トリセツ!第2弾を作りましたというハナシ
就労継続支援ビルドから発信するオリジナルグッズ制作プロジェクト。
障害当事者が発信する、自分が身に着けたい・自分が欲しいと思ったグッズを作ろうと始まったトリセツ!というプロジェクト。
第1弾を2020年4月にリリースしました。
noteのプロフィールページ上からもアクセスできますが、おかげさまで好評をいただいております。
リリース後、「"においに敏感です"も動物バージョンにしないんですか?」「聴覚過敏も取り扱ってください」など、様々なご要望をいただきました。
聴覚過敏については、石井マークさんの聴覚過敏保護用シンボルマークが有名なので第1弾では省いたのですが、需要が大きそうですね。
リリース後、利用者さんたちとは折りに触れ話しあい、第2弾を出すなら何を取り扱うか?モチーフにする動物はどうするか?とアイデアを出しあって来ました。
たとえば…実は第1弾の時点で「耳が聞こえづらい」にアプローチしたいという希望がありまして、こんなネタとかを溜めていました。
満を持してというか、ようやくリアル販売イベントに出られそうな雰囲気になってきたので第2弾に着手しました!が、イベントの期日と入稿のタイミングを考えると制作期間が2週間しか無い…利用者さんはスピード感のある作業は苦手…ということで、今回は皆さんから出たアイデアや要望をスタッフでまとめてみることにしました。
* * *
まずは企画会議。
これまでに出された要望から、発達障害の特性である感覚過敏に特化していくことにしました。
題材は
聴覚過敏・聴覚情報処理障害・難聴などの影響によるものとして
・ゆっくり話してください
・音が聞こえづらいです
・気になる音があります
視覚過敏に関する
・まぶしい光が苦手です
嗅覚過敏の動物バージョン
etc...
第1弾ではシマフクロウ・オコジョ・キタキツネと北海道の動物を選んだので、せっかくならこの先も北海道の動物縛りで探していくのはどうか?という方針にして、北海道の動物を選びまくったり…エゾサンショウウオとか良くない!!???いっそ、むかわ竜を採用しよう!??など。
不思議なテンションになりつつも生まれたラフがこちら。
題材ありきで動物を探すパターンもあれば、動物から着想を得たパターンもあります。
―鼻が良い動物…犬…?
―サケってさ、生まれ故郷の川の匂いを頼りに遡上するんだよ?
―じゃあ、匂いに敏感なんですね!
―シマエナガって並んで枝に止まってる写真ありませんでしたっけ?人ごみでぎゅーっとなってるイメージ浮かんだんですけど。
―採用!
ほとんどその場でラフラフを描きながら固めていきました。このあたり、言葉より描いたほうが説明できる人たちの集まりという感じです。
今回は、ちーちゃんとリオさんが分担して線画を担当し、デザイン部分である着彩とレイアウトは代表が担当することになりました。
私はスケジュール調整担当。〆切があるだけでサクサク進むのが現場。
ラインナップは、
・においに敏感です(サケver.)※嗅覚過敏
・大きな音が苦手です(聴覚過敏)
・ゆっくり話してください(聴覚過敏・音声情報処理障害・難聴)
・人ごみが苦手です(感覚過敏)
・まぶしい光が苦手です(視覚過敏)に決定しました。
* * *
前回の反省を生かし、共有や確認のタイミングも指示しての作業です。まずはラフの時点で共有・確認。代表からの指示は「イラスト時点では枠外の部分も描いておいてください」
大きさやバランスもデザインの段階で変更する可能性があるので、できるだけ写っていない部分も描いておく必要があります。これは絵の仕事をする上で必要な配慮です。イラストを描くときは、デザイン・配置するときのことをイメージして描いてくれるだけでレイアウト作業がぐっと楽になります。
ラフラフからラフに起こすまでの期限は3日。支援やその他のプロジェクトに取り組みながらになります。
普段のテイストと全然違うイラストでも二人でテイストを合わせて描く。という感じ。利用者さんたちにもリアルタイムで進捗を共有し、仕事として取り組むことを体感していただきます。
ラフの時点で代表の頭の中ではすでに「こんな色使いでこうしたい」が決まっていたらしく、下描きが上がってきた時点でカラーパレットも提示されました。
サケの会話が通じなさそうなところがツボです。
ちーちゃんとリオさんが線画に着手している間に、代表は文字組を終わらせていました。
まだ想像がつきませんね?完成図は代表の頭の中にしかありません。
下描きから線画仕上げの期間は10日間。
* * *
線画が上がってきたら着彩作業。提出から30分後にはデータが共有されました。
個人的にはサケが大好きで大好きで。
Tシャツやトートバッグにしたくて仕方がありません。ちょっとsuzuriのテンプレに貼りつけたりしたくらいにして、たぶんそのうち個人的に作る気しかしません。
* * *
ラインナップのご紹介です。
【においに敏感です】
モチーフはサケ。においに敏感な動物といえば?で、サケを選ぶことは絶対に無いですよね。斬新なチョイス、そして色使い。お勧めです。
【大きな音が苦手です】
クマよけのホーンに驚くヒグマ。
聴覚過敏に関しては本当にたくさんのマークやグッズが出回っているので、文言も迷います。あえて差別化をはかりました。
【人ごみが苦手です】
ぎゅうぎゅうがつらいシマエナガ。
優先席付近で、少しスペースを空けていただけるだけでも通勤のストレスが減るかもしれません。
【まぶしい光が苦手です】
流氷の上でひなたぼっこをするゴマフアザラシの赤ちゃんをイメージしました。
サングラスや帽子のつばなどで光をガードしていることを柔らかくアピールできるといいですよね。
【ゆっくり話してください】
のんびりとした雰囲気を牛で表現しました。
聞き取りづらい言葉も、ゆっくり話してもらえるだけで落ち着いて話せることがあります。
昨今はマスクや飛沫防止シートなどで阻まれて、お買い物をするのも一苦労ですよね……。
【発売記念で5個セットもご用意しました】
全部かわいい!選べない!と言ってもらえたので調子に乗ってセット販売もしちゃいます。
こちらは10月いっぱいの期間限定商品となりますのでお早めにお買い求めくださいませ。
いただいたサポートは利用者さんの工賃に!素敵なヘッダーイラストを描いてくださった皆さんに還元しますね。