見出し画像

アニゲラ!ディドゥーーン!!!今ならまだ間に合う!最後まで聞き届けよう

2021年01月07日、21時26分頃。
文化放送超A&G+で21時から放送の「アニゲラ!ディドゥーーン!!!」内で、番組の放送終了がメインMCの杉田智和さんの口から伝えられた。

それはハルヒ世代、またはマクロスF世代、あるいは仮面ライダーキバ世代、いやお年頃の君はおねがい☆ティーチャー世代かな?
とにかく一部のアニラジリスナーにとってとてもショックな事実だった。

アニゲラ!ディドゥーーン!!!という番組とは

まず番組についてご紹介させて頂きたい。

「アニゲラ!ディドゥーーン!!!」は前進である「杉田智和のアニゲラ!ディドゥーーン」から続くラジオ番組で、2009年4月9日から21時に放送されている。今年2021年で放送12年の長寿番組だ。
メインMCの声優・杉田智和さんを中心に、アシスタントであるゲームライタ-マフィア梶田氏、そして杉田さんの友人の朝倉ブルー氏や体操の先生、ゲームクリエイター祁答院慎先生などが有象無象として出演している。
番組内容は杉田さんが同業者の友人や声優に限らず興味を持った人物を呼んで話を聞いたり、大喜利や読者投稿ネタメールコーナーなどで構成される。

主に杉田智和さんのパーソナリティや交友関係を中心にした番組で、それが最大の魅力だ。
ゆえに、番組の魅力を語るには杉田さんの人物を語らなければならない。

ラジオパーソナリティーとしての杉田智和さん

杉田智和さんは声優であり長くラジオ番組にも出演している方でもある。

声優としてのキャリア初期からの出演作品であるスーパーロボット大戦のラジオ番組スパロボOGネットラジオ うますぎWAVEも今も続く出演番組で、アーク・システムワークスのブレイブルーシリーズのラジオ番組ぶるらじも、たびたび復活する人気長寿?番組だ。
また、アニメ銀魂DVD初回特典の銀魂放送局も人気で、今でもソフトが出る度新作が収録されている。

そのトークの特徴は周りを置いてきぼりにするいい意味での暴走感だ。
とにかく漫画やアニメ、ゲーム、それに限らず最近は洋ドラやTVドラマなど自分がハマった作品や自分が見て育った作品のネタをほぼ説明なしに急にお出ししてくる。
基本的に相手の方はきょとんとしてしまう。何のネタか伝わらない場合が多く、ネタ振った後に本人が「こういう作品があってね…」と語り出す。
まさにイタいオタク的なムーブなのだが、これが説明なしでも通じる人には通じてしまう。そこがクセになる
女性声優の番組に出演して眉間にシワを寄せて持ち上げてハの字眉にして「テリーマン~」とやって出演者の女性声優でなくスタッフのおじさん達から笑いが起きてしまう…とかそういう空気がしばしばある。(出典:高橋未奈美の「み、味方はナシ!」#17
これで仕事現場ではいたって真面目で、周りへの気遣いができる方で決して独りよがりな人間ではない。だから成り立つ芸風だ。
なお、一部の共演者(友人の中村悠一さんや付き合いの長いマフィア梶田さんなど)はだいぶネタが理解できてツッコめることもある。

ラジオではキャリア初期に川澄綾子のBest Communication第50回(2001年12月19日放送)(たぶんこれだったと思う、違ってたらごめん)にゲスト出演されており、この時点で既に若手声優としては異彩を放っていた。おねがいシリーズ(おねがい☆ティーチャー、続編のおねがい☆ツインズなど)で川澄さんと共演されている繋がりだが、やはりパロ元を理解されないオタクネタを言い放って「わかる人だけ笑ってる」状態を作っていた。本人は緊張していたかも知れないが、今考えるとこの人この時からこの部分は変わってないんだ…と感動を覚えてしまう。

ではネタがわかる人にしかウケてないのかというとそうでもない。
「何言ってるかわからないけど推しが楽しそうに喋ってるからいい…」というファンの方は多いらしい。
その気持ちはわかる。推しが楽しそうに語ってるのいいよね…
自分も未だにプロ野球の話わからないけどプロ野球の話してる番組毎週見てるからわかる。
元ネタ解説や杉田さんからの紹介で昔の作品を知って興味を持つ人もいる。
代表的な例が声優の上坂すみれさんだ。アニゲラでィドゥーーン#133(2014年5月1日)で出演した際にエリア88を勧められた後、アニメ版視聴。A&G NEXT GENERATION Lady Go!!月曜日第143回(2014年6月23日)にて逆にゲスト出演した杉田さんはウォーズマンのコスプレで登場し、ゴッドマーズを当時視聴していたことから横山光輝三国志を勧めて、更にこれも視聴。勧められて視聴するのが素直でいいよね。ここでドハマりした上坂さんは後に自分の番組上坂すみれの♡をつければかわいかろうで陳宮のコーナーを作ったり影響を受けていた。
こういったやり取りを経て単独ライブ『上坂すみれのひとり相撲2016~サイケデリック巡業~』にて上映されたに杉田さん、マフィア梶田さん、祁答院慎先生のアニゲラチームで出演されている。
(ウォーズマンの衣装は早見沙織のふり〜すたいる♪第247回(2015年12月22日)にサプライズ出演した際にも流用)

杉田さんがこのように、相手に通じるかもわからないオタネタを振ったり昔の作品を勧めるのにも理由がある。
曰く「自分の好きな作品が忘れ去られるのがイヤなので、伝わるか伝わらないかは別として話題に出していきたい。」という考えから行われている。

多彩なゲスト

番組ゲストは杉田さんが興味を持った人や友人、知り合いを中心に呼ばれる。

現場で共演して仲良くなった声優、また旧事務所アトミックモンキーの若手声優、さらには杉田さんが出演したコンテンツのプロデューサーが呼ばれることもあった。

複数回出演されていたのが中村悠一さん。デビューして間もない頃からの、杉田さんとの関係はちょっと語るには長すぎる。
細谷佳正さんは杉田さんとの共演も多く、出てない時すら番組でネタにされる。というかよしまさの地図などコーナー化している。
江川大輔さんと近藤浩徳さんのお2人は毎年クリスマスに出演され、江川さんはアイマスの四条貴音について熱く語っていた。

ゲームや漫画などクリエイターでの出演者も多い。
祁答院慎先生はフリーゲームコープスパーティーで知られたゲーム作家で、杉田さんが同作のファンだったことからゲストに招き、以降準レギュラー化した。その後漫画原作や舞台主催など多彩に活躍されている。
華麗なる食卓で知られるふなつ一輝先生は行きつけのカレースタンドPLUCKMEN店長(こちらも杉田さんのゲーム仲間)と登場。店先にはふなつ先生が描かれた店長や梶田さんのイラストの看板が出ている。

今考えるとびっくりするゲストも居る。
メタルギアシリーズ、またデスストランディングでおなじみ小島秀夫監督。
俳優の松山ケンイチさん。(梶田さん行きつけの電子タバコ専門店の常連で意気投合したらしい)
ゲームサウンドで知られる伊藤賢治さんや光田康典さん。
説明不要のゲーム界のレジェンド、高橋名人

後半は時代に合わせてVtuberがゲストに呼ばれることも多かった。
複数回出演の電脳少女シロちゃんと、Vと現実の狭間を行き来するばあちゃるさん。
Vかつ女性ゲストの中では貴重な下ネタOKのミライアカリさん。
のじゃロリおじさんことねこねこマスター、ねこますさんはクリエイターでもあることからVR Chatという文化を紹介されていた。(ここがその後のAGRSチャンネルでのVtuberアバター回につながる。)

声優からもあまりラジオでお話を聞くのが貴重な方も多数出演されている。
北斗の拳のトキ役、またスネイプ先生などの土師孝也さん。
キュアショコラ、ラストオブアス2アビー役の森なな子さん。
ピッコロさん、諸星あたる、カイ・シデンetc…古川登志夫さん。
杉田さんが後半外画吹替の仕事も増えていったことで人脈が広がり、色々な方に貴重なお話を聞く機会も増えた。

なにがすごいってこのメンツの方々に、ラジオドラマにも参加して頂いていたことで…
「この人にこんなことさせていいの!?」というぐらいネタに振った内容のラジオドラマが前半は多かった。
後半は杉田さんがハマっていた「クトゥルフ神話RPG ~水晶の呼び声~」のラジオドラマが複数回展開され、森なな子さんゲスト回では一人で少女からお姉さんまで複数役を演じ分けて出演者3人で群像劇を展開されていた。

やりすぎ感あふれる番組企画

番組はフリートークや大喜利、またふつおたメールやネタ投稿メールコーナー、そしてラジオドラマ等で構成されている。

「杉田智和の~」時代にはそんなことよりゲームやろうぜ!というコーナーもあった。音声放送であるこの番組で、音声だけでゲームプレイして流したのだ。
今思えば極めてラジオ向きじゃない企画だったが、何しろゲーム好きで知られていた杉田さんの番組だったので盛り上がった。基本映像無いのに
いや…映像ないからこそ言葉で伝えるのがラジオでもある。

ネタメールは基本パロネタや下ネタが中心で、番組が進むごとにどんどんヒートアップしていった。

最終的に起きたのがPNで面白さのピークが来てしまっているネタメールという状態らしく、PNを読んでもう満足してしまうこともあった。
また下ネタは多用されるが、一応番組としても弁えてはいるらしく、ゲストに女性出演者が来た場合そういった下ネタは杉田さんにより自主規制、またはコメントなしで流される。なぜそのメールがその場にあったのか。

番組が生みだしたもの:AGRS アジルス

番組序盤から番組名変更までにかけて登場したもう一人のパーソナリティがAGRS(アジルス)だ。
杉田さんのプライベートの友人アジルスさんのあだ名が元ネタだそうで、人工知能AIとして番組に出演している。
主に杉田さんや出演者の発言に対して自動音声で「田中、くたばれ」「中村さん…好き」「ぉおい、しんのすけぇ(似てない野原ひろしの物まね)」とツッコミやネタフリをする。その際に杉田さんが手元のボタンを押しているらしいが気にしてはいけない。

このアジルスはキャラクターデザインが付けられ番組グッズなどにも登場。
また杉田さんが出演または関わったコンテンツともコラボし各種ゲームにも実装され活躍した。

今現在はアニゲラの番組内で音声が流れることはない。しかし、杉田さんが起業した事務所株式会社AGRS、また杉田さんのYoutubeチャンネルである、杉田智和/AGRSチャンネルに名前を残し、またマスコットキャラとしても続投している。アジルスは今も生きている。

番組が生みだしたもの:マフィア梶田、そして有象無象

アニゲラは「杉田智和の~」より更に前身の番組になる、杉田さんがメインMCをやっていた12人の優しい殺し屋 side Rという番組の好評を受けて放送が開始した。
初回こそ杉田さんの一人喋り番組だったが、番組を回しやすくする為にアシスタントとしてSP田中という人物が加わる。
このSP田中こそゲーム情報サイト4gamerで主に活躍するゲームライター・マフィア梶田さんだった。梶田さんが専門学校時代に知り合い、キャラクターのインパクトに強い印象を受けた杉田さんはローゼンメイデンの話題で意気投合しラジオにも呼んだのだという。(出典:マフィア梶田の二次元が来い!:第10回「蘇芳モグモグProjectを何とか実現したいマフィアのちょっとした昔話」
番組の出演を経てライターとしてもタレントとしても成長していき、梶田さんは今やライターのみならずアニメ・ゲーム系イベントや配信の司会、はては俳優としてシン・ゴジラや大林宣彦監督の遺作海辺の映画館ーキネマの玉手箱にも出演するマルチな活躍をしている。
のみならずSP佐藤朝倉くん体操の先生男AGRSikuyoan先生MEN店長など…。杉田さんがプライベートで仲良くなったゲーム仲間を呼んで準レギュラー化することがたびたびあった。こういったいい感じの内輪ノリもこの番組独自の魅力であり、またその中からエンタメ関連で活躍する人も出てきた。
SP佐藤さんは碓氷剛史として声優に。朝倉くんさんは朝倉ブルーとして漫画家に。今は株式会社AGRS所属。
こうした「自分が面白いと思った、また知られてほしいと思った人たちが世に出ていく」のもまた杉田さんは嬉しかったそうだ。

以前の放送で、印象に残ったエピソードがある。
現場で知り合った新人声優が杉田さんのファンで、一緒に仕事できたことの感動を伝え最後に「また一緒に仕事したいです!」と言っていた。
それが最後に交わした言葉で、その後引退してしまったという。
そういった経験を経て、自分が良いと思った人を積極的に紹介していこうと思ったのだという。

なぜ終わるのか

2021年01月07日放送の第428回で、この長寿番組が今期で終了するとともになぜ終わらせるのか理由が語られた。

杉田さんはこの番組でやりたいことをやり尽くしたそうだ。

かつて杉田さんは「おねがい☆ティーチャー」のラジオドラマ脚本に参加したことがある。学生時代から部活紹介のコントを考えたりしていたそうだが、そうした経験からか杉田さんには作品作りに関心があった。
そうした中で作られたのがこの番組自体でその中のラジオドラマでもあり、またアニゲラでも取り上げてラジオドラマ化していたゲーム・月英学園
また、プロデュースに参加し積極的にアイデアも出したというソーシャルゲーム・コトダマン

メタルギアなどで共演し、厳しく指導したという大塚明夫さんは、杉田さんについて「俺達声優の仕事は基本的に待つ仕事だがお前は仕事を作れる。それはすごいことだ」とかつて評していた。

もう一つやりたかったことが自分の知った人間を世に出していくこと。
新人ゲームライター時代から知り合い、時に世話を焼き時に厳しくもあたり立派なマルチタレントとなっていったSP田中ことマフィア梶田さん。
学生時代から番組に出て就活を経てアニメーター、漫画家やイラストレーターとして活躍する朝倉ブルーさん。
SP佐藤として出演する内に声優の活動に興味を持ち、いつか声優として共演したいと決意し、バトルスピリッツ 赫盟のガレットの現場でやっと再会した碓氷剛史さん。

杉田さんは、番組が生み出した一番の傑作は梶田さんだという。
梶田さんは終了発表の後、「毎回ここで話すことが当然のことで、終わるとは思っていても一生やるもんだと思っていた。不思議な気持ちです。」と語っていた。聞いているリスナーの我々もそう思っていた。

しかし次の時代は来る。
杉田さんは「後進が出てくる為の枠を空けなければいけない」と言っていた。そうなのだ、この番組だって前の番組から枠を受け取って放送し続けてきたんだ。
だとすれば、この枠で杉田さんの下の世代も活躍してほしいというのも我々ファンとしては偽らざる気持ちだ。
だから終わるのだ。

とはいえまだちょっと続くよ

ここまで書いてきたが、別に今回の放送が最終回というわけではないよ
来週2021年01月14日の放送にはゲストに置鮎龍太郎さんが来るし、あと11回は放送予定がある。
ここからこの番組らしいゲストを呼んでいくよ」とも言っていた。
しばらくラジオを聴く習慣から離れていた人も居るかも知れない。
でもあと11回ある。そしてもうたった11回だけだ。
アニゲラ!ディドゥーーン!!!のラストランを見守ろうじゃないか。

あとね、杉田さんのラジオ&テレビ番組はアニゲラだけじゃない。

スパロボOGネットラジオ うますぎWAVE

杉田智和/AGRSチャンネル

無職転生 心の声ラジオ

せっかく色々やってて杉田さんの番組堪能できるんだし、色々聴こうぜ!

それと今読み返して思ったんですが、なんか勝手に杉田さんや梶田さんの心情描写してるようなところもあって、自分でも傲慢に感じてしまいました。
ごめんなさい。

とにかくアニゲラ聴こうぜ!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?