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中国茶のある暮らし――1月のお茶「黄茶」

長い歴史に磨かれた豊かな中国茶の世界。
四季折々の甘味や食に合わせるお茶を、中国政府公認高級評茶員・茶藝師の澄川鈴が提案します。
心に余裕がなくなりがちな日々だからこそ、めぐる季節を愛で、自分を癒すひとときを。
そして、お茶を通して見える中国の人々の素顔と暮らしにも、ほんの少し触れていただけたらと思います。

1月のお菓子「花びら餅」

 新年快楽! あけましておめでとうございます!

 2022年の幕が明けました。

 と言っても、中国はチャイニーズニューイヤーの春節に盛大にお祝いするので、西暦の新年は世界に合わせてさらっとカウントダウンをする程度です。

 昨年もおうち時間が長く、お茶を飲んで気を紛らわせた方も多かったのではないでしょうか。今年こそはコロナ禍が終息して、皆さまの日常が戻り、海外との往来ができることを切に願っています。

 そんな新年の茶菓子は「花びら餅」を。

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 その起源は平安時代に遡ります。
 もともとは、宮中で長寿を祝う「歯固はがため」の儀式で、大根やいのしし押鮎おしあゆを食べる習わしが始まりだそうです。
 その後少しずつかたちを変え、宮中雑煮と呼ばれた白の丸餅と紅の菱餅を重ね、食べ物をはさんだ菓子となりました。近代では牛蒡ごぼうの入ったものが一般的になっているようです。

 今回はそんな「花びら餅」を、いつも鈴家の菓子を開発してくれている和菓子作家のOKIYOさんに作っていただきました。

 そして1年の始まりですので、今回は特別な黄色いお茶をご紹介したいと思います。

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