得体の知れないものでいい。熊本に、若者が挑戦しやすい環境を。
どうも、椿原 ばっきーと申します。
福岡出身で熊本に12年くらい住んでいるのですが、ここ4年はフルリモートでスタートアップの経営に関わっていて、それ以前は熊本で起業や働き方に関するイベントをやっていた者です。
いろいろ思うことがあり、たまたま条件も揃い、熊本で若手のための場づくりを始めることにしました。
約10年、個人的に趣味の延長でやってたことが巡り巡って、創回収的なプロジェクトになった感じです。
この話をすると「独立するの?」とか言われますが、独立や起業ではありません。笑
自分が経営に関わる会社(株式会社Lbose)の1プロジェクトです。
まずは、こちらのスライドをご覧ください。
スライド、ご覧いただけましたかね。
では、改めて説明に入ります。
挑戦する若者のための場所。
まずは、なにをやるのか?という話から。
プロジェクト名は「vill(ヴィル)」と言います。
熊本の25歳以下の若者で、スタートアップ、スモールビジネス、ソーシャルビジネス、クリエイティブ、イベント、手段はなんでもよくて、理想の実現や課題解決へ向けて挑戦している人達が繋がり集まる場づくりです。
場所は、オンラインとオフラインがセット。繋がるきっかけとなるオンラインの場所はSlackで、作業したり集まったりできるオフラインの場所は熊本中心部にあるビルを開放します。
料金は無料です。誰でもOKじゃなく、緩やかに立ち上げたいので審査制。
サービスとも言いたくない、オンラインコミュニティとも言いたくない、シェアオフィスやイベントスペースとも言いたくないと思っていて、まだこれを何と表現すればいいのかはわかっていません。
でも、既にテスト運用?をしていて、手応えはあります。
…と言っても、私はオンラインで管理人や繋ぎ役をやったり、困りごとの相談をもらったときに話し相手になったりしてるくらいなので、彼ら彼女らが勝手に前進してるだけなんですが。笑
ちなみに、名前は私がつけました。
由来は「Village(村)」からなのですが、
・弊社、自社プロダクトの名称にゲーム関連の言葉を使いがち。
・人が集まる場所としてモンスターハンターの村みたいな場所いいよね。
・ビル一棟を開放するのでダジャレ。
・語感が「will」っぽくて、良いな。
みたいな感じで考えて、気に入ってます。
で、そこから、いつもお世話になってるクリエイティブディレクターの@satokatsuakiへ大量のテキストを送りつけたら、コンセプトとして
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「Village of Departure -旅立ちの村-」
ゲームの主人公が最初にいる村のこと。旅立つために必要な知識・装備を手に入れる場所。
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を考えてくれたり、クリエイティブを整えてくれたり、思ってた数倍のアウトプットをくれて、まじで感動。
やるやつは勝手にやる。
このプロジェクトを始めようと決めたとき、「やりたいこと」は思いつかなかったんですけど、「やらないこと」は決めれました。
やらないこと
1. 起業促進:自律的に挑戦し成長する個の集まり。
2. 若者支援:ビジョン必須。誰でも良いわけではない。
3. サービス:受動的・利己的になってはいけない。
今回のプロジェクト、一応、うちの会社(Lbose/エルボーズ)名義でやるんですが、会社のミッションは「"誰と、どこで、何をするか"を、もっと自由に。」なんですよね。
"結果的に"ここから起業する人も多そうなのですが…、目的は起業家を増やすことではなく、弊社のミッションに繋がる「地方からでも挑戦しやすい環境をつくる」こと。
そして、支援とか育成とかもおこがましい。場を開放したり、一緒に学びを深めるための企画はしますが、あくまで対等な立場です。0→1とか1→10みたいな話でいえば、0,5→2のあたりの段階を応援するイメージ。
逆に、やりたいことは進んでくうちに見えてくるかなと思っています。
若者達の話を聞いていて、人が軸で始めることにしたプロジェクトだからですね。今回、対話を大事にしたいと考えていて、いまは大きな理想や目標を掲げることはせず、まずは小さく始めてみる。
そして、柔軟に変化することを大事にしたいと思います。
なんで25歳以下?
最初は、このプロジェクトの対象年齢、29歳以下にしようと思ってたんですよね。
詳しくは後述しますが、私は今33歳で、過去の自分みたいな想いをもった人達のために何かしたいという想いがあるので、20代以下の人がいいかなーと。で、一人一人から話を聞かせてもらってたら、25歳くらいを境に上下で困りごとや悩みの内容がかなり変わってくることが見えてきました。
ざっくり言うと、25-29歳は、守るものがある。既に仕事や家族があって現状を変えたいと思っている。もしくは1つ目の挑戦は終わって再度何かに挑戦したいと思っている。
こうなると転職活動か、新しいスキルを身に付けるか、副業で何かを始めるか…とかになるんですが、悩みの個別性が高く複雑。できることが少ないかもしれないなーと。
で、25歳以下は、何をやるか?はバラバラとしても、だいたいが1つ目の挑戦で、集まれる場所や横の繋がりを求めてるケースが多かったことと、困ってることを聞いてても、自分が今持ってるもので解決できることがありそうだなと考え、思い切ってここに対象を絞ることにしました。
短期的な経済合理性を捨てる。
地域で起こっている取り組みへ違和感を持つことがあるのですが、中の人の話を聞いてると短期的な成果を出さないといけないことによって、そうならざるをえないということもあるらしい。
今回の取り組み、短期的な投資対効果、資本効率、あとはそれに紐づくKPIの話とか言われたらやれたもんじゃありません。
会社としてやるからには、いろんな先の可能性や展開も考えてはいるんですけどね。短期的な話はいったん横に置きたい。
ただ、私は、会社での役割として、そんな話ばかりを日々のSlackや会議でしている身でもあります。
巡り巡って大きな効果を生んで投資を回収するという前提で、代表たちに「いったん無視していいよ」と言わせて突破しないといけない。
というわけで、「無視していいよ」と言われるために、経済合理性をいったん無視するための言い訳を2つ考えました。
言い訳1:どうせ、個人でやってきた。
「もっと事業や組織に集中したがいいんじゃないの?」という問い、ありますね。
そもそも、今回のこれ、いきなり始める話じゃなくて。自分にお金的な利益とか生まないけど、趣味として熊本で2012年から10年やってきたんですよね。
10年経った…というのが引きますが、最初は、ピッチイベント、トークイベント、ミートアップ、勉強会とか、むちゃくちゃやってました。
当時は、情報格差や機会格差が多い地方で、同世代(当時21-22歳?)にいろんな選択肢を知ってもらいたいとか、地域の学生起業家に先輩起業家との出会いをつくりたいとかいう想いでした。
途中で繋ぐだけの人間に価値はないと気づき、方針?は変えたんですけど、どうせ変わらず自分のプライベートな時間使ってやってきたし、これからもやっていこうというつもりだったんですよね。
で、「どうせなら会社のプロジェクトにしちゃった方が、会社にもメリットあるくね??」と思うことがあり、それを1つ目の言い訳にしました。
言い訳2:どうせ、場所は余っている。
「会社として、場所代はらうの?」という問い、ありますね。
一定あるあるネタだと思うんですけど、地域に根を張り長く活動してると、地域の方から「この物件あまってるんだけど、使わない?」的な話をもらうことがちょいちょいあります。
意味がわからないくらい格安だったり、無料だったり、なぜだかわかりませんが、あります。
うちの会社とビルの関係もそれに近く、知人から「このビル、買おうと思うんだけど、使わない?」と言われたのがきっかけ。かなり格安&好条件で使わせてもらってる感じです。(ちなみに家具も同じ感じで買えば高級そうな家具をめちゃくちゃ格安で譲ってもらいました。)
ただ、弊社、2017年の創業時からフルリモート組織なので、あまり使っていません。熊本にいるコーポレートチームが使っているのと、全国に散ってるのメンバーが経営合宿で使うくらい。どうせ余っている。
どこかで移転することがあるかもしれませんが、移転するコストよりはこのまま使った方がいいと判断しました。
まずは「得体の知れないもの」でいい。
私の本職?は、PRです。企業や個人の認知を向上させることにも日々向き合っているのですが、「いつどのように見つかるか?」の難しさを感じることがあります。
早く見つかることは良いことのようで、実は良くないことも多い。
自分の思想を現実化するためには、多くの人へ知ってもらうこと、そのために見つけてもらうためにアクションをすることも大事かもしれません。
ただ、本人が意図しない早いタイミングで多くの人に知られることは、ネガティブな影響を生んでしまうことも多いです。若手は担がれやすい。地方は担がれやすい。プレイヤーも少ないから。
もちろん、本人がリスクも分かった上で、波をを乗りこなす覚悟を持ち、自分の意思で打って出るなら良い。ただ、本人が望んでもないのに、見つかってしまうと良くないので、ここのバランスコントロール大事にしていきたい。
言語化しないようにしてることもあるし、「まだ決めない!」と決めていることもあります。
この取り組みを始めること決める少し前から、熊本を拠点にしているU25を中心に、少し上の世代の方まで、数十名の方に話を聞かせてもらいました。
引き続き、対話をとても大事にして、まずは今の「得体の知れないもの」を面白がってくれた人、興味を持ってくれた人と、1人ずつ話していけたら嬉しいです。
私にできることは限られてる。
冒頭にも書きましたが、テスト運用の今、私がやってるのはオンラインで管理人や繋ぎ役をやったり、困りごとの相談をもらったときに話し相手になったりしてるくらいです。
そもそも私は、何か大きな成功をした人ではない。
その前提で、一緒に考えたり、成功するための話より失敗をなくすための話をしたり、いろんな業界にいる頼れる友人知人を紹介したりはしていけたらいいかなとは思っています。
ちょっと話が変わりますが、最近、地域の起業支援の取り組みに「メンター」として声かけてもらって参加したときに思ったんですね。
そのとき「支援者」みたいなポジションになると、牙が削がれる感覚がありました。
成功もしてないのに、自己紹介しただけでそういうふうに見られる。大して何も成果も出していないのに。上がった人みたいになるというか、闘争心がなくなるというか…。
自分がまだ勘違いしないように、プレイヤーとして現場で戦っていけるように、支援的な何かをする人ではなく、同じ挑戦者だと言い続けるつもりです。
できるなら、誰よりも挑戦して失敗して、背中を見せるということをやっていきたい。なので、できることはやろうと思うけど、できることは限られている。
最後に。なぜやるのか。
「なぜやるのか」という話は、だいたい「なにをやるのか」の次に書いた方が伝わり良いとは思いますが、あえて最後に書きます。
こんな不安定な世の中で、本業も忙しいのに、なんでやるんでしょうね。笑
きっかけは、ここ3ヶ月くらい20-29歳くらいの若者と話すなかで、強烈な課題を感じて衝動的にやりたいと思ってしまったからで。各所に話を通すために、理論武装?みたいなこともしましたが、それは主義主張を通すための後付けでしかありません。
※↓今年4月に若者の要望を受けてやった交流会。若者と話すきっかけになった。
衝動の理由は、自分が20代前半のとき、今以上に何もなく無力だったとき、それでも引き上げてくれた人がいたからからもしれません。
実績もない、実力もない、金もない、なにもない中で、いろんな人が当時面白がって引き上げてくれた(と私は勝手に感謝している)中で、自分も次の世代にそれを繋がなければいけない気がする。Pay it forwardかフックアップ的な精神です。
そして、無力で何もできずに悔しい想いをした過去の上書きかもしれません。
誰かのためのようで、自分のため。小さな成功、大きな失敗、いろいろありますが、これまで10年の総回収であり、次の10年に向けた一手です。
…と、だいぶ長くなってすいません。最後まで読んでくださった方、本当にありがとうございます。
興味をもってくれた対象の方は、ぜひご連絡ください。オンラインで面談とかもできればと思っています。
また、その他の応援していただける方や、興味もっていただける方は、このnoteをTweet等でシェアしてもらえたら嬉しいです。
一人でも多くの人へ届けて「知ってたら参加してたのに…」みたいな機会損失をなくしたいので。よろしくお願いします。
誰かの言葉を借りるなら、答え合わせは数年後!という感じ。
よろしくお願いします。
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