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女子高生、空気階段のコントの話がしたい

空気階段というコンビ名、人間椅子みたいでいいよね。
ということで薄い紹介で始めてしまいました。だってどうせ皆空気階段知ってるんだもん。

前2回は私の推すコンビそのものの魅力について触れてきたわけだが、今回はヘアカラーを変えて推し芸人さんの推しているネタについて語りたいと思う。This is 見切り発車〜。

まず空気階段のコントを触れるにあたり簡単に2種類に分けると、「もぐらがやばい」と「かたまりがやばい」(敬称略)になる。ボケと言わないところが肝だったりする。
テレビでよく見るのは恐らく前者。私がライブで拝見したのも名コント「クローゼット」と「霊媒師」であり、憑依型のもぐらさんのキャラは嫌いな人いるの?って感じ。今嫌いと手を挙げた人はこれから挙手するごとに沖縄のサンゴが1匹死にます。反省しなさい。

そういうわけで今回は後者「かたまりがやばい」コントの魅力に特筆したい。読み疲れたら無添加のリップクリームでもつまんで頂戴。

1. 中華夫婦

ネタパレ、クセすご等で既にご存知の方も多いであろう。かたまりさんが膝の悪い相方もぐらさんを支障が出ない限界まで酷使する痴話喧嘩系リズムネタ寄りコント。

夫(もぐら)に浮気疑惑をかけて問い詰める妻(かたまり)のダンス前後の温度差が見所となる訳だが、言葉責めのレパートリーが素晴らしい。以下、私の好きなフレーズ↓

「ユーラシア大陸ごと舐めている」

「お前の🙅‍♂️を切り取って神社に奉納してやる」

(話せば分かると言われ)「犬養毅か」

「(包丁で)ちょっとずつ切る」

片言で聞き捨てならねぇクレージーなことをバンバン言ってる。そんななかで「犬養毅か」というインテリなジャブ。受け側の夫も素晴らしい。妻のパワーワードを殺さず控えめに宥めるところが本当に絶妙でスッと入ってくる。
「オーダー杏仁豆腐ー」のターンが短いところもただの天丼で終わらせない辺りセンスを感じた。中華なのに天丼て。

最後に変なことを言ってしまったが、1ミリもシリアスではないので軽い気持ちで笑える名コント。是非御家族でご覧下さい。

2. ゆうえんち

緩急がすごい。タイトルに沿うならばジェットコースターってところだ。ちょごめん、今のはダサいので撤回させて。

このネタは様々な「異常犯罪」を犯した知的な囚人(かたまり)を事件解決に使うという「羊たちの沈黙」を彷彿とさせる設定である。個人的には知的故にイカれてる奴の仕草が1番怖いと思っているのだが、かたまりさんはこれがめちゃくちゃ上手いのでボケが来るまでの序盤はぞくっとする。

そして、その緊張を破るように刑事(もぐら)から飛び出す台詞とテロップが最高だ。

ECCフランス語コース全裸体験入学事件!!

普通のコント師であればもうこの事件だけで1ネタ作るところだろう。パワーワード過ぎるし、妄想が膨らみまくる。英語じゃなくてフランス語というところも癖(へき)っぽくて気色悪くて好きだ。
で、お分かりだろうが、ここで言う異常犯罪者というのは露出狂常習犯なのである。しかも変なシチュエーションの。一旦彼の事件簿を作ってみよう。(ネタバレ)

Ⅰ.ECCフランス語コース全裸体験入学事件
Ⅱ.白馬村スキー場ラージヒル全裸滑走事件
Ⅲ.真田広之主演「ハムレット」最前列全裸観賞     事件
Ⅳ.みんなで行こう!知床満点の星空バスツアー全裸参加事件

これぞ異常犯罪の権化と言っても過言ではない。
犯人の捜査中の行動に重ね合わせて「流石、〇〇事件の犯人だな!」とテンポよく進むので、おーーーい!!深掘りわい!!!!と思わず私の中のおいでやすさんが叫んでしまうのだが、そのあっさり加減も丁度良いのだと思う。そこを深掘りするときっと犯人の素性不明感やミステリアス感が薄れてしまうから。
色んな場面で只々裸になる奴はそもそもミステリアスじゃないけどな。

3.リコーダー

かまいたちやフタリシズカなど多くの芸人さんが題材にしているであろう、好きな子のリコーダー。因みに先2組は確か放課後にこっそり好きな子のリコーダーを舐めたりするかと思いきや演奏が凄いみたいな、いや舐めんのなんてもうどうでもいいよ!なんでそんな達人的なことできるんだよ!というネタだったと思う。好きだ。

しかし、また空気階段はやらかした。というかかたまり氏がやらかした。

好きな子のリコーダーにアクエリアスを注いで飲む

小学理科でこんなんあったなぁ。いやいやそれはろ過の実験でしょ。思わず錯乱してしまったが、決して日常でこんな気持ち悪いことが起こってはならない。本来であればアクエリアスに風評被害が出てもおかしくないくらいやばいのだから。
「CMで全身にアクエリアスが行き届く図を見たから好きな子のリコーダーに注げば好きな子の液を効率的に摂取できると思った。」

そう供述する太田(かたまり)の目は澄んでいる。まず「水川」でいいところを何故「太田」なんだ。改めて見てびっくりしたぞ。

好きな子のリコーダーにアクエリアスを注いで飲む

好きな子の上履きに腐葉土を敷き詰めてかいわれ大根を栽培

全校生徒の体操服を縫い合わせてダブルベットを作る


上記は下から先生の先生、先生(もぐら)、太田の奇行のわけだが、二度あることは三度あるというか類は友を呼ぶというか色々な諺が頭をよぎる。気持ち悪いのに面白いワードを淡々と言っていくことに関して空気階段は天才かもしれない。否、天才である。


ということで3つのコントを雑に紹介したのだが、公式YouTubeに挙がっているところで言うと「14才」も面白いし、「花火」も面白いし奇妙なかたまり氏をふんだんに使ったコントは沢山ある。勿論、もぐら氏の変だけど憎めないおじさんキャラコントも是非沢山見ていただきたい。タイトルからは想像もできないパラレルワールドが広がっていることだろう。総じて言えることは

言葉の力がほぼ糸井重里

というところだ。なんだその締め方。

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