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アンジュルムの竹内朱莉ちゃん卒業をみて思ったこと

社会人になってから好きになったハロプロ。
初めて行ったコンサートはモーニング娘。2010年秋の尼崎公演。一般販売でチケットを取って、ほぼ最後列で見た。一人でいくほどの勇気がなく、2こ上の大学の先輩(お姉さん)を誘ったことをよく覚えている。このツアーは、のちに伝説となるえりりん・ジュンジュン・リンリンのラストだった。ファイナルの横アリ公演は未だハロオタたちに語り継がれている。当時、横アリ公演がとてつもなかったとネットの評判やDVDで見る映像で知ることになり、歯痒い思いをしていた。

自分がちょうど中学生のころに、黄金期と呼ばれる時代を築いたハロプロだったけれど、そのころは流行りものだ!アイドルなんてちゃらついたものを好きになる気はなかった。(普通にGLAYが好きだったこの上なく大衆的な趣味だったけどね)

大学でアカペラサークルで暴れまくっていた。(山本リンダの格好をして絶叫していた)歌を聴衆の前でうたい、音を外さないことの困難さを突きつけられるとともに、70年代〜80年代アイドル(山口百恵、ピンクレディー、松田聖子、フィンガー5、西城秀樹、沢田研二などなど)に魅了されるようになる。ギラついた時代というか。レトロな世界観というか。アイドルの歌唱力も高い時代。ちょうどYoutube黎明期で、ベストテンやらヒットスタジオなど当時のテレビ番組の映像がころがっていた。

社会人になって、社会の常識にうまく適応できずもがいていた。22歳の私。辛かったね…。そこで突如としてハロプロに目覚める。黄金期のメンバーが全員去り、メディア露出が著しく低下しており「オワコン」的扱いを受けていた時代だ。しかし彼女らは地道にスキルを磨いていた。「おいおい、歌もダンスもうますぎてかっこよすぎやろ!!!!!」。世間から評価されずとも、とにかくコンサートでパフォーマンススキルを向上させることを続けて確実に実力をつけていく姿がかっこよすぎた。今となっては「プラチナ期」と称され、輝かしく語り継がれている。象徴的なメンバーとして高橋愛、道重さゆみなど現役メンバーに影響を及ぼしつづけている。

あれからもう13年もたって、松岡茉優とか蒼井優とか新木優子(偶然にもみんな優しいという漢字!!)とか、有名な人たちがハロプロ好きを公言したり、そもそも世間的に「推し活」なる概念が広まるなど時代が変わってきた。

先月いってきたのは、アンジュルムの横浜アリーナ公演。竹内朱莉ちゃんの卒業コンサートだった。在籍年数が長く、最終的にはリーダーを務めた彼女の卒コンセットリストは歴史を背負ったものだった。見てる私もいろいろ思い出してた。

アンジュルムは改名前、スマイレージというグループだった。プラチナ期のモーニング娘。が熟練の技をゴリゴリにみせつけるなか、非常にフレッシュでピチピチとした存在だった。正直、最強の4人だったんです!!!!!これまじで最強やんけ!!!とハロプロファンになってまもない、まもないぐらいが一番過激というか熱量がやばいですよね?そのころに好き好き好きだったスマイレージ。即崩壊が訪れる。ハロプロの宝と言っても過言ではなかった、ゆうかりんの引退。これによって私は膝から崩れ落ちるほどのショッキングを受けたのです。今でもよく覚えています。毎日放送でADやってた頃ですよ。仕事中にYahoo!ニュースでみた同僚が教えてくれて「えっっ???」となったわけです。非常に辛かったです。ゆうかりんがいなければハロプロの未来はないも同然。ゆうかりんをやすやすと手放すような価値観がはびこっているようでは、おしまいだいよ…みたいな大きな絶望感に包まれていました。

その時!!!!その時期に加入したのが竹内朱莉ちゃん含む2期メンバーだったんですね。あの頃2期が全然好きじゃなくて…恨み節をブログとかに綴っていた。すみません。しばらく私のような不届きもののファンたちが足をひっぱったことでスマイレージは低迷期を迎えます。アンジュルムと改名しつつ、なんとなく重々しい感じ。しかし!!!モーニング娘。のプラチナ期と似た道をたどる。ピチピチフレッシュではなく、徐々にスキル集団へと変貌していく。その凄まじさたるや。

その究極系をみせつけられたのが2016春のコンサートツアー「九位一体(きゅうみいったい)」です。あれはまじでやばかった。気迫。プラチナ期よりさらにすごいのが、若手メンバーがたくさんいてそこに到達してることですよ。私の中で勝手に「後継者のいるプラチナ期」と名付けていた。すごすぎて、もうこれ以上やれることはないのでは?というぐらい。とにかくフルスロットルで手足がもげるのでは?と懸念してしまうぐらい、エネルギッシュなダンスをぶっ通しでやり続ける超人的なパフォーマンス力。もちろん生歌ですよ?

そう言った経緯があり、アンジュルムやべええ!となった私で、だから今回も見にいったんですよ。2016春の時リーダーだったカリスマ・あやちょが特に好きでね。彼女はもう卒業したけど、いろいろアンジュルムには魅了される要素がほんとうにあってね。だけど、2021年に仕事辞めた私にとって、アイドルが少し遠い存在になってて。だって、仕事を頑張る自分を鼓舞してくれる存在でもあり、がんばるぞ!!なじぶんと連動してたので。しかもここ1年半は恋愛に傾倒しはじめ、熱狂的な自分の中のリソースが恋愛にさかれるわけですよ。ちょっとアイドルはお休みかな…みたいな期間があったわけで、だけどアンジュルムのしかも竹内朱莉ちゃん卒業となればみにいくしかあるまい、ということでかなり久々のアイドル沙汰だったわけ。

しかし、歴史的セトリのせいで、不届き者だった頃の自分が蘇ってきて、苦々しい気持ちになったわけです。「あの頃、ファンすら味方じゃなかったこともあったのに」昔から応援してた顔ではいられないよね。みたいな。確実に常に舞台に立ち続けてきた彼女の歩んできた道だからすごいんだね、みたいな。ハロプロはなんだかんだで、人間が身ひとつでがんばっている、肉体的なすごみを感じさせてくれる。

松岡茉優がなんかのインタビューで、女優という言葉がきらいで。セクシーだったり清楚だったり、固定のイメージにはめられているようで。だから俳優って名のってたんです。でも、樹木希林さんや安藤サクラさんとかをみて、女優になりたいって思ったんです。そこに肉体がある、という凄みを感じたんです。(意訳)みたいなことを言ってたことを思い出す。

アイドルは楽曲や振付を提供されて、それをパフォーマンスするだけ、みたいなことを中学生のころ弟が言ってたけど、クリエイティブだけが至高なわけじゃないだろう。(今は全部自分たちで作るセブチみたいなアイドルもいる)表現者として彼女らをすごく尊敬している。黄金期メンバーはわりとママタレになりがちだけど、最近のメンバーのセカンドキャリアはとても多彩だ。卒業後の活動もわりとおもしろい。竹内朱莉ちゃんは書道家になる。私は今までみたいに仕事と連動した「頑張ってる彼女たちを見て自分も!!!」てきな鼓舞のこころは今はないけど、また別の感情でずっと好きなんだと思う。


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