【レクチャーレポート】企画のタネを見つけるために日記をつけてみる!(ゲスト:うらあやかさん)

こんにちは、BUGスタッフです。私たちのコアな業務には展覧会やイベントの企画があります。企画を考えるのは面白いことですが、時々行き詰まってしまうことも・・・。そこで今回は、アーティストのうらあやかさんに企画立案についてご相談してみました。うらさんは東京造形大学のCSLABというスペースで、2019〜2023年まで管理人を務められてきました。

CSLABについては、ウェブサイトで下記のように説明されています。

学生が自ら学ぶ事を捉え直し、実践するための場です。「わがままなまなび」を合い言葉に造形生はもちろん、教職員、学外からの参加者と共に領域を超えて自由な発想で活動し、自分たちの望む教育を作るための実験場です。企画、運営は学生が行います。

https://cs-lab.zokei.ac.jp/news/access/

その中で管理人は学生がやりたいことを一緒に企画したり、外部から講師を招いて勉強会を開いたり、場をコーディネートしたりする役割を務めます。

そんな管理人として、多くのイベントや場を企画し、学生企画イベントの補助にも携わってきたうらさんに企画立案の極意をお伺いしたところ、「企画を考えるためには、日記をつけるのがおすすめですよ!」とのこと。そこで、うらさんからBUGスタッフに向けて”日記を書く”ことについてのレクチャーを行ってもらい、その後3ヶ月間、各自で日記を書いてみました。

今回はそのレクチャー内容と、実際に日記をつけてみて各スタッフが感じたことの振り返りをお届けします。



日記のレクチャー

うらさんからはまず日記をつける目的や得られることについて、実体験を交えながらお話しいただき、次に具体的な日記のつけ方についてご説明いただきました。

▶︎日記をつけることで得られること

・日記をつけなければ見過ごしそうな自分の小さなモヤモヤ、日々の気づきを発見することができる。
・自分がぼんやりと感じていることを言語化することで、思考やアイデアが磨かれる。
・未来に向けてのメモ、アイデア帳的にも使える。
・自分のことを他者に理解してもらうツールにもなる。

▶︎日記の書き方

【基本ルール】
3ヶ月間、日記をつけてください。これまでに日記をつけたことがなく、毎日続ける自信がない人でも合計10日間分ほどは頑張ってください。分量に指定はありませんが、2〜3行くらいの短文の場合は20日間分くらいは書けると良いかもしれません。

【日記の内容】
本来であれば何でもいいのですが、今回はアイデア出しの種を作る目的が大きいので、少しディレクションを入れます。日記の内容に、なるべく以下の4つの要素のいずれかを含むようにしてください。
①身近なことに対する(小さな、もしくは大きな)不満、疑問から始まる短い文章を書く。箇条書きでもok。
②社会的課題に関する(小さな、もしくは大きな)不満、疑問から始まる短い文章を書く。箇条書きでもok。
③展覧会に行き、意見交換したいor考えたことについて書く。
Ex.展覧会から持ち帰ってきた、謎、モヤモヤ、怒り、疑問、心が動いたこと
④普段の仕事の中から使えそうなアイデアのストックを書く。
Ex.たとえば、勉強会やイベント、社内での打ち合わせについて、こういうことを話されていたのを聞いて、こう思った、etc..

【その他ポイント】
人名の記載は、引用で必要な場合以外なるべく避ける。
例)Mさんが催眠術で禁煙したらしい。本当か?→随分前に、催眠術で禁煙した話を聞いたがあれって本当なのだろうか。

▶︎日記を貯めたあとにやること

日記を読み返して、使えそうだな、他の人に見せられそうだな、というところに線を引いたりコピペしたりして抜き出せるようにしておいてください。


日記をつける

2023/10/20(金)〜12/31(日)の期間で、レクチャーの内容を踏まえてBUGスタッフ5名が日記をつけました。


日記をつけてみての振り返り

実際に日記をつけた5名とうらさんで集まり、2024/02/02に振り返りを行いました。

●日記を周囲に共有したり、公開したりすることについて
Aさん「私は誰にも日記を読まれたくない。今日も出すのは気が引けた。」
Bさん「日記に登場する人に読まれると困る。日記に出てこない人たちに読まれるのは問題ない。」
Aさん「あとはプライベートな内容の場合、不特定多数の目に触れるのは危ないかも。特に家の近辺を撮影した写真などを入れると住居の特定にもつながりそう。」

●日記をつけてくださいと指示されてみてどう感じた?
Cさん「続けられるか心配だった。でも10日分で良いと言われたので頑張れた。」
Dさん「日記をつけた経験はなかったけれど、普段からメモを徒然なるままに書くことはあるので、その延長線上で意外と書けた。」
Eさん「忙しいときは全く書けなかった。」

●他の人の日記を読んで感じたこと
Aさん「エッセイっぽい人と、事実や自分が感じたことをそのまま書き殴っている人の違いが出ている。」
Dさん「エッセイと日記の違いはオチをつけているかどうか?起こったことと、感じたことや考えたことが同じくらい入っているのもエッセイっぽい人の特徴かも。」「うらさんが日記の内容の方向性として示してくれた”みんなに聞きたいこと、一緒にやりたいこと”というお題を最初は意識していて、そこを意識するとオチがつきやすい。」
Cさん「日記の並び順は最新からの人と古いからの人がいる。別にどちらでも読みにくくはないが、最新が一番上の方が時系列として掴みやすいこともある。」

今回はここから企画を立てるところまでは行っていませんが、私は今後、企画化できそうな種が見つかった気がします!何より最初にうらさんから教えてもらった、日記を書くことで得られることは実感できたので、これからも日記を続けたいと思います。(続くかな・・・)
またうらさんとやり取りしながら、ここから企画を立てることにもチャレンジしてみたいです。



ちなみに2025年4月にはBUGにて、うらあやかさん、小山友也さん、宮田明日鹿さん、二木詩織さんの展覧会およびイベントを開催します。展覧会は約1年後となりますが、それ以前にもワークショップやイベントなど、継続的に活動を行う予定です。この活動にも日記を取り入れていきたいと考えているので、今後の続報を乞うご期待ください!

また展覧会に先立ち、出展アーティスト4名のインタビュー映像を公開しました。よろしければご覧ください。

うらあやかさんインタビュー:https://youtu.be/sjUorYoKfYc
小山友也さんインタビュー:https://youtu.be/rD26x0z3YQU
二木詩織さんインタビュー:https://youtu.be/OUN0DAFhyZU
宮田明日鹿さんインタビュー:https://youtu.be/Fg6xhxwAcmU