自分の感受性くらい、自分で守るのなんて朝飯前。


お久しぶりです。JAZZ公務員です。
久しぶりにこの詩を読んで、すごく刺さったので、原文まま載せます。
みなさんはこの詩から何を感じますか?
↓↓↓↓


自分の感受性ぐらい

ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな

みずから水やりを怠っておいて




気難しくなってきたのを

友人のせいにはするな

しなやかさを失ったのはどちらなのか




苛立つのを

近親のせいにするな

なにもかも下手だったのはわたくし




初心消えかかるのを

暮らしのせいにはするな

そもそもが ひよわな志にすぎなかった




駄目なことの一切を

時代のせいにはするな

わずかに光る尊厳の放棄




自分の感受性ぐらい

自分で守れ

ばかものよ



茨木のり子
詩集「自分の感受性ぐらい」(1977刊)所収

「現代詩文庫」思潮社にも収録


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?