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文袋新作「江戸の別嬪さん」


新作の「江戸の別嬪さん」の別嬪さんは
歌麿の描いた浮世絵の手ぬぐいを
柿渋染めしたものです。

これはアンティークフェアの会場で
求めたのですが、
そのブースにやはり柿渋染めの
写楽の役者絵の手ぬぐいがあり、
それは前に東寺の弘法市で求めて
文袋に仕立てた記憶がありました。
(家人が気に入って使っておりました)

販売されているおじさまが
前の方と違ってる気もしたのだけど
「弘法市で売られてましたか?」
と聞いてみた。

そしたら
「あー、そのおじさんはねえ
もう亡くならはって5年が経ちますわ。
奥さんに頼まれて、
うちが後を引き受けてますねん。
もう、ここにあるだけになりましたわ」
とのお答え。

5年以上前といえば、
あたしはまだ、東京に居て
帰省して東寺へ行ったのでした。

鮮明な記憶ではないのだけど
入り口近くに
飄々とした風貌のおじさんが居て
求める際に少し話したような気もします。

時が巡って、ひとも変わって
やがて品物も無くなって行くのだけど
ほそーい縁のようなものが一瞬繋がって
この別嬪さんの
ささやかなバックストーリーになりました。

b面はこんなかんじ。

そして、本体の黄色い格子柄の布は今はもう作られていない土佐木綿です。

読んでくださってありがとうございます😊 また読んでいただければ、幸いです❣️