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絵描きの人も知っておきたい印刷の知識のハナシ(その2)

こんにちは。就労継続支援ビルドの秋田です。前回に引き続き、セミナーレポートです。

ビルドで不定期に開催されているデザインセミナー。印刷の知識には色々あるので、シリーズでお送りいたします。今回2021/1/16開催のセミナーの主なテーマは「解像度」でした。

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その前に…まずは印刷方法の種類について色々

オフセット印刷とオンデマンド印刷の違いって?

印刷屋さんに入稿するときに選べる2種類の印刷方法。なんとなく小ロットのときに選ぶのがオンデマンド……という認識でしたが、その説明から。

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昔からあるオフセット印刷。新しい技術のインクジェット印刷というイメージでしょうか。

ビルドで使うパンフレットや名刺などは100~500部であることが多いので、だいたいいつもオンデマンド印刷です。早くて安いオンデマンド印刷。きれいに仕上がるオフセット印刷と覚えておきましょう。

ところで

オフセット印刷の印刷方法には2種類ある

ご存知でしょうか。

そもそもオフセット印刷では、細かい点を並べて色を表現します。ちょっとね、ビルドにある本をマクロレンズで撮影してみました。

よーっく見ると、細かくてカラフルな点々が並んでいますね!

この点々の配列の仕方の違いがAM印刷とFM印刷です。

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さすがにビルドの蔵書にお高い画集が置いてなかったので、ここでFM印刷の実物をお示しできずに残念!

帰宅したら秘蔵の画集を舐めるように見てみたいと思います。


閑話休題

RGBからCMYKにするタイミングっていつがいいの?

前回のセミナーにて、絵を描くときは基本的にRGBを使うという話をしましたが、印刷に出すときには色を調整する必要があります。

じゃあ、作業中もCMYKの見え方を確認したくない…?という話。

≪Photoshop≫

Photoshopでの方法は色の話でもやってますが…

表示>校正設定>作業用CMYK に設定してから

表示>色の校正を選択します。

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こんなに見え方が違う!特に緑や青が沈みやすいので要注意で調整が必要ですね。

≪お絵かきアプリ編≫

ビルド標準は無料アプリMediBang Paintなのですが、気付くとだいたい皆さんClipStudioPaintを使用されています。というわけでクリスタで説明。

カラープロファイルプレビューという機能を使います。

表示>カラープロファイル>プレビュー設定でJapan Color 2001 Coatedを選択します。

詳しい説明は公式へどうぞ♪


さて、いよいよ解像度のお話です。

代表はいつも、「解像度の話は難しいし時間がかかるから」と濁します。残り30分、どこまで話せるか!

そもそも解像度とは?

解像度は、dpiとppiで表現されますが、広い意味ではどちらも同じものです。

dpi…dot per inch(dot/inch)

印刷で出力するものの解像度を示すときに使う単位?です。オフセット印刷では点々(dot)で表現しますしね。印刷屋さんの入稿データガイドなんかではdpiで表現されていると思います。

ppi...pixel per inch(pixel/inch)

画像そのものの解像度。

どちらも同じで、1インチ(2.54cm)の範囲にdotやpixelが何個並んでいるか?を示しています。

混乱しやすいのが解像度とサイズの関係性ですが、pixelやdot自体は大きさの定義が無く、解像度によって変わります。

100ppiなら1ピクセルの大きさは1/100インチ、

350ppiであれば1ピクセルの大きさは1/350インチということです。

図を作ってみました。

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解像度が低い→荒い画像

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解像度が高い→なめらかな画像

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解像度によって画像を構成するdot(pixel)の大きさや数が変わります。

pixelの数が300個あるから300ppiじゃないんだよ。いくらpixelが300個あっても、それが1inchの中かどうかは300ppiという前提が必要なんだよという禅問答みたいな時間に、一同の頭の中がぽわんぽわんしはじめ、頭痛を覚える人もちらほら…...。

前述したとおり、これまで代表が解像度の説明を濁してきたので今回のセミナーで初めて「解像度」に出会った利用者さんも多く、ちょっと思考停止しました(笑)。


詳しくは!webで!!

参考サイト

kingprinters

バンフ―オンラインショップ

webget!

続けます。

それぞれ適切な解像度は?

WEBサイトでの表示については72ppiで良いとされています。無駄に高い解像度でも表示が重くなるばかり…画像がスムーズに表示されるかどうかはサイトの滞在率に影響しますので気を付けてみてください。

印刷物の解像度としては、300(最近は350)~400dpiとされています。

解像度が高ければ高いほどきれいで鮮明になるのか?というとそんなことはなくて、400dpiを超えると人間の目では見た目が変わらなくなるそうです。ただただ重いだけのデータ…印刷屋さんの機械を圧迫するだけですね。

ちなみに低い解像度を高くすることはできません。印刷物に使う予定なのに、いつも通り72ppiで作成してしまった!……諦めて描きなおしてください。印刷前提のデータを作る場合には350dpi(ppi)で作るように気を付けましょう。

さて、

グレースケールや白黒だと、もっと高い解像度が必要となります。

なぜか?

色という情報が少なくなれば、解像度で補う必要があるからです。


モノクロ

グレースケールの原稿の場合は解像度を600dpiに設定しましょう。

黒~白の間に薄いグレーを塗り重ねてなめらかに表現できるようになります。

白黒は、さらに細かく1200dpiを必要とします。

白と黒のみでの表現なので、色の濃淡も滑らかさも黒と白のみでの表現になりますから、より小さな点が必要になるのですね。


わかったような…わからんような…な解像度のオハナシ。

詳しく知りたくなったら自分で調べてみるのもアリですね。

ではでは。


いただいたサポートは利用者さんの工賃に!素敵なヘッダーイラストを描いてくださった皆さんに還元しますね。