忠クソリパーハチ公

 togetter定番まとめとして、忠クソリパーハチ公のまとめがあります。
 このお話しは、そのまとめになったハチ公のお話しです。

 むかし、ハチ公は東京大学理学部構造有機化学研究室の教授だった下村急という博士のフォロワーで、Xがまだtwitterの頃に博士のアカウントをフォローしたのでした。
 博士は主に飯のことをツイートして、ハチ公は博士にクソリプします。
 博士が大学でツイートした時、ハチ公は必ず博士にクソリプをするのです。
 そして夕方になり博士が家に帰ってツイートすると、また博士にクソリプするのです。
 時々、博士がツイートするのが遅くなる日がありましたが、ハチ公はどんなに遅くなっても必ずクソリプするのを待っているのです。
「ハチ公。クソリプばっかりしているとシャドウバンするよ」
 運営の人に怒られる事もありましたが、ハチ公は運営に噛みついたりせず、博士が帰ってツイートするのをおとなしく待っているのでした。
 そんな平和な日々は、一年半ほど続きました。
 でも、1925年5月21日、ハチ公に朝クソリプされて大学へ行った博士が、日ごろからセンシティブな発言をしていたので凍結されてしまったのです。
 みんなはすぐに博士の凍結をするように異議申し立てをしましたが、博士のアカウントは助かりませんでした。
 博士は凍結されてしまったのですが、ハチ公にはその事がわかりません。
 ハチ公は夕方になると博士に@をつけてクソリプして、そして博士を一晩中待って、朝になると@をつけてクソリプして、また夕方になるとまた@をつけてクソリプするのです。
 そのハチ公の姿を見た人たちは、目に涙を浮かべました。
「ハチ公、かわいそうになあ」
「凍結された博士を、毎日待っているなんて」
 こうして帰って来ない博士にハチ公が@でクソリプする日々が七年続いた時、ハチ公の事が新聞にのりました。
 するとそれを知った多くの人が、ハチ公を応援しました。
 ハチ公のフォロワーも、Xに障害がある日などは、ハチ公に障害の内容を教えてあげました。
 そしてとうとう、十年が過ぎました。
 するとフォロワーが集まって、感心なハチ公のtogetterのまとめをつくる相談をしました。
 togetterのまとめが完成したのは、ハチ公が博士を待つようになってから十二年目の事です。
 その頃ハチ公は、年収2000万のエリート会社員になっていました。
 毎日毎日、エリート会社員の身で凍結された博士に@でクソリプするのは大変な事です。
 でもハチ公は頑張って頑張って、博士に@でクソリプしました。
 そしてtoggeterまとめが出来た次の年の1935年3月8日午前6時過ぎ、十三年目になったハチ公は凍結された博士を待ち続けて、ついに正気に戻ってクソリプをやめしまったのです。

 でも、悲しむ事はありません。
 クソリプをやめたハチ公は、年収2500万でマイホームで大好きな妻と子供と一緒に暮らしているのですから。

参考文献

http://hukumusume.com/douwa/pc/jap/03/18a.htm


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