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ARCHERYコラム #5 【射法八節/アンカリング】

執筆者

光永嶺(ミツナガ レイ)24歳
アーチェリー歴は15年ぐらい、ぼちぼちベテラン。
2017年〜2021年まで同志社大学アーチェリー部在籍。
主な戦績:2018全日本Tベスト16、2019インカレT4位

Ⅰ. はじめに

こんにちは!BUKATSU PROJECTの光永です。
書いている現在は2月中旬、まだまだ寒いですが、
そろそろ冬も終わってアーチェリーの季節が来るなあと楽しみにしています。
さて、ARCHERYコラムも第5回目となり、
今回は【アンカリング】について書いていきます!
アンカリングも超重要な動作なので、というか射法八節ってどれも超重要な動作しか無いので、今回もしっかり見ていきましょう。
ちなみに前回の記事はこちら↓です。まだ読んでいない方はぜひ!
https://note.com/bukatsu_project/n/na413a71988f5

それでは今回も楽しく、ARCHERYコラム第5回目【射法八節/アンカリング】について見ていきましょう!

Ⅱ. 射法八節とは?【再掲】

シューティングにおける8つの基本の動作(射法八節)

射法八節とは、
シューティングの一連の動作を八つの基本の動作に分けたもの
であり、上図の8つから構成されています。
そしてこれら8つの動作は射法八節と大層な名前が付けられるほどに、
アーチェリーにおいてとても重要な動作です。
この1つ1つの動作のポイントを理解し、
着実に技術を身に付けていくことが、
点数UPや綺麗なフォームの習得に直結します。

僕自身これまで様々なトップ選手を見たり、
話を聞いたりして来ましたが、
どの選手も意外と複雑な動作は意識しておらず、
徹底的に8つの基本的動作の精度を上げて上達しているように感じています。
アーチェリーは決して複雑な動きをするスポーツではなく、再現性を高めるスポーツです。
基本に忠実に、技術を磨いていきましょう!

Ⅲ. 射法八節その⑤【アンカリング】

顎の下に手をピッタリとつける

アンカリングとは、ドローをしてきた後、引き手を顎の下にピタリと接地させる動作です。
アンカリングを行うことにより、引き手の位置を決め、引いてきた力を保持し、安定して狙いをつけられるようにしています。アンカリングがいかに大事か。例えば、弓を引いてきた後、引き手を顔につけずに空中で保持することを想像してみてください。きっと腕がプルプルし、手の位置も安定しないという想像に難ないと思います。
このようにアンカリングは、ドローの後に引き手を顎の下にピタリとつけることで、引き手の位置を決め、弓の力を効率的に保持し、安定して狙える状態を作り出していると言えます!

Ⅲ-1. アンカリングのタイプ

アンカリングも当然ながら、
人それぞれ形が異なってきますが、
弓の弦が顎のどの位置を通るかによって2つのタイプに大別できます。

1.センターアンカー

まず、
弦が顎の中心に位置するセンターアンカーです。
弦を顎の中心につけるため、
位置がずれにくく安定しやすいことが特徴です。

2. サイドアンカー

次に、顎の中心ではなく、
少し引き手側にスライドした位置に弦をつけるサイドアンカーです。
サイドアンカーはセンターアンカーに比べ、
位置がずれやすいという注意点はありますが、
より引き手側に余裕が生まれ、アンカリング後の伸びがしやすいという特徴があります。

アンカリングはいずれのタイプも一長一短があるため自分に適した形を採用すればOKです。
ただ、上の2枚の写真を見て分かるように、
どちらのアンカリングでも弦は鼻の中心を通っています。
あくまでセンター/サイドは弦が顎のどの位置を通るかであり、いずれの形においても鼻については弦が中心を通った方がいいと思います!
その方が、断然アンカリングの位置が安定してきますよ。

Ⅲ-2. アンカリングのポイント①「同じ位置」 

アンカリングは毎射同じ位置に!

アンカリングは必ず、毎射同じ位置になるようにしましょう!
理由は主に2つあるのですが、
1つ目の理由は引き尺を一定にするためです。
多くの人がクリッカーをつけてアーチェリーをしていると思いますが、アンカリングの位置が同じでなければ、クリッカーが切れるまでの距離が毎回微妙に違ってくることになります。
そうすると安定したリズムで射つことが難しくなるので、アンカリングの位置は毎射同じ位置に!しましょう!
2つ目の理由は的中を安定させるためです。
アンカリングの位置が異なるということは、矢の出発地点が異なるということとイコールです。
ごく微小な矢の角度の違いも、30mや70m先となると大きな差に広がってしまい的中がバラけてしまいます。
アーチェリーは的中を一定にしてナンボですから、的中に直結するアンカリングは毎射同じ位置に気を付けましょう!

Ⅲ-3. アンカリングのポイント②「隙間なく」

手と顎の間に隙間が出来ないように!

アンカリングは引き手を顎の下につける動作ですが、その際に手と顎の間に隙間が出来ないようにしましょう。
上の写真の黄色枠で囲んだ部分ですね。
たまに、この黄色枠のエリアで、手と顎の間に隙間が出来てしまっている人を見かけます。
ここに隙間ができると何故いけないのかと言うと、上に書いた「毎射同じ位置につける」ということが難しくなるからです。
隙間があるということは当然ながら密着していないということであり、それだけ引き手がズレる「あそび」が生じてしまいます。
そのため、アンカリングを一定の位置に安定させるためにも、引き手と顎は仲良くピッタリと密着するようにしましょう!

Ⅲ-4. アンカリングのポイント③「止めないこと」

矢印の方向につけ続ける意識で!

アンカリングは確かに「同じ位置につける」ことが重要ですが、よく、アンカリングをつける=止めると誤解している人がいます。
アンカリングを顎に付けようとするあまり、
引き手の動きを止めてしまうと、弓は強い力で戻ろうとするのでどんどんアンカリングの付きが緩くなっていってしまいます。
なので、アンカリングは結果的に同じ位置にキープしているということが本質であり、動きとしては写真の矢印方向にアンカリングをつけ(引き)続ける意識でいましょう!
そうすることで、弓が戻ろうとする力と釣り合いが取れて、結果的に同じ位置で安定させることができます!

Ⅳ. まとめ

以上、今回は【アンカリング】についてコラムを書いてきました!
では以下まとめです。
▶︎アンカリングは引き手を顎の下に接地させる動作
▶︎アンカリングにより、
 引き手の位置を決め、
 弓の力を効率的に保持し、
 安定して狙える状態を作っている。
▶︎センターアンカーは、
 弦が顎の中心に位置するアンカリング
▶︎サイドアンカーは、
 弦が引き手側に寄った位置のアンカリング
▶︎アンカリングは毎射必ず同じ位置に!
▶︎アンカリングは手と顎の間に隙間なく密着させる!
▶︎アンカリングは「止める」ではなく「つけ続ける」!

今回の記事があなたのアーチェリー技術の向上に貢献できると幸いです!

ではまた次回!!!

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