メーデー、此方秋風が降り注ぐスクランブル交差点の中心より、妾の声は聞こえていますか。きっと【以下13文字?激しく損傷している為解読不可。】幸って何でしょうか。誰かの犠牲の基、生まれるものなら妾の体など何べん灼いても構いませんでした。二十余年生きてきたこの器は幸や愛を得るには酷く不相応なようです。誰かにそう言われた訳ではありません、占い師が神とやらがそのように妾に言うた訳でもありません。ただ、何となくそのように感じるのです。灼かれるのも痛いのも出来るならば避けたいけれど、それで知らないどこかの誰かが幸になるならいいのかもしれないと、びゅうびゅうと音を立てながら妾の汗を使い体温を奪っていく秋風に包まれながら思うのです。もしも、生まれ変わりがあるのなら、次は幸も愛も享受するのに相応しい器に入りたいものです。知らないどこかの誰かに幸あれ。あわよくば陽だまりのように暖かく大きな心で妾を包んでくれた愛しい貴方に幸が訪れますように。


それでは。

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