「映画大好きポンポさん」ゆるっと映画レビューvol:1


公式サイトより:https://pompo-the-cinephile.com/index.html

あらすじ:舞台は映画の聖地ニャリウッド。主人公≪ジーン≫は若き敏腕映画プロデューサーである≪ポンポさん≫の弟子として、ニャリウッドの映画スタジオで日々映画作りの研鑽に励んでいた。B級映画ばかりに携わっていたポンポさんだが、あるオーディションで出会った女優志望の少女≪ナタリー≫に目を止め、彼女を当て書きにした映画【MEISTER】の脚本を仕上げる。脚本を読んで大ヒットは間違いないと絶賛したジーン。そしてなんと、ポンポさんはジーンを【MEISTER】の監督に指名するのだった。

■個人的2月のベスト映画!!”孤独”なクリエイターへ送る無駄のない大傑作

さくの進です。昨年話題になっていた本作をようやく視聴出来ました。
一言でいうとまじもんの大傑作で、視聴直後は感動と「傑作をみた!!」という興奮で心臓がどきどきでした。

この映画はいわゆるお仕事系ムービーの一面もあるのですが、「ハケンアニメ!」といいこの手のクリエイターに着目した映画は、基本ツボに刺さってきますね。

この映画、演出はおしゃれでテンポがよく、映画自体が90分なのでさくっと見れます。「なんか暇だな~映画でもみよっかな~」なんて人がいたら、第一に進めたい映画です。特にオタクには。

印象の残ったシーンをゆっくり書いていきます。
ネタバレ配慮は致しませんのであしからず。

■クリエイターに向いてるのは非リア

「映画大好きポンポさん」という名のついた映画ですが、主役はポンポさんではありません。目の下にくっろいくまを作った冴えないジーン青年です。
ジーンは新人監督として、ポンポさんの脚本・伝説の俳優など、そうそうたるプレッシャーを押しのけ映画を作っていきます。

話の中で、特に私が印象にのこったシーンがあります。
ジーンがポンポさんに「どうして自分をポンポさんの弟子にしたのか」と問います。二人の所属する映画スタジオには、ジーンより学歴の高い人などいろんな人がいます。その中で、なぜ自分を?
対するポンポさんは「目に光がなかったからさ」と答えます。

ポンポさん曰く、青春を孤独に過ごした人間は、精神世界を広げるのだといいます。クリエイターには、孤独ゆえに獲得した深い創造の世界が必要なのです。それは、青春を謳歌してきた人間には得られないもの。

正直「うわっ」と声にでるくらい、こころにずんと来ました。私も多少の創作を嗜みますが、アイデアが出てくるときって正直一人の時だったり、リアルの生活が物足りないときなんですよね。お仕事でもない限り、忙しい時に創作活動ってなかなか出来ないです。

ジーンはそのクリエイターに必要な精神を、友人・恋人・家族などすべてを引き換えに獲得しています。ハイスクール時代を、映画鑑賞とその感想をしたためた一冊のノートに費やしています。そんな彼の姿を「ナード」と馬鹿にする人間もいます。でも、映画に向き合うのをやめなかった。全てから逃げて、残ったのは映画だけ。あと捨てるとしたら、己の命だけです。

ジーンはぶっちゃけ地味な男性です。普通にしているだけでは、監督としての威厳も覇気もないです。しかし、追い詰められた時の彼の鬼気迫る表情は、こちらを圧倒し、彼の監督としての確かな才能を実感させてくれます。

■”ポンポさん”というキャラクター

この映画で、やはり一番の特徴なのは「ポンポさん」と呼ばれる少女です。見た目は小学生くらいにもみえる幼い女の子ですが、周りのスタッフは全員「さん」付けをし、手掛ける作品は軒並み大ヒットのすごい人です。

映画ではとにかく彼女が、コミカルでキュートでかわいいです。
突然IQが下がった感想になりましたが本当です。

映画ではジーンが尊敬するプロデューサーとしての彼女の姿を、存分に見ることが出来ます。素晴らしい観察眼に、独自の映画論、まわりからの人厚い望に、才能を見抜く審美眼。発する言葉も、なんとなく納得してしまうような説得力があります。あるく名言メーカーです。

物語後半で、脚本に足りないところがあるとジーンが突っかかる展開があります。ポンポさんの背中を追っかけていたはずのジーンが、自らの信念のために師とするポンポさんに追加撮影を懇願する場面では、彼の大きな成長を感じました。

■まとめ

短いですが、まとめにします。
この映画は、いろんな魅力的な人物がたくさん登場します。もっと説明したいのですが、私の文章表現が乏しいので完全に魅力を伝えることが出来ませんでした!!

最後に伝えたいのは、この映画が90分ということです。視聴した方であれば、この凄さというか感動をご理解いただけると思います。

おしゃれさ、キャラクターの魅力、テンポ感、演出などなど…最後まで一切の無駄がない大傑作なので、ぜひ視聴してみてくださいね!


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