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Claudio Cavicchi / C1

レストア前

Claudio Cavicchiです。
扁平シャンクのポットみたいなボウルのビリヤード。
穴がポットみたいに広いわけじゃなく、壁が厚くてポットみたいなフォルムになってる。

Claudio Cavicchiは、イタリアの兼業農家です。
農業と、パイプ作家の。
地元のたばこ屋にカミネットのパイプを注文したけど、いつまで経っても届かないから自分でパイプを作ってみたら出来が良くってそのまま作家になったらしい。
すごいな農家。

木目の美しさに定評があります。
農家だからブロックの時点で木目が見えるらしい。
すごいな農家。

今も農業続けながら、年間700本程度パイプを作ってるらしい。
すごいな農家。
ちょっと自分の知ってる農家と違う。

Claudio Cavicchiは、底面に©️マークが1個〜5個入っていて、©️が多いほどグレインが綺麗です。
海外オークションで、C5、C4、C1が同時に出てて、C5と滑り止めでC1に入札してたらC1だけ落札してた。
だいぶ安く落とせたんだけど、多分入札が分散してて、C4もそんなに変わらない値段で落札されてる…
シェイプはこっちの方が好きだったから良いんだけど…
そして送料が商品と同じくらいかかって結局そんな安くない…
ちょっとモヤモヤする結果。

でも、グレードの差はグレインの綺麗さだけで、C1でも十分良い作りなので、まあ。

ボウルトップ手前にちょっとだけ黒ずみ。
カーボンはそこそこ。
そして壁が分厚い。

パイプ始めた頃は個性的なデザインが多いデンマークものが好きだったけど、ダンヒルとかのイングリッシュを経て、今はイタリアものが好き。
その理由の一つが、分厚いボウル。

イタリアはブライヤーの産地だけあって分厚いボウルが多い印象。
自分、基本くわえっぱなしでラタキアぷはぁな雑な吸い方をするので、ボウルの壁が薄いとパイプがすぐ熱くなるの。
その点、ボウルの壁が厚かったり、カステロシーロックみたいにボコボコしたラスティックだと、熱放射のアレでとても使いやすい。

そういう意味ではデンマークもバカみたいにでかいボウル多いけど、あっちはボウルに対して案外穴が小さかったりするイメージ。
ラタキアぷはぁ的に穴は広くあって欲しい。
イタリアは穴が広くてボウルも厚いのが多くて良い。

ティースマークは軽めで、状態は良い。

月食みたいな2つの円が重なるマークが、ブライヤーとアクリルでインレイされてる。
シャンクとの接合部もぴったり。
イタリアものは仕事が雑ってイメージあるけど、Cavicchiは精度も高いと評判で、さすがの仕事です。

全体的にかなり綺麗。
あんまりやることなさそう。


ボウルのお掃除

途中まで、やること無いから記事にしなくて良いかなと思ってたので、写真あんまり撮ってない。
ボウルはいつものようにリーマーとリューターでカーボン削ってアルコールメソッド。
一晩経ったら汚れが浮いてくるので、コットン取り除いてエタノールで掃除。

内側の掃除終わったら、ボウルにキッチンペーパーとか詰めて、いつものようにマーフィーのオイルソープで温水洗い。
ワックスも綺麗に乗ってたし、洗うの迷ったけど。

というのも、ボウルの左右の色味が違ってるのが気になって、少し塗りを重ねることにしたから。
記事にするつもりなかったけど、写真撮り出したのもこのため。

左右にバーズアイのクロスグレインだけど、バーズアイの面は硬いから色のノリが良くなかったのかな。
片方の面、真っ白でバーズアイがほとんど見えてない。
反対面は、逆に色が濃すぎてコントラストがないのでバーズアイが見えない。
まあ©️1だしね。

柘植の自作パイプキットについてた染料を、エタノールで溶いて、モールを筆がわりに、薄いオレンジを重ねてく。
色が薄い方の面を中心に。
塗ったらすぐにエタノール染み込ませたキッチンペーパーで全体を拭いて馴染ませる。
色が濃い方の面はエタノールで染料を落とすつもりで拭きまくる。
全体の色味が違和感ないくらいに馴染むまで繰り返します。

染料が乾いたら、椿油を塗りたくります。
ちょっとコントラスト強く出したいので、10分くらい放置したのち、拭き取ります。
全体的に同じような強さにしたいので、状態を見ながら、部分的に塗り直したり拭き取ったりを繰り返します。

最後にカルナバワックスを何度か重ね塗りして、ボウル内にエタノールで薄めた蜂蜜を塗っておしまいです。

最近は、蜂蜜塗った後、キッチンペーパーで余分な蜂蜜拭き取ってます。
そうすると1日2日で乾く。
効果にそれほど差はないはず。
多分。
どうせ初回の使用で灰つくし。

ステムは写真撮ってないけど、いつも通り。
軽いティースマークなのであっちゅう間におしまい。


完成

ピカピカです。
元から綺麗だったけど。

左右のバーズアイも、まあ。
最初の頃よりは綺麗。

イングリッシュのスタイリッシュさも良いけど、イタリアの、ともすれば野暮ったい、大きくて大らかな陽気な感じが好き。
紳士ってより田舎のおっちゃんって感じ。

以上でレストア終了です。
おつかれさまでした。

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