今年やってみたいことがある。 『三浦哲郎自選全集』を、十三巻まで読破することだ。 こんな目標を掲げてはいるが、つい最近まで、三浦哲郎の作品で知っているのは、中学生の頃に国語の教科書で読んだ「盆土産」だけだった。 そもそも本を読む習慣があまりなく、中学生以来彼の作品に接する機会もなかったのだが、その「盆土産」をひょんなことから思い出し、気付けば図書館で『三浦哲郎自選全集』を借りてくるようになっていた。 もう2年ほど前になるが、有休を取って親知らずの2度目の抜歯に行った日のこ