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ARCHERYコラム #2 【射法八節/セット】

執筆者

光永嶺(ミツナガ レイ)24歳
アーチェリー歴は15年ぐらい、ぼちぼちベテラン。
2017年〜2021年まで同志社大学アーチェリー部在籍。
主な戦績:2018全日本Tベスト16、2019インカレT4位

Ⅰ. はじめに

こんにちは!BUKATSU PROJECTの光永です!
前回、ARCHERYコラムの第1回を配信しましたが読んでいただけましたでしょうかっ。
まだまだ、
「そもそもARCHERYコラムって何やねん!」
という方も多いと思うので、改めて紹介します。
ARCHERYコラムとは、
「アーチェリーに関する情報や知識」を発信するもの、でして、とりあえず8回分、
アーチェリーの基本中の基本である【射法八節】を解説していく予定です。
詳しくは、
下記の第1回の記事を読んでみて下さいまし!

ではでは早速、今回はARCHERYコラム第2回目、【射法八節/セット】について見ていきましょう!

Ⅱ. 射法八節とは?【再掲】

シューティングにおける8つの基本の動作(射法八節)

射法八節とは、
シューティングの一連の動作を八つの基本の動作に分けたもの
であり、上図の8つから構成されています。
そしてこれら8つの動作は射法八節と大層な名前が付けられるほどに、
アーチェリーにおいてとても重要な動作です。
この1つ1つの動作のポイントを理解し、
着実に技術を身に付けていくことが、
点数UPや綺麗なフォームの習得に直結します。

僕自身これまで様々なトップ選手を見たり、
話を聞いたりして来ましたが、
どの選手も意外と複雑な動作は意識しておらず、
徹底的に8つの基本的動作の精度を上げて上達しているように感じています。
アーチェリーは決して複雑な動きをするスポーツではなく、再現性を高めるスポーツです。
基本に忠実に、技術を磨いていきましょう!

Ⅲ. 射法八節その②【セット】

セットはシューティングのスタート地点!

セットとは、シューティング動作において
「スタンス」の次に行う、
シューティングの準備・構えを取ることです。
もっと簡単に言い換えると、上の写真のように、
弓を引き始める前に弦への取りかけとグリップの形を決める 動作を指します。
弓に対して自分の両手を「セット」し、
そこから弓を引き始めるというところで、
セットはシューティングのスタート地点とも言えると思います。

ちなみに、他のスポーツにおいても「セット」と呼べる動作があります。
例えば陸上競技の短距離種目を見てみましょう。

陸上短距離種目における「セット」

オリンピックの100m走の中継を見たことがある人はイメージがつくと思いますが、
スタート前に「セット」と号令がかかり、
選手が一斉に上の写真のような姿勢を取ります。
この構えは当然、陸上においては素早いスタートを切るため、0.01秒でもタイムを短くするための超重要な要素なのだと思います。
そして陸上のセットも、アーチェリーのセットも、その後の動作の準備・構えを取るというところで本質的には同じだと言えそうですね!
そう見ると、アーチェリーにおけるセットも馬鹿に出来ない、むしろ超真剣に考えるべきものということが分かってきましたね!

Ⅲ-1. セットの目的

超真剣にセットについて考える前に、
スタンスの時と同様、
セットの目的を改めて確認しておきましょう!
目的を押さえることで、何でもそうですが、
「その目的のために何をすべきか」
という行動・思考の芯を掴むことが出来ますぞ。

セットの目的は、
シューティングフォームを一定にすること!

セットの目的は、ズバリ、
シューティングフォームを一定にすること
だと考えています!
上にも書いていますが、
アーチェリーは基本的に
再現性を追求するスポーツです。
再現性を追及するということは、常に同じフォームでシューティングを続けるということ。
そしてこの、
「同じフォームでシューティングを続ける」
というところで重要になるのがセットなんです!

Ⅲ-2. セットで確認すること 

セットでは主に、取りかけとグリップを確認!

よくよく冷静にアーチェリーを見てみると、
弓と自分の身体が接している箇所って、
取りかけとグリップしかありませんね。
(厳密に言えば、アンカーも)
その唯一の接点が毎回少しずれていたりすると、
当然ながら弓から受ける力も弓を支える力も微妙に異なってきて、結果的に同じフォームというのが再現し辛くなります。
だからこそ、セットではきちんと、
取りかけはいつもと同じかけ方か、
グリップはいつもと同じ形で置けているか、
を確認する必要があります!
同じフォームを続けて繰り返すためにも、
シューティングのスタート地点であり、
弓との唯一の接点を確認するというセット
を丁寧に行っていきましょう!

Ⅲ-3. セットのポイント

では実際にセットで、
具体的にどこをどのように確認すれば良いのか
「取りかけ」と『グリップ」を、
それぞれ分けて見ていきたいと思います。
(ここからは僕の確認ポイントの紹介なので、
必ずしもこれが正解というわけではありません!色々な確認ポイントがあるかと思いますが、
イマイチまだどうチェックすれば良いのか分からないという方はご参考まで!)

グリップ①

ではまずはグリップを見ていきましょう。
まず分かりやすい部分として、上の写真にて、
地面と水平に引いた赤線と、
指の付け根の骨に沿って引いた赤線、
この線の間の角度が毎回一定になるように
グリップの形をつくります。
(大体45〜60度ぐらい)
次に、黄色線で表していますが、
手首を含めたグリップの向きが、
真っ直ぐ的を向くように
方向性をつくります。

グリップ②

あとは、水色で示した手のひらの部分が、
弓のグリップとぴったり接するように当てれば
グリップのセットは完璧だと思います!

取りかけ

次に取りかけのポイントを見てみましょう!
まず何より取りかけは、
上の写真の赤線で示した部分のように、
毎回指の同じ位置に弦をかけることが必須です!
指のどの位置に弦をかけるかは結構個人差が出ますが、やはり自然と溝が出来てくれている第一関節あたりにかけると、ずれにくい安定した取りかけが出来ると思います。
また取りかけのセットでは、青線で示した、
アンカリング時に顎と沿うラインが真っ直ぐになっていることも重要です!
(写真ではうねっているように見えますが…)
またまた、黄色線で囲った部分、
ここに面があるとイメージし、
この面が手の甲と平行になるように取りかけを形作ることもオススメです。

よく見るとすこーし引いています

最後に、
セットの仕上げとも言えるポイントですが、
取りかけとグリップは、弦を少しだけ引き、
そのテンションで位置と形を決めましょう!

何もテンションがかかっていない中では、
取りかけもグリップも水を掴むような感じで、
バチっと決まらないと思います。
だからこそ、
上に書いたグリップや取りかけのセットでは、
写真のようにテンションをかける中で一定にハマる感覚を掴んでいきましょう!

ここまで、セットにおけるグリップ・取りかけのチェックポイントを見てきました。
しかし、丁寧に一定の形を再現することはもちろん大事ですが、
毎射毎射チェックに神経と時間をかけすぎることには注意しましょう
(時間も体力も無くなります)
はじめ安定していない内は一定にセットすることにそれなりの意識を払うかとは思いますが、
練習を重ねる中で自動化できてきます!
セットはあくまで
シューティングのスタート地点、
スムーズなシューティングのためにも、
スムーズに一定のセットが出来るようにしていきましょう!

Ⅳ. まとめ

以上、今回は【セット】についてコラムを書いてきました!
以下まとめです。
▶︎セットとは、
 シューティングの準備・構えを取ること。
▶︎セットの目的は、
 シューティングフォームを一定にすること。
▶︎セットでは、
 グリップと取りかけが毎回同じ形に
 なっているか確認しよう。
▶︎グリップでは、
 角度、方向性、接地面を確認しよう。
▶︎取りかけでは、
 弦をかける位置、顎と沿うライン、
 手の面を確認しよう。

今回の記事があなたのアーチェリー技術の向上に貢献できると幸いです!

ではまた次回!!!

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