愛媛ツアー__27

あなたに会えるのはあと何回だろう

大人になって初めて、気づくことがある。
子供の頃は気づかなかったことに気づくようになる。

子供の頃、あんなにも大きかったオトンの背中はこんなにも小さかったのだろうか。あんなに元気だったオカンの顔にこんなたくさんのしわがあっただろうか。大人になって実家に帰るたびにこんなことを思う。

小学生の頃から僕は朝が弱く、ぎりぎりまで寝ていた。そんな僕を叩き起こすオカンは大変だったよな。夏休みの宿題を最終日まで残す僕。それを何も言わずに手伝ってくれるオトンは優しかったな。
大学受験に失敗して、大学は東京に行きたいって言った時は全力で応援してくれた。


就職もせずにフリーターをやりながら舞台をやり続けていた20代前半。
何も怒ることもなく、自分の力で生きていけるなら好きなことをすればいいと全力で応援してくれた。

昔からある程度、心配はしてくれるのだけれど「勝手に生きろ」って感じの放任感はすごく心地よかった。
困った時は全力で助けてくれた。

僕は長男だけど親がある程度の年齢がいってから生まれたので、オトンは定年している。
オカンはもう還暦が近い。
そう思うと自分の親も歳をとったなと思う。

もう僕は三十路だ。

そんなおセンチなことを考えながら、毎月実家に帰っている。
僕は連絡がマメな方ではないので親にはたまに連絡を入れるくらいだ。
だから、帰れる時は帰って顔を見せたい。

東京にいる時は出来るだけ形として出せるものを届けたい。
だから、僕はモノを作り続けて、表舞台に立ち続けるんだと思う。
まだ僕はそんなに誇れるほどの実績を残せてはいないけど、なんとなく生きれるくらいには生活が出来ている。

あなたに会えるのはあと何回だろう。

僕は愛されて育った。
知り合いが話しているような親との確執なんて皆無だ。
だから僕は僕のやりたいように過ごしていく。

あなたに会えるのはあと何回だろう。

実家に帰ると喧嘩はするけどまた今度も実家に帰ろうと思う。

最後に、一つだけ猛烈に反対されたことと言えば、
「ハゲてきたから、髪の毛を剃ろうと思う。」

この件に関しては本当に反対されたけど剃ってしまいました。

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