ベネズエラ・ボリバル共和国独立213周年記念 イシカワ大使のメッセージを紹介します

　ベネズエラ・ボリバル共和国独立213周年を記念して、在日ベネズエラ大使 イシカワ氏の日本国民へ向けたメッセージが7月5日に出されています。和訳文を掲載します。
　冒頭の外交的儀礼の文章の後、米国から900以上もの制裁にも屈せず、主権と独立を守り、困難極まる経済を自力で軌道に乗せてきたベネズエラ国家と人民のすばらしさを強く感じさせるメッセージだと思います。
本文
　ベネズエラ・ボリバル共和国の独立を祝うこの記念すべき日にあたり、天皇、皇后両陛下、日本政府、そして日本国民の皆様のご多幸とご健康、ご繁栄を心よりお祈り申し上げます。
　ベネズエラは今までにない経済変革を経験しました。ベネズエラ政府当局と国連ラテンアメリカ・カリブ経済委員会（ECLAC）によると、国民経済は2023年に5％成長し、2024年には4％以上の成長が予測されています。
　国の歴史上指折りの困難な時期にありながら、このような結果が出ているのです。900以上の一方的強制措置―いわゆる「制裁」と呼ばれる―を通じた過酷を極める経済封鎖に耐えながら、ベネズエラ国民は並外れた忍耐力と抵抗力を発揮しました。この経済戦争は国民の精神を打ち砕く目的で行われたものの、却って主権と独立を守るという皆の決意を強めただけでした。
　今日、ベネズエラは主権を擁護するという強い意志を新たにしています。独立の精神は歴史書の中のものではなく、今もつづく抵抗と挑戦の物語であることを世界に示しています。語り継がれてきた歴史を振り返るとき、私たちは未来も見据えています。希望と揺るぎない決意をもち、ベネズエラ人をベネズエラ人たらしめる本質を示して。
　ベネズエラの独立への道のりは困難の連続でした。資源に乏しい植民地ベネズエラは強大なスペイン帝国に立ち向かいました。そのような中でこの革命を支えたのは、折れることのない意志に突き動かされた庶民でした。庶民の犠牲が、「解放者」シモン・ボリバルのような指導者の卓越した戦略や不動の決意とあわさって、勝利と独立への道を築いたのです。
　勇気と抵抗力に彩られた先人たちの遺産は、何世代にもわたって国民を鼓舞し続けています。この重要な日を祝い、7月28日の大統領選挙への準備を進めるにあたり、私たちは歴史上の勝利だけでなく、ベネズエラ人の現在進行形の闘いにも敬意を表します。ベネズエラの人々は今も自決権のために戦い続け、外圧に断固として立ち向かい、かつて独立と自由を勝ち取った時と同じ決意と勇気を示し続けています。