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相場黙示録ぶべら(1万から4500万編)第2話

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この物語は1人の男がFXと出会い、相場に翻弄されながらも強く生きていく、ほぼ実話を元にした物語である。

第2話 損失という呪縛

 俺はポンド円の買い増をした。ナンピンというやつだ。
 ナンピンは計画的にやれば悪いことではないかもしれないが、無計画なナンピンほど手に負えないものはない。

 放置したポンド円のロングはどうなってるだろ。
エントリーしてから1時間くらいたったか。
 開いたらプラスになってないかな、など少しワクワクするような気持ちだった。

 チャートを開くと価格はさらに下がっていた。
そしてチャートをそっと閉じた。

 平均取得単価を下げるために買い増し、その行為は頭のどっかで間違っていたことに気づいているけど損切りができない。現実逃避する行動をとったのだった。
 損失を確定したくなかった。これにつきる。
 

 それからしばらくしてメールが届いた。
 強制決済されたくなければ入金しろという脅しにも近い内容だった。震えた。
 
 俺はこの脅しに怯えて、7万入金した。証拠金維持率を保ったのだ、からの買い増し。
 愚行である。

 入金も買い増しもしたが、耐えきれず損切りとなった。

 ここで覚えたのはエントリーする時、必ず、絶対、必定。
 損切りと利確位置、リスクリワードを考えてからエントリーするということ。
 
 それから、しばらくは小資金でトレードを繰り返した。しかし損切りをズラしたりと中々、思うようなトレードはできなかった。
 
 当初、小資金だとスロットより稼げないと考えていたが、もうそんなことはどうでも良かった。
 トレードで勝ちたい、攻略したい。トレードで一流になりたい。億トレとなのれるような。
 付随して、勝てるようになればスロットの日当どころか、サラリーマンの月収だっていけると思ったのだ。
 
 勉強すれば勝てるはず、勝ってる人間がこんなにいるじゃーないか。

 Twitterでインフルエンサーの投稿をチェックし始めていた俺はそう思った。
 当時の自分からすると2桁〜3桁万は衝撃だった。

 俺はネットの口コミで教科書を調べて、4冊ほど購入した。
 
 この時はまだ、損失という沼へ足を踏み入れていくことを俺は知る由もない。
 逆だ、これで俺も勝てるようになると心ときめかしていた。

次回 教科書という罠

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ふべら @Buberadays
 

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