ROICとは?ポイント解説!
①Return On Invested Capital(投下資本利益率)で、読み方はロイック。
企業が事業活動のために投じた資金を使って、利益をどれだけ効率的に稼いだのかを示す指標です。株主から集めたお金や借金が少ない中で多くの利益を上げられるほど、数値が向上します。
②企業の収益性を測る物差しとして使われます。
自己資本利益率(ROE)は自己資本に対する利益率を示すのに対し、ROICは自己資本に負債も含めて評価するため、投資家が企業の総合的な競争力や稼ぐ力を判断するのに適しているとされます。
企業は事業単位でROICを算出し、低採算だと評価した場合には撤退や縮小に踏み切る判断基準として活用します。
一般的に一つの目安として7%が意識されています。バリュー投資において、この企業の稼ぐ力であるROICが安定して高い水準(10%以上)を維持しているかが大切です。
③算定方法
「税引き後の営業利益」を、株主から集めた資金などを示す「自己資本」と銀行からの借り入れなどの「有利子負債」との合計額で割って算出します。
強みのある分野に特化して効率的に稼ぐ経営への転換が求められる中、企業の経営戦略について論じた記事の中で多く登場します。ROICを重視する企業の一つであるオムロンは、堅調な業績を確保しました。
④業界別のROICの平均
日・米の上場企業の財務分析・ファンダメンタル分析を効率的に行なえるバフェット・コードというツールによると、業界別のROICの平均は、
サービス業で7.3%、不動産業で4.1%、建設業で8.7%、保険業で8.2%、倉庫・運輸関連業で3.2%、卸売業で3.2%、小売業で6.5%、情報・通信業で8.8%、証券・商品先物取引業で2.4%、銀行業で3.8%などとなっています。
2020年3月期にROICランキングで第1位となったのは、値段比較サイト運営のカカクコムでした。カカクコムのROICは45.3%と驚異的な数字です。
他にも、ROICランキング20位の大成建設のROICは13.6%です。大成建設は新国立競技場の建設を担当した大企業で、「必要な建設資材や重機を多く保有しているのでは? そうなると、ROICは低くなるのでは?」と感じるかもしれません。
しかし、自社では建設に必要な資産をほとんど保有しておらず、自社で保有しているのは現場を指揮する現場監督だけです。資産規模が少ない「持たない経営」は、ROICを大きく引き上げます。
ROICを見ずしてバリュー投資は始まりません!企業の稼ぐ力を見定めるために覚えておきましょう。
もっと詳しく知りたいなら👇
ROIC(投下資本利益率)徹底解説 ROA,ROEとの違い
ROIC経営 稼ぐ力の創造と戦略的対話(日本経済新聞出版)
あなたの幸せに、お役に立てたら嬉しいです。