14章 留年

高校の時は本当に勘違い野郎だった。
先生に暴言を吐き、勉強なんてする気もなかった。
当然、期末テストで点数なんて取れるわけもない。

留年である。

落ち込む自分に腹が立った。
だって分かりきっていたからだ。
しかも、落としたのは現代と家庭科。。。家庭科である。
家庭科の教師とは本当に仲が悪かった。提出物を出せば上げてあげると言われ提出物は出したが留年した。
当然責め立てた。

しかし、あの態度で本来なら確定していた所を提出物を出せば上げてあげると言う先生の言葉は本心だったと思う。でも、最後の最後まで暴言を吐いていた生徒を上げる筈もない。
完全にこちら側が悪い。

先生も人間だ。
甘えすぎた結果である。

留年を経験した人は少ないと思うので説明すると、春休みに入る何日か前に個人的に担任から告げられる。
留年です。と。。。

帰って母親に何て言うか考えていた。

。。。考えた所で留年が変わる訳でもない。
辞める事も視野に入れて家に帰った。

母親が おかえり と、出迎えた。

あのさ。。。

え?何よ。。。何??

ちょっと話が。。。

はぁ。。。何したのよ。停学??

いや、留。。。

え??

留年しました。。。

。。。お前さぁ。。。ふざけんなよ。
いい加減にしろよ。
お前が好き勝手やって、夜はどこほっつき歩いてるか知らないで心配かけてお父さんなんか朝までアンタ探した事だって1回や2回じゃないかんね?
アンタはいいよね。お金だってこっちが払ってんだよ。ふざけんなよ。
タバコ吸って停学になって今度は留年??恥ずかしい。

ごめん。

謝られても困る。
お父さん帰って来たら自分で報告しなさいよ?
アタシは今回はアンタの擁護はしないからね。

うん。もちろん。
ごめん。。。

しばらくして父親が帰って来た。

おかえりなさい。。。

え??ただいま。。。

いつも、おかえりなんて言わない俺が急に居間に正座しておかえりなさい。と日本の文化をフルで提供してるのだからさぞかし驚いた事だろう。

父親も何か異変に気付くまでそう時間はかからなかった。

何?どうした?停学か?

母親と同じだ。俺に異変=停学なのだ。

いや、違います。
留年です。

。。。わぁ。すげ〜。。。想像超えてきたよおい。。。
んで??どーすんの?

いや、迷惑かけたし辞めようかな。。。

母親がキレた。

ふざけんなよー!お前!何が迷惑かけたから辞めるだよ!お前の都合のいい様に物事進めてるだけだろーよ!
おい!

え。。。いや、お金だって払って貰ってるし。。。

そんなの後だよ!お前が留年して気まずいのか何なのか知らないけど、学校に行きにくいとか1年下の子と同じクラスになるのが嫌なだけって顔に書いてるわ!ふざけた事抜かしやがって!
お前に選択肢はないよ!
意地でも卒業しなさいよ。

父親も続いた。

俺はショックだわ。
あんだけ注意しても堂々と遊びまわってたから何とか学年上がる。。。
いや、留年なんて想像もしてなかったわw
お母さんの言う通りだわ。
心入れ替えて学校行けよ。
お前がこれからそれを見せて行くしかないだろ。

はい。
わかった。

そんな感じで話はまとまった。
情けないなんて言葉じゃ収まりきらないくらい落ち込んだ。

そして、シンゴにそれを伝えると。。。

え???マジ???
うぉっっっっっしゃーーーーーーー

は??何だよ。おい。ふざけんな

いや!ちげーよ!実はびっくりさせようと思って話してなかった事がw
俺、学校辞めたのよ。

。。。はぁ??何で?え?本当に?

うんうん。俺の愛するマミの元で一緒に学園生活を送る為に、学校辞めてお前の学校に1年遅れて入学が決まったんだよーーーーー!
ブル!よろしくな!と、言って凛々しい顔つきで握手してきた。
イカれてる。コイツは本当にイカれてる。

そして、入学式の日。。。
担任になった先生は出なくてもいいと言ったが、こんなチャンスはない。
髪を七三に決めてメガネをかけて姿勢よく体育館に入場した。

同級生から笑いが起こった。。。同級生と言うのは以前の同級生である。

これから敬語つかえよー

一個下に舐められんなよーw

色々なヤジが飛んだ。
しかし、このスタイルで乗り越える事を誓った俺はむしろ出だしは上場と手応えさえ感じていた。

これから留年ライフ。
道のりは長い。

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