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備忘録 22-12-05

寛とは苛急(かきゅう)を為(な)さざるのみ、簡とは繁砕(はんさい)を為さざるのみ

――寛者不為苛急耳、簡者不為繁砕耳

『宋名臣言行録』

宋代の欧陽脩という政治家は各地の地方長官を歴任したが、業績とか評判にとらわれないで、もっぱら「寛」と「簡」による行政を心がけた。それでいて、問題の多い地方に赴任しても、半月もしないうちに問題の大半が片づき、一、二か月もすると、役所は何もやることがなくなって僧房(そうぼう)のように静かになったといわれる。ある者が不思議に思って、
「公の政治は寛簡を旨としながら、それでいてよく治まるのは、なぜでしょうか」
とたずねたところ、欧陽脩は表題のことばをあげて答えたという。
「わたしの心がけている寛とは、苛酷な押しつけをしないこと(苛急を為さざるのみ)、 簡とは繁雑なたらい回しをしないこと(繁砕を為さざるのみ)、これに尽きますよ」

「寛」と「簡」は組織管理のポイントである。そういう意味で、欧陽脩のこのことばは参考になるであろう。

以上、「中国古典一日一言」(守屋洋)より

今日も一日顔晴りましょう。

今週も宜しくお願いいたします。

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