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ラ米カリブはパレスチナと固く連帯する(2)――ニカラグアでは

ニカラグア政権は米・イスラエル批判の急先鋒
 5月15日のナクバの日、ニカラグアのダニエル・オルテガ大統領は、パレスチナの人々との連帯のメッセージを送りました。「今日、1948年のナクバ記念日にあたり、私たちはこの悲劇的な出来事の永続的な影響と、パレスチナの現状との切っても切れない関係を思い起こす。」
ニカラグアは3月には、ドイツを国際司法裁判所(ICJ)に提訴し、イスラエルへの政治的財政的・軍事的支援の停止を求めました、ドイツは米国に次いで多くの軍事装備をイスラエルに輸出しています。2023年のドイツによるイスラエルへの軍事装備の売却額は2022年に比べて10倍に増えています。これはイスラエルの戦争犯罪疑惑に加担するものだとニカラグアは訴えているのです。この提訴では、ニカラグアは同時に、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)への速やかな資金提供の再開をドイツに命じる緊急措置を出すよう、ICJに対して求めています。
このようにイスラエルに兵器を供給することに反対しているのは、決して、ニカラグアだけではありません。国連の人権理事会では、4月初旬に、イスラエルへの武器や弾薬などの売却や移転を停止するよう求める決議案が賛成多数で可決されました。47の理事国の中で、決議案に反対したのは、アメリカやドイツなど6か国のみ。それに対してブラジルや中国、マレーシアやキューバなど、いわゆるグローバルサウスを中心に28か国が賛成したのです。

米・イスラエルが旧ソモサ独裁政権を支え続けた歴史がある
ニカラグア政権が米・イスラエル批判の急先鋒にたっているのは、なぜなのでしょうか。サンディニスタ革命前のニカラグアも、コロンビア(「ラ米・カリブはパレスチナと固く連帯する(1)」参照)と同様、米国の支援を受けた残忍なソモサ独裁政権の下で、長い期間、イスラエルと密接な関係を持っていた歴史があります。
「ソモサ政権とイスラエルの関係は実に強いものだった。それは崩壊直前のソモサ政権に対するイスラエルの援助にも如実にあらわれている。イスラエル当局は戦闘機を含む武器を供与していた。」(証言) 独裁政権末期、ソモサ軍による残虐行為に対する国民の反発を受け、米国は武器供給を打ち切りましたが、イスラエルは、臆することなくソモサ軍に軍備を供給し続けました。米国がイスラエルに汚れ役をさせたのです。その後、サンディニスタ民族解放戦線がソモサ独裁を打倒してからも、再び米・イスラエルはニカラグアに介入しています。現在、ニカラグア政権が米・イスラエル批判の急先鋒になっているのは当然のことなのです。

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ニカラグアはナクバの日にパレスチナに敬意を表する - teleSUR Japanese (telesurenglish.net)  (2024年5月16日)


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