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ストレスコーピングのハナシ

就労継続支援ビルドでは、不定期でデザイン関連とメンタルヘルスに関わるものを中心に利用者さん向けにセミナーを開催しています。

2020/8/8は、私企画の「ストレスコーピング」だったので記録写真が無いのですが、皆さんと一緒に考えるワークを行いました。

ストレスコーピングってなに?

基本的には、自分なりのストレス対処法。と簡単に説明できます。

専門用語とか、細かいことは専門家にお願いして、ビルドではさらっと。自分にできる範囲でというのがお約束。精神保健福祉士という肩書上、カウンセラー的な見方をされることも…以前よりは減りましたが(知名度上がってきたのかな!)、メンタルヘルスへの介入は医療機関・心理士さんにお任せしています。ビルドは、ほとんど皆さん精神科・メンタルクリニックの通院先をお持ちです。

ストレッサーとストレス反応

ストレス・・・と聞くと、嫌なこと悲しいこと不快なことが思いつきますが、実は自分に降り注ぐすべての刺激を【ストレス】と呼びます。つまり、嬉しいこと楽しいことも刺激になります。以前、「自分は、喜ばしい出来事…たとえば就職が決まるとか…のあとに調子を崩します」と教えてくださる方がいらっしゃいました。また、実際に就職が決まったあとにメンタル不調を再発し入院…という姿も見た事があります。喜怒哀楽の全てがストレスだと認識することが大切です。

ボールをメンタル、そこに加わる圧をストレスと例えることが多いですが、

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なんらかの刺激が加わったときに、ボールが反発する力=ストレス耐性です。

ストレスが強すぎると一時的にへこんで戻らないことがあって、これは誰にでも起こる”ストレス反応"です。

多くの場合は、時間の経過や気分転換等の対処をすることで元の丸い形に戻っていくのですが、ストレスが大きすぎたり対処法が見つからないなどの事情があるとへこみが戻らず、メンタル不調につながってしまうことがあります。

対処法には、原因そのものを取り除く、受け止め方を変える、ストレス反応を鎮める、人の力を借りて対処するといくつか方法がありますが、それらを【ストレスコーピング】と呼びます。

ストレッサーに対するコーピング

ストレスになることそのものを取り除く対処です。

嫌いな上司。

難しい仕事。

大量の仕事。

仕事における究極は退職や休職でストレッサーそのものから距離を置くことですけれども。

たとえば同僚に協力してもらって仕事の分量を減らすとか、自分の状況を伝えてよりよい選択肢を提示するといったアサーティブコミュニケーションによって片が付く場合もあります。重要なのは、自己表現・自己主張を適切に行うことです。コミュニケーションスキルなので取り組むにしても時間がかかります。

認知に対するコーピング

ものごとの受け止め方へのアプローチです。

自分の考え方のクセを知り、より効果的な受け止め方を選択することが必要です。方法には認知行動療法などがあり、病院のデイケアやカウンセリングなどでじっくり時間をかけて取り組むものですね。

個人的に取り組むこともできるし、ワークブックもたくさん売られています。今回のセミナーではさらっとだけ触れました。

繰り返しますが、取り組むならまずは医療機関への相談が有効です!

社会的支援によるコーピング

仕事のやり方そのものを相談したり、仕事内容を変更したり、周囲への相談などなど、上手に頼ることも重要です。

反応に対するコーピング

今回のセミナーで力を入れたのはこの部分。なぜかというと、リラクゼーションや趣味、気晴らし、好きなものを増やすetc...正直手っ取り早いからです。

ストレスを受けたな。なにか落ち込んでいるな。よく眠れないな。疲れているな。などなどサインがあるとき、もしくは定期的なメンテナンスとしてどんなことをするといいか?

自分なりの道具をどれだけ揃えておけるかが勝負です。

ストレッチ、ヨガ、マッサージ、音楽、カラオケ、絵を描く、運動、もふもふ、飲み会、お茶会、喋る、遊ぶ、旅行etc...みなさんにたくさん出していただきました。

今はこんな状況だから、普段だったらできていることが思うようにできなくてストレス溜まりやすいですよね。なので、コーピング行動は普段から意識してたくさん手数を増やしておくことが大切です。外出することや人が集まることが難しい現状では、一人でできることや家でできることがあったほうがいい、と考えるとわかりやすいでしょうか。

ストレスフルな状況になってもできること、普段からしておくと良いことなどに分類しておくのも良いです(WRAP寄り)。

調子を崩したり、いっぱいいっぱいになっていると、普段ならできていることも忘れてしまうので、書き出しておくのは重要ですよ。

セミナーではみなさんにリストをお渡ししたので、今後の参考にしていただければ幸いです。

【余談】

チェックインで「自分の気分に合う色鉛筆を使って好きな図形を描く」というワークをしたのですが。偶然にも参加者全員がハートを描いていました。不思議―。


さて、次回はデザインセミナーです。代表がそれっぽいチラシをイラレで作っていました。福祉事業所なのでWordやPowerPointで作られたチラシはたーくさん届きますが、さすがにここまでではありません(笑)。

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いただいたサポートは利用者さんの工賃に!素敵なヘッダーイラストを描いてくださった皆さんに還元しますね。