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誰が買うのだろう、グラム8500円の金

コモディティ価格は現物実需と投資退蔵用需要の趨勢で決まりますが、重要なのは輸入通関時の為替レートに日本国内の価格が左右されること。かつて貿易収支黒字がドル円レートを100円以下まで下落させた時代、金価格も1000円台があったわけですが、今や8000円台となりました。 

 ジュエリーメーカー、電子部品産業、そして歯科用では大きなコスト高となる一方、投資需要ではキロバーが850万円超と、現物投資の対象としては買うに買えないレベルとなってきました。ドル建て金価格は2022年3月の2070ドルから持続的に下値を切り下げています。

高値で需要が冷え、地上在庫、滞留在庫が、現物市場に還流しているのでしょう。金価格はどこまでも永遠に上がり続けるものではない。上がらくなり、且つ下がり続けている今は、長期的視点での見切り売りが進展しているのでしょう。ドル高がピークアウトするまで、金価格が上昇場面で注目を集める事はないでしょう。

この点で、金という投資対象はお飾り的な意味付けしかないとも見ることが出来ます。仮に2023年に米金融当局が利下げに転じたとして、景気減速時にジュエリー販売は停滞せざるを得ないでしょう。金大好きのフォロワーは多いのですが、金への投資は限りなく控えめにしておくことがおすすめ。

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