見出し画像

備忘録 22-06-30

呉越同舟

――呉越同舟

『孫子』

数年まえ、中国を旅行して蘇州に寄ったとき、地元の若い通訳氏から、「呉越同舟のことばの出典は何ですか」と聞かれたことがある。ところが昨年行ってみると、別な通訳氏ではあったが、「呉越同舟」ということばを織りまぜながら、ずいぶんと要領よく蘇州の説明をしていた。蘇州はむかし呉の都であったところだから、蘇州の歴史を説明するには、このことばを使うのが親切なのである。

ところで「呉越同舟」ということばは、現在ではたんに仲の悪い者同士が同じテーブルにつくことを意味するだけだが、原典の『孫子』の意味は、これとはだいぶちがう。呉の人間と越の人間は、むかしから憎み合っている。そのかれらがもし同じ舟に乗り合わせ、大シケにあって難破しそうになったらどうするか。助かりたい一心で、憎しみなど忘れて 一致協力するに違いない。組織の活性化をはかるのもこれと同じ要領だと、そのたとえとして「呉越同舟」が使われているのである。

以上、「中国古典一日一言」(守屋洋)より

今日も一日がんばりましょう。

危機感を共有し、やるべきことをしっかりやる。
どの時代にも求められているんですね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?