愛し合いたいね(2024/3/21の日記)

とても寂しい。
歳をとると寂しさには慣れてくるのかと思っていたけど、そうではないらしい。確かに人生自体には慣れてきた気がするが、寂しさへの対処はなかなかに難しい。他者がいないと成り立たないことは、わたしひとりではどうにもならない。
大人になり、歳を重ね、26歳になった。今年わたしは27歳になる。びっくりだ。大人じゃん。信じらんない。私はまだ何もわからないのに。政治も経済も世界情勢も税金も。他人の心の機微も。まだわからない。
26歳になり、私は私との付き合いが26年になり、私は私に慣れてきた。自分の才能(という言葉を使えるような特殊な芸事も仕事もしていないが)や人間性の天井が見え、しかしそれに絶望することもなく、人生に案外慣れてきた。の子も言ってたからね。慣れるね、たしかに。
私は私に対処をすることが少し上手くなり、とにもかくにも生命を続けることができている。

とはいえ、近頃、私の精神はちょっと良くないフェーズに入っている。精神疾患も10年選手になってきたので「あ、これを放置するとよくないな」と気づくことができ、「良くないからこうしよう」と様々に対処をしている。
でも、それにも、限界はある。時と場合により私が26年かけて得た自分との付き合い方の知見はうまく効果を発揮しないことはあるし、どうやら今は様々な状況が組み合わさって自助努力では対処しきれない状態になりつつあるらしい。何もしないよりはマシだから対処は続けているが、果たして明日の私がどうなっているか、今日の私には分からない。

いまこれを書きながら何を言いたいのかわからないのだが、ここ数日、良くない精神状態に陥りぐちゃぐちゃと思考していたことが大量にあるので、ひたすらに文字を打ちながら少しでも宇宙レベルに広げられた私の脳味噌の風呂敷を折り畳んでいけたらいい。

まあ、常々言っているが、ぐちゃぐちゃ思考を捏ねくり回していると、“答え”がいつもそこにある。目をそらしたり背を向けたりしても、冷蔵庫の影や洗濯機の隙間から、ベッドに寝転がり見上げた天井のシミや床の木目から、その“答え”は存在を示している。“答え”に目は無いから私を見つめてはこないけれど、私の視界の端にそいつが映ったとき私はそれに求心される。そいつは小さくて薄いのだけど、気づいたら私を超えて世界中を包み込むように大きくなって世界そのものになる。そしてその居心地が悪くない。正しいような気がする。暖かいかはわからないけど、少なくとも、冷たくはない。よく知っていて懐かしい。そのままそこでじっと丸まって眠りたい。そうしたくして仕方ないよ。いまも。どうしよう。
春の陽気の太陽の下にいても、遊園地で友達とはしゃいでいても、犬とともにねむっていても、思えば人生のそばには“答え”がずっと一緒にいた。寄り添うように、主張せず、私を招くでも拒絶するでもなく、ずっとそこにいた。それが薄いときと濃いときがありながらも、これから先もずっといるんだろう。例え私が子どもを産んで孫までできたりしても、ずっといる。“答え”が消えるのは、私が本当に死ぬときだ。それが病気なのか事故なのか、老衰なのか自死なのか、私には分からない。

大人になると寂しさへの対処がうまくなると思っていたけど、むしろ、さみしくなる理由が増えてくる。死ねない理由が増えてくる。
大人になってからできた友達がいる。シングルマザーをしているその友達の子どもと遊んだりしている。なんでもない日にスパイダーマンのコスプレをしていてかわいいんだ。
昔より美味しい食べ物をたくさん知った。うつくしい景色も見た。
世界中のいろんな理不尽に直面するたびに自分の無力さと無知を実感する。「私は何も知らないな」と思うことが増えた。無知であることを恥じる。本を読んで人の話を聞く。まだまだ知らないことしかない。
私は世界のうつくしさもかなしみも、0.01%も知らない。まだ知りたいなとおもう。
死ねない理由が増えちゃうんだよ本当に。
私が死んだら悲しむ人も増えてしまった。生きていたら、歳をとるごとに、関わり合う人たちの総量が増えていく。その人たちにまつわる仕事、食、趣味、考え、あらゆる知らないことが無限に出てくる。関わり合いたいから知りたい。いろんなことを諦めたくないきもちがある。

死ねないよね本当に。こんなにずっと“答え”が傍にあるのに。思考を捏ねくり回していたらそれしか“答え”は無いのに。私は今でもその“答え”が正しいような気がしている。
でも、選んじゃったら、私は私が感じてるこの寂しさを根本的には解決できない気もする。そしていろんなひとをさみしくさせちゃう。

寂しいな〜人間として人間と愛し合いたいよ。性別も人種も年齢も国籍も関係なく。素朴に魂をふれあいたいよ。
だからいっぱい自分の無知を乗り越えてちょっとずつ前進していきたいな。人間としてあなたと愛し合いたい。

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