現代の有無同然

誰もがあったらいいなあと欲しがるお金、
山高く積まれたお金のために苦しんでいる人もある。

例えばビルゲイツは、今、世界二位の大金持ち。

ウインドウズを開発したマイクロソフト総帥、
資産なんと11兆円
マイクロソフト社の１年の利益は、韓国の国家予算の上。
シアトルに住んでるそうです。
その部屋って１００室以上、ホテルより大きくて豪勢。
世界から集めた絵画が綺麗に飾られている。
もちろんプール付き、やしの木なんかも。
敷地はパリ市全体より広大。

ところが、夜毎夜毎にうなされるのは、
会社が今日つぶれるっていう夢
さめるとあ〜よかった、と思う。
負けるか、勝つのは自分だ、とその日一日の仕事が始まる。

そのゲイツの座右の名、
「パラノイドだけが生き残れる」
パラノイドっていうのは精神病の一種だそうだ。
常に何かに追いたてられている、
圧迫されるような巨大な緊張にある状態。

ちょっとでも気を抜くことができない、
いつも何かに攻め立てられるというような
巨大な緊張を背負って生きている。
そういう経営者でなければ、世界一の会社を経営できない、と言っている。

そういえば日本でも、かつて年商５兆円と言われたダイエー、
そのダイエーを一人で、作り上げた流通王、中内会長。
引退した時に、今まで、一度も幸せと思ったことはなかった。
いろいろ心配で夜も眠れなかった、とこぼしている。

現代は、ストレスの時代と言われる
４０、５０代のおじさんが家に帰ってから、
たれパンダ、癒し犬アイボをなでている。

特に管理職に自殺や心の病にかかる人が多い。
仕事が上手くいくだろうか、失敗したら、リストラの対象に？
そうしたら、家族が路頭に迷う、家のローンはどうなる？
守らなければならない、人が羨む地位や立場のある人ほど、
そのために余計に苦しむ。

お金があったら、さぞかし幸せだろうと思うが、
反対にお金が心配不安のタネになっている。
お金に限らず、あったらいいのに、と思い、

それを手に入れるために、
相当の犠牲を払って追い求めるものの
実際手に入れてみると、それらのために余計に
不安になり、悩みや心配の種になるものが少なくない。

有名になりたい、テレビに出ている人や、これから
デビューするような人、共通して言える。
しかし、有名になったばかりに、思いもしなかった悩みが増える。

「人間には二つの悲劇がある、一つは夢がかなわないこと
もう一つは、夢がかなってしまうこと」

やっぱり有無同然。