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組織のパフォーマンスを上げたいなら、環境を合わせましょうという話

今いる会社が特殊事例な気はするのですが、「あぁもう!!」となることが多いので実情と改善してみた話を書き連ねてみます。

現在、業務で主に使っているツール郡

- slack
- Gsuite(GoogleDrive, gmail, Googleカレンダー)
- github

あら、意外とシンプル。
(もちろん、細かいルーツは他にいくつもありますが)

そうです。これならなんの問題も無い・・・というより、むしろ非常に良い

弊社は、実は半数ほどの社員が「出向者」なんです。

で、出向元の会社で使っているツールが

- office365(outlook, teams)
- 共有ドライブ

といった感じになっているんですね。

結果

「 slack, Gsuite, githbを主に使いつつ、出向元からの連絡などのために部分的にoffice365などを使ったりしている」

状態となります。

さらにさらに、その結果「今までoffice365に慣れていた出向者は移籍後も主にoffice365を使い続ける」というのが常態化しています。

どんな困ったことがあるの?

では、具体的に困ることの例を書いていきましょう。


例1. 会議設定をする際に、招待する相手によってGoogleカレンダーとoutlookのどちらのアカウントを招待すべきかが変わる

はい。一番イカンと思ったやつですね。

もちろん、outlook/googleカレンダーの両方のカレンダーを横断して空き状況を確認するという機能は無いので、会議設定をする場合は両方の空き情報を確認してそれぞれの人に適したアカウントを招待する必要があります。

「カレンダー登録が大変なので、ちょっとした会議でもスタッフさんにお願いして会議設定してもらう」という、重役か!と言いたくなるような話もあります。


例2. 資料がパワポとGoogleスライド(excelとGoogleスプレッドシート)に分かれてしまい、結果情報がバラバラになって後から参照しづらい

1番の例に比べたらそこまでクリティカルではないのと、回避方法(適宜パワポもGoogleドライブに上げる)があるのでまぁ可愛いものですが、「あの資料どこに行ったっけ??」というのは結構時間取られますしストレスになるんですよね・・・。

ツールの問題+置き場の問題+流通経路の問題それぞれありますが、ツール統一していたらある程度カバーできるのにな・・・という


やったこと

こういった困った事に目を瞑っていては、会社として良くならないし、何より「プロダクトに集中する」という当たり前のことに支障が出ます。

そこで解決のために、↓のようなことを実施しました。

1. 小さく始める対象を決める
2. 「なぜ統一できないのか?」の整理
3.「統一するために必要なこと」の精査と打ち手の整理
4. 統一のためのコミュニケーション
5. いざ統一

以下、それぞれについて簡単に解説していきます


1. 小さく始める対象を決める

こういった既存の取り組み変更については、いきなり全社など広い範囲でやろうとすると、大抵失敗します。

そのため、まずは「どこから小さく始めるか?」を選定します。

選定基準は↓
・人数が多くないこと
・組織が複雑でないこと
・自分(もしくは近い賛同者)の力が及びやすい場所
で、今回は自分がマネジメントをしているプロジェクトの所属事業を対象とすることにしました(対象者は約15人)

 
2. 「なぜ統一できないのか?」の整理

これは、シンプルに「例えばGoogleカレンダーに/gmailに統一したら何か困ることありますか?」といった感じに聞いて回りました。

結果
1. 出向元のメールアドレスで連絡するケースが多いのでoutlookを使っている
2.outlookカレンダーは出向元のイベントが登録されることもあり、そのまま利用していた
 →出向先は気を聞かせてoutlookに登録してもらっているので支障なし
 →念の為Googleカレンダーに登録されたイベントはoutlookに反映されるように設定している
3.パワポやエクセルを使う明確な理由は特に無い(!)
4.共有ドライブを使う理由は、PL情報など出向元など関係各所で使うため
ということがわかりました。

今回、対象を事業にフォーカスしているので、4については対応除外することがまず決まり、残った中でも一番面倒な「Gsuiteとoffice365の両方利用問題」を解決することにしました。


3. 「統一するために必要なこと」の精査と打ち手の整理

続いて、「じゃあどうすれば統一できるの?」という部分を明確にしていきます。

課題は抽出済みなので、要は
「出向元のメアドが使えて」「イベントが適切に同期出来て」「移行するメリットがあれば」OKということになります。

一つ一つ、打ち手を整理していきます

・出向元のメアドが使えること
これは簡単です。gmailには、素晴らしい機能があるのです(回し者っぽい言い方)
なんと、「別のアドレスやエイリアスからメールを送信する」というものがあるのでこれを設定します。

↓実際に事業に展開したときの資料

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エイリアス名義で送れるので、「〇〇運営事務局」的な個人ではない団体名義でメール送る時などにも便利ですね。

あとは、outlookの方で「来たメールをすべて転送する」という設定を入れれば受信も送信もgmailで完結します!ということで解決☆


・イベントが適切に同期出来ること

2点目です。これはちょっと苦労します。
今回、outlookからGoogleカレンダーに移行したいのですが、どうしても両方使う必要がある(出向元はoutlookを使い続ける)ので、outlook→googleカレンダーの同期もgoogleカレンダー→outlookの同期もどっちも行わないといけない・・・という状況です

解決策として、microsoftのFlowを使うことにしました。

今回詳細なやり方は割愛させていただきますが、Flowでテンプレートを作成しzipとしてDL→関係者に配るという方法で「まったく同じ環境」を構築できるようにしました。

ここで重要なのは、例えばバージョンやカスタマイズなど、「ちょっとした違いを許容しない」ということです。

もちろん、なれてきたら各自カスタマイズしても良いんですが、なれないうちに違いを許容してしまうと「なんか同期うまくいかなくて見落としました」みたいなことが頻発してしまい、結局「なんか不便だね」というマイナス印象がついてしまうことがあるので、できるだけ安全策に倒した方が良いです。

ともあれ、これでカレンダーが同期される環境を整え、無事解決☆です

・移行するメリットの提示

これは必須ですね。人間はそもそも本能的に変化を嫌うように出来ているので、良いことが無いと積極的に変化しません。

こちらも解決方法はシンプル。
「現状の課題(客観事実+感情面)」と「それが解決したら嬉しいよね」というような話をオープンに伝えました

↓使った資料のタイトル

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個人的には、これぐらい砕けたタイトルの方が身構え無くて良い+みんなストレスは減らしたいので共感しやすいのでいいかなとと思ってます。

という感じで、これも解決☆

もちろん、移行のために必要な設定について実際に画面を共有しながらその場で設定する会を設けるなど、ある程度のフォローを実施してスムーズに移行できるように配慮しました。

結果こうなった

移行して2ヶ月弱立ちますが、結論としては「事業内のコミュニケーションがスムーズになった」と感じます

そりゃ、会議を行うために〇〇さんに依頼して〜とかやっていたら、会議する事自体を忌避するようになってしまいかねません。
(もちろん、無駄な会議は無くすに限りますが)
特にリモート必須の現在の状況で、場を設定しづらいというのは心理的安全性にも影響するので、ここを解決できていたのは良かったなと感じます。

課題

今回対応したのはあくまで「事業内」だけです。

当然如く事業外のメンバーと会議する機会は結構あるので、まだ完全に2重運用の悪夢から解放はされていません。

全社的なコストだと思うので、ここについては今後事業外にも広げて行ければと画策しています。

本当に話したいこと

ここまで読んでいただいてありがとうございます。
本当に言いたいのはここからなんです・・・

冒頭にも書いた通り、今回のケースは「特殊な事例」かなと思っています。

ただ、以下のようなケースは様々な会社で起こっているのでは無いでしょうか?

・企画側はexcelで案件管理しているが開発側はjiraなどでPBI管理している
・営業からの依頼はメールベースだが、開発はissue管理している
・普段はスプレッドシート使っているが、売上管理などはエクセルを使っている

セキュリティに対する懸念であったり、使い慣れているかどうかであったり、理由は様々かと思います。

ただ、その環境の違いはほぼ確実にパフォーマンスの低下を招いています

普段接している業務だと余計に「今までこうだったからこんなもん」と思ってしまいがちです。

しかし、改めてフラットな気持ちで周りを見回して見てください。

積もったコストは無視できるレベルですか??

改善は身近なところから!
皆様の業務環境が今よりも良くなっていくことを願っています。

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