備忘録 22-10-16

朋友に処するに、務めて相下(くだ)れば則ち益を得、相上(しの)げば則ち損ず

――処朋友、務相下則得益、相上則損

『伝習録』

  友人との付き合いに関するアドバイスである。「相下る」とは、謙虚な態度でつき合うこと。そういうつき合い方をすれば、プラスになるのだという。「相上ぐ」とは、相手を見下すこと。そんなつき合い方では、マイナスばかり多くなるのだという。

これに関連して『孟子』の説く交際術も参考になるかもしれない。孟子は、弟子の問いに対して、つぎのように答えている。

「年長であるとか、身分が高いとか、身内に偉い人がいるとか、そんなことは鼻にかけないで交際することだ。要は、相手のもっている徳を友とするのである」

また、孔子が賞賛している晏嬰(あんえい)の交際ぶりも参考になろう。晏嬰は孔子と同時代の人で、名宰相とたたえられた人物だが、その交際ぶりについて孔子はこう語っている。
「晏嬰の交際ぶりは身上げたものだ。どんな相手と親しくなっても、相手に対する敬意を忘れなかった」

以上、「中国古典一日一言」(守屋洋)より

今日も一日がんばりましょう。

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