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$INMDの直近の決算と、2つの中長期的な論点

まず、毎度の通り圧巻の決算。

・直近2Q の売上成長率YoY+184%
・Consumables(消耗品)売上も同様にYoY倍増→1台のプラットフォームあたりの売上が増加していると推測できる
・2021年度年間売上推定を$305~315mに上方修正(YoY+48~53%成長)
・営業利益率(Non-GAAP)が前年2Qの30%から51%に改善→去年はCOVID直撃の影響があったものの、それを加味しても大幅な改善
・現金同等物が$333mに増加→足元の設備投資額と比べると、株主に還元する余裕が見えるくらい十分なキャッシュを持つ
・韓国と中国で好調なスタート→大きい市場で拡大していくトラクションを得られている

これだけ良い決算を安定して出しているのだから、今のバリュエーションは切りあがっていくべきだはないかと思っている。
デルタ株や再ロックダウンなどリスク要因は相変わらずあるものの、それでも会社予想の数字はやや保守的ではないか?どた勘ではあるが、売上340m程度が妥当な期待値ではないだろうか。それでOPM50%だとすると、だいたいNet Income$130~170mを実現するのではないだろうか?そうするとPER30倍を切るような可能性も。。(注 イスラエルの特例からこの企業は税率がかなり低い)

決算がとても良いのはもうわかっていることだと思うので、長期的に投資に値するのかを知りたい。ずばり次の2点が論点かと思う。
1.技術的なmoatがあるのか?
今は抜群の利益率でも、真似が可能で数年以内に似たようなものが出てきたときに今の利益率をキープできそうか?
2.どこまでスケーラブルか?
つまらない見方だが:
今のところ毎年$50m程度の定額で成長してきていた。(今年度はもっと行くだろうが)ここが例えば$100mなどの金額の成長をできないだろうか?%成長率がだんだん落ちていくのはあまり投資家としては見たくない。

1.に関して、医師の友人に聞いても、美容医療と通常の医療には治療の効果があるのかどうかについて明らかな考え方の差があり、前者はより主観的な見方、つまり患者が効果あると認めるかどうかにかかっている部分が大きいと聞いた。ただ、主要商品にFDA認可が下りていることについて聞くと、それに関しては非常にリスペクトをしており、実際の効果があるのだろうという意見ではあった。

著名だったり、専門性がありそうな医師が使用していたら医療的に信頼できる技術があるのではないかと思い、ググってみたところ、日本で非常に優秀そうな先生が導入しているのを見つけた:
https://clinic-f.com/laser/inmode.html (CLINIC F)

以下藤本先生のプロフィールの抜粋である。
見ての通り、この方はレーザー工学で工学博士を取得しており、更に医学博士も取っているという方。

日本麻酔学会専門医および日本ペインクリニック学会認定医取得後、工学的ハイテクノロジーと生体医学の双方を扱うことの出来るレーザー皮膚科に転科。また、それに関連して皮膚の免疫細胞を司る細胞(マストセル)の研究で博士(医学)の学位(東京大学大学院医学系研究科 2004)を取得した。その後精力的に臨床と研究、国内外での学会発表を行う傍ら、社会人入試枠で理工学系大学院、薬科学系大学院に入学。「半導体レーザー励起ファイバー先端部高温発生とその医療応用に関する研究」の論文を提出し、電磁気学・量子エレクトロニクス・プラズマ光学の分野で二つ目の博士(工学)の学位(東海大学大学院総合理工学研究科 2013)を、「近赤外波長フラクショナル・レーザーアシストによるナノリポソームの経皮デリバリー促進効果についての研究」の論文を提出し、レーザードラッグデリバリーの分野で三つ目の博士(薬科学)の学位(慶應義塾大学大学院薬学系研究科 2017)を、それぞれ取得した。

まさに、InMode社のコア技術が脂肪細胞をレーザーを利用して減滅させることにあるのであるなら、この方のお墨付きを得ているなら、非常に心強い。
本来は自分で論文やFDAの資料など読み込むべきかもしれないが、とりあえず他人だよりな調査をした結果、やはり技術的なmoatはあると思ってみても良いのではないか?と感じている。


2.については、あまり本質的な問題ではないかもしれないが、あまりにも多くの国に申請を出したり(12~15か国)、販売開始をしようとしているため、実行可能なのか?何か事故を起こさないのか?などがやや心配である。
ただ、台あたりの消耗品の消費が増えていることなどから、現在売上の11%を占めているサブスク的な売上が積みあがっていく蓋然性も認められそうで、特に心配はいらないのかもしれない。

今期EPSは私のどた勘だと、$4程度になるのではないかと考えている。そうすると今の株価はPER30倍を切ることになり、技術的なmoatとスケーラビリティがあるという仮説が真であり、このグロースと利益率がしばらく実現し続けられるのであれば、相当安いと言わざるを得ないのではないだろうか。
個人的には、参入障壁が低く、直近数年間のグロースはすごいけど、大赤字で業績予想がしづらいIT系のハイグロースに手を出すよりは、大きな流れといて成長している美容整形市場において、良い機器と消耗品を売るという分かりやすいビジネスに投資する方が遥かに心地よく感じているし、なんといってもこのバリュエーションが魅力。。

今週、$FVRRの四半期決算で売上成長率が55%とかのコンセンサスを10%ミスしたことで、20%以上株価が落ちるなどしていた。
45%の成長をしていたらとんでもなくすごいことなのに、ここまで売られるというのが、株を買っている投資家の質や期待の行き過ぎを感じられる。


参考:$INMDのPL (seekingalphaより)

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