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備忘録 22-09-16

好んで人の悪を称すれば、人またその悪を道(い)う

――好称人悪、人亦道其悪

『説苑』

中国の古典は「応対辞令」の学問だと言ったのは先ごろ亡くなった安岡正篤さんである。「応対辞令」とは、わかりやすく言えば人間関係であるが、このことばなども、その機微を語ったものであろう。語っている内容は陳腐にはちがいないが、しかし、人間関係などというのは、二千年まえも現在もまったくちがっていないことに驚かされるのである。

「人の悪を称す」とは、悪口である。面と向かって悪口雑言を応酬する。これはまだいい。しかし、悪口というのは、背後から投げかけられることが多い。いわゆる陰口というやつだ。

 われわれも、つい人の陰口をたたくことがある。ところが陰口というのは、いずれは必ず相手の耳に入るものだ。相手としても心おだやかであるはずがない。必ずお返しがある。してみると、陰口を封じる第一歩は、こちらからそれを口にしないということだろう。

以上、「中国古典一日一言」(守屋洋)より

今日も一日がんばりましょう。

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