子玉死闘篇~(第四回)

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