「MBTI診断」はMBTI®︎ではない?
近年巷で流行っている「MBTI診断」というものですが、公式のMBTIとは何が違うのでしょうか?
思うに、「MBTI診断」と呼ばれているものは、16personalitiesのことです。今から違いを述べていきます。
①16personalitiesは質問紙のみ、MBTI®︎は質問紙+セッション
まず、MBTI®︎は診断ではないのです。16personalitiesは、「あなたは冒険家(ISFP-Τ)」みたいなのが出てくると思いますが、MBTI®︎は、質問紙による報告されたタイプを参考にはしますが、最終的には専門家のフィードバックを受け、自分でタイプを決めていきます。それも決めることが目的ではなく、自認を知る過程で自己理解を深めることが目的です。
②16personalitiesはビッグファイブベース、MBTI®︎はユングのタイプ論ベース
16personalitiesはビッグファイブベースです。まあ、ビッグファイブの公的な質問紙と16personalitiesが近いかという妥当性には個人的に疑問がありますが、EIが外向性、SNが開放性、TFが協調性、JPが誠実性、ATが神経症傾向(情緒安定性)に対応しています。
対して、MBTI®︎はユングのタイプ論がベースです。ざっくりいうと、「内向性と外向性という物事の向きがあり、直観と感覚で物事を受け取り、感情と思考という理性によって物事を判断する」という理論です。因子分析により作られたビッグファイブとは違い、こちらはユングによる理論を元に、マイヤーズとブリッグスが応用させたものです。
最後に、私は16personalitiesとMBTI®︎には両方の良さがあると思っています。しかし、16personalitiesには、「INTP(論理学者)型は論理的思考に長けている」などの能力や特性に言及した記述が散見され、自他を決めつけ、縛るようなことにならないか、一抹の不安を抱いています。
どのような理論であれ、自己理解や他者理解が円滑にでき、多様性が尊重されれば素敵だな、と思っています✨
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?