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2022MAMAのj-hopeくんを見て脳内会議が招集された

パクチーA(以下A):わー何日経ったのかな。
パクチーB(以下B):6日間。
A:濃いねこの6日間。
パクチーC(以下C):怒涛でたくさん公開されてます。
A:嬉しい!仕事休みなんですよしばらく。
B:特にRMくんの作品は、すっと入る。すごく分かりやすい。
A:RMくんは全然渋滞しない。ひとつ水滴が落ちると、わっとダムの広さまで広がる。
B:ジンくんの作品の方が詩的だね。RMくんは具体的。
A:ジンくんの作品は、しずくが落ち続ける感じ。じんわりと。
B:個人的体感。
C:今日はMAMAですよ!
B:そう。見たら大変なことになった。それで脳内会議が招集された訳です。
A:なんか…アイドルは新しい次元に行ったよ!
B:公式で出る前に、画質の悪い動画見ちゃったんだけど、その時点ですでに…。
A:オーラが。ドッバー!ギャー!「次の次元」のオーラがびゃんびゃん。
B:「アイドル」の概念に、一つ、穴開けた。突破口を開けたって言うか。
A:これまであった枠を超えて、j-hopeくんという前例が、アイドルの表現に選択肢を与えたよね。可能性が一気にバッと生まれた。
C:これ、みんな分かったのかしら。
B:これこそ抽象的だったか。
C:会場に来ていたお客さんは、これは楽しめたのかな…?って正直心配になったんだよ。
A:今回のダンスこそ、わたしが舞台の仕事で関わってたダンスに近い、馴染みがあるダンスだったね。
C:だから一般的には受けないの知ってるじゃん。
A:でも今回、超!かっこよかったよ〜!すごい上手かったよバックダンサーさんたち。良かった〜構成も良かったし…動きも良かった。決めるとこめっちゃシャープに決まってて「おお!」ってガッツポーズ出たもん。
B:これはかなり細かくディレクションしたよね、j-hopeくん。
A:厳しくご指導されたんじゃないでしょうか。
B:時間かけてる感じがしたね。ダンサーさんたちもちゃんと理解してた。いつもと違うテイストだったろうけど。
A:BTSのバックダンサーさん達、初めて「上手い」と思った。
B:初めて…。でも上手い…って感じしないんだよね。
A:善い人そう…!っていう。
C:善い人大事ですよ。
B:むしろBTSのクルーはモラルの方が大事なんでしょう。上手さより。
A:家庭とかあって落ち着いてそう…!みたいな。お子さんもいて。
C:落ち着き大事ですよ。
A:若かったらどうしたって戦うじゃん。あれだけ人数多いとね。ダンサーさん同士で揉めたら本当ややこしいからね。
B:揉めないわけがないからね。それぞれみんな上昇志向というか、ライバルだから。派閥とか。こじれるとツアーなんか支障出るしね。
C:しょうがないんだよ。個人事業主だから。フリーランスだから基本。
B:モラルとか協調性とか…ない人にはどうしたってない、というか身につくのに時間がかかるから。最初っからある人を選ぶんでしょうね。
B:NOT上昇志向、YES安定志向。である方が、運営側としては有難いと。
A:持続可能性のために。単発企画じゃないとなると。
C:今回上手かったのと、でも分かりやすさは、違うじゃない。
A:ちょっと楽しみ方が違うか。
C:ちょっと違う。まず客席からj-hopeくんがどこにいるのかよく分からない。衣装の色も同じで。そういうのってネガティブじゃないのかなあ?と。
B:セオリーを外してたね。演出重視で。
C:あと緊張感を強いる作品だったんじゃないか。「かわいー!」とか「かっこいー!」とかの方で解放して心をムービングする時間じゃなかったんじゃないか。「固唾を飲む」とかそっちの方向で。それに戸惑う人はいなかったのだろうか。
B:いたでしょうね。でもいてもいいんじゃないか?その時は咀嚼できなくても、何かは受け取ってるわけだから。後から思い出してじわじわ効いてくるのが、こういう、その時は「分からない」作品を受け取った時のおいしいところだと思うよ。
A:長く楽しめる。
B:そう。人生の長いスパンで。10年とか20年とか。他の作品とか見たりしたときに紐づけて思い出したりするんだよ、この時のインパクトを。ボディーブローのようにじんわり効くんだよ。
A:MAMA後のWeverse Liveで悔いてましたけど、何がか全然分からん。
B:想定よりも強さを出しすぎたって体感なんでしょうか。
A:ドばっちり成立してましたよ。それがアイドルのステージとしてどうなのか、というと、分からんのだが…。
C:我々、まるでアイドル全体を見てきたかのように言うが、全然見てないじゃん。
A:見てない。BTSしか見てない。
C:j-hopeくんだけ見て全体を語るのは間違ってるんじゃないの。
A:間違ってる。
B:確実に間違ってる。
A:他の方も見ましょうか。
C:他の方も見ましょう。


〜 鑑賞タイム 〜


A:見ました。
B:うーん!
C:一応アイドルはほぼ全員見ましたね。動画終わりまで見た人は数組ですが。
A:分かったような分からないような!
C:でも大別したら2つのタイプに分かれるんじゃない。
A:いやー!改めて見たら、j-hopeくんがいかに特異かと思ったわ。
B:立ってるだけで何か訴えてる。
A:そんな人おらんもん!あんな風に、内臓めくれてるんじゃないかくらいに、自分の中にあるもの全部一瞬で外側に出せること自体がさ….。
B:ああいう表現する人、できる人、いなかったかもね。
A:部分的に使える人はいると思うよ。でも全編となると…。足りなくなるんじゃないか?自分の中の情報が。
B:その点、j-hopeくんは10年の思いですから。たっぷりありますね。
A:出し尽くせない思いが。
C:出しても出してもまだあるでしょうね。

B:つまり、「王冠系」と「内臓系」に大別できる。
C:なんか「内臓」の方、表現嫌だな。
B:求められる形に完成度高く合わせるか、j-hopeくんのように自分の話をさせるか。
A:それにしてもかなりj-hopeくんはMAMAの中で特殊だったと思うけど。
C:みんながアイドルに求めるものと、j-hopeくんが表現したものは、そこにはギャップがあるのかな?アイドルに求めるものと、j-hopeくんを知ってる人がj-hopeくんに求めるものは一致してるのかな?
B:見たかったのはこれじゃない…と思った人がいたのかもしれない、ということね。
A:でも間違いなく彼の出自はアイドルで、アイドルを続けてきたからあの表現になっているわけで、地続きなんだよ。つまり…。
C:「アイドル」の表現はそもそも、制約がすごく多いということだよね。
A:がんじがらめだね。そこから逸脱したものを受け取る準備の、ある人もいれば、ない人もいる。形式美だよね。様式美。かなり厳格な。厳格対位法。
C:厳格対位法は違う。
A:今回のj-hopeくんの何がすごいって、立ってるだけですごい発してるんですよ。訴えてる。半端ない存在感。貫禄。それがあなた、歌ってごらんなさいよ!
B:結局、どの表現にも嘘がないことが、表現の強さの根拠なわけか。やらされてるものが何一つないわけじゃない。
A:それが、他に誰もいないよね。全て自分のディレクションだぜ?音楽も、歌詞も、ステージの演出も。MAMAに出演しているアイドルで唯一、ダンスの「このポーズでスマイル」「ここで睨んで」とか与えられた指示が何一つないステージを、自分から発して表現している人。自分が表現したいものの決定権を全部自分が持ってる人。それでいてどれもこれもレベルが高い。
C:誰にもは出来ないことですからね。
A:あ…!あ…!IVEさんを見てずっと何かを思い出しそうだった…!…日本舞踊に似ている。
C:型なわけね。動き、表情。それが洗練されてると。臓物の中身はいらないと。
B:コンセプトが違う。
A:そもそも求めてないんだよ!そういう主体性を!
C:会社が発するオーダーに高く応えられる。
B:「王冠系」の完成形が、昔から今に続くひとつのアイドルの王道のゴールだね。
C:見て分かりやすい。
B:誰が見ても綺麗で可愛い。疑問の余地なし。
A:アイデアを生むとか、出されたアイデアを統合するとか、それに人を動かす説得力があるか、ディレクションにはそういう能力も必要だけど、ビハインドにもあったように、物理的に時間がたくさん取られるわけよ。パフォーマーとして以外にやることがものすごく増える。それをマネージし尽くせるかって、また別の問題がある。
B:かつて出演もする演出家の演出助手をしてたからね。
A:ぶっちゃけ周りも1・5倍時間かかる。自分のシーンはモニターしてから指示出すから。ついていきたいと思わせる人間力も必要ですね。
C:一線を画す。
A:だから次元が変わったと言うておろう…。だからアイドルの定義を超えてるんだよ。

B:改めて、MAMA全体見てどうでした。
A:j-hopeくんめっちゃ歌上手い!安定感ぶっとい!でも受賞するアイドルは本当に上手かった。録音かと思った。
C:歌の話をすると、ああいうなんて言うの?K-POPに特有の、プリボーカルみたいな…。
B:ガイドボーカルみたいのがあらかじめ入ってるね。
C:j-hopeくんはそれを、効果のように使ってたのが新鮮だった。
B:ガイドボーカルって、クラシック畑とかアコースティック畑とかロックでもいいけど、そこから来た人からすると「惜しい…」と思ってしまうんだよ。「邪魔…」とか…。大分慣れましたけど。
C:だからそれが、今回とてもポジティブだった。ハモリみたいな感じで。音楽的にプラスの意味があった。
A:興味深かったね。「いいじゃん!」って。
B:あとピカピカのハイヒール、綺麗でしたね〜。
A:攻めてたね〜。
B:攻めてたか?でも唯一のビジュー的なものが、あのハイヒールだっただけに、すごくきれいな靴でしたよ。
C:確かに。出演者の中で最もミニマルだったのかも。
A:黒。素肌。ネックレス一本。
C:本人の存在感で勝負だね。
B:地力があるから頼らなくていいんですよ。
A:でもめちゃめちゃ良さそうな生地だけど。
C:j-hopeくんはそこらへんの生地の服は着ませんよ!
B:【MORE】の演出で余計にだけど、あの会場のセリの四角いステージ。あれ、j-hopeくんのために四角かったんじゃないかってくらい、曲のコンセプトに合ってた。
C:忖度したのか笑
B:まーもちろんそんな訳ないと思うけど。「だったらこう使う」っていうアイデアが一段抜けてたんじゃないかと。
A:曲のセットリストが、ああして聴くと壮大だったわ。
C:すごく良かった。ドラマだった。
B:蓄積されていくものがあるから、一人の人間から生まれるものがドラマになるんだよね。素晴らしいね…。と、そこからの【Future】だもん。焼け跡が緑になるんですよ。新しいものが芽吹くんですよ。苦しいものが蓄積されたって、嬉しくないと思います。あの燃え盛ってる状態って、嘘ないと思うんですよ、彼の心象風景で、どこも誇張してないと思う。
C:だから余計に感動するんだね、緑で。
B:セリの四角いステージのゲートも、パネルが仕込まれてて緑の絵が入るの。あれ綺麗だったわ。細部も抜かってない。

C:j-hopeくんの話しかしてないんですが。
A:わたしは、他にもあるけど、「内臓系」は「BLACKPINK」さんがそうだと思いました。公式に入ってなかったけど受賞されたので【Pink Venom】のMV見たの。
B:今まで数曲しか聞いたことないね。
A:曲終わりの「La tatata」をああいう情報量で歌える人たちは「内臓系だ〜!」と。
C:個人的には…NiziUが…胸が痛かったでしたね…。
B:なんだかすごくお金かけてもらえてない風に見えたわね。
C:まあ、ダンスがとか歌がとかは、置いておいて、日本の特色を出すために和太鼓は止めてくれ…と心の底から思いました。
A:鼓童!
C:鼓童は鼓童だから良いのであって。もっと、こう…日本の特色といえば、あるでしょう!ジャポニズムといえば…それは、複雑なコードチェンジではないだろうか?
B:個人的意見ですね…。
C:最近見たんですよ。米津玄師さん新曲出したじゃないですか。その本家を聞く前に、わたしは絶対音感がある人が耳コピするっていうYouTube動画を見たんです。これ。

C:そしたら作曲がKing Gnuの常田さんだと知って。
B:米津さんもコード進行たいがいアグレッシブだけど、常田節だった。
C:この動画むちゃくちゃ面白いの!わたしには絶対出来ないですけど、音楽やる人がこう、コード進行を楽しんでるんだよ!ってのが、よく伝わると思うんだよ!
A:でも本元を聴くと、そんな複雑なことが起きてるとは思わないよね。
C:そうそう。それでこちら。この楽曲のライブ映像です。

C:これは、こちらのがよほどアイドルではありまぬか!?!?!?
B:NiziUより?
C:そして、わたしはこれを「やっほ〜〜!ザ・J-POP〜〜〜!」と思う訳です。そんで米津さんと常田さん二人の対談まで見ちゃって。2倍速で。そしたら「モーニング娘。」の歌詞使ってるんだって。【そうだ!We're ALIVE】という曲の。
B:つんく♂さんすごかったからね。
A:モー娘今見たら「内臓系」だな。
B:内側を出してる。
C:結局さー!女の子って、すごーーーくいろんな面持ってると思うんですよ!!つんく♂さんは女子たちの色々を出そうとしているのがよく見えた。だからわたしは、個人的には、すごく綺麗な完璧な一面二面だけ出されても、それは芸として見事なんだけど、「女の子はそうじゃないだろう!」って思っちゃうのかもしれない。女子校出身だし。裏があるだろう、裏が!その微笑の下はどうなってるのかな〜〜〜!?このいじめっ子〜〜〜〜〜!と。
B:歪んでますな〜〜〜〜〜〜。
A:その中にあってBLACPINKは自分の中の使えるもの全部財産って感じがするね。だからニュアンスが強いというか濃いというか複雑さがあって、それが美しい。
C:だから「王冠系」のチームにあっても、ちょっと表情とか、「内臓系」だと、目ががりっとひっかかりますね。
B:ほっとするんや。
C:あ、サラミ(人)や…と。AIやない…。と。


A:ところで、そんなことよりわたしは今回、超、重大なことに気がつきました。
B:これはj-hopeくんの作品を見て、そのおかげかもしれない。
C:他の人たちの作品も見て、その対比を見たのもあるかも。
A:以前、Twitterで「ジンくんは「ファン」と「ARMY」を使い分けてるのがさすがだ」というような内容のツイートを見たじゃん。
B:その時はあまり意味が分かってなかったね。
A:そう。あんまり気に止めてなかった…というか、「そうだったかな?そうかも…」「そういえば…」
C:その時点で小さいハテナがあったのかも。「…なんで?」
A:MAMAの受賞で、j-hopeくんや、電話越しのジンくんが「ARMY」と言ってるのを見て、「あ、わたしはファンだ。ARMYじゃない」と。
B:腑に落ちた。
C:ARMYとファンの違いが。
A:ARMYは、記録を作るために時間を使って行動してきた人たちですね。
B:お金も使って。そうじゃない愛好家と比べて、それをしてくれる人たちにメンバーが特別な感謝をしていない訳がない。
C:うちもお店やってるから。毎週来てくれる人の隣で、たまに来る人が自分の店面されると、ちょっと違けど…っていう感あるよね。
A:ARMYは、BTSと、セットで動いて実現できることを目標にしている、チームなんですよ。グループワークなんですよ。そもそも彼らのいる世界が。
B:そこにわたしは参加していない。
A:わたしは楽曲の愛好家だからです。それがどういうことかというと、例えば再生回数は、純粋に聞いてくれた数がこれだけあったと思いたい、と根っこのところで思っちゃう。
B:回した、それがカウンターとして、モノとして扱われたら苦しい。
A:それを聴きたい人が何かを受け取った、音楽の命が生きた数だと認識したい。そうしないなら、わたしの中の何かが死ぬんです。
C:だから成績の世界に共感しない。
A:共感しないというか…尊重するけど、コミット出来ない。だって自分が好きな曲にチャートの順位は関係ないし、そもそもヒットチャートに入る曲が好きになることがなかったから。まったく関連づいていないんです。だからARMYとBTSの関係…ものすごく当たり前のことを言ってるだけなのかもしれないけど…初めてちゃんと理解した。
B:知らないロジックの世界だったから。知らないということについて、はっきり知ろうとせずに、自分の知ってる音楽のあり方で聴き続けちゃった。
A:そう。だからわたしは「ファン」だ。
C:プロフィール書き直さなきゃ。
A:書き直さなきゃ。
C:「ARMYか?ARMYじゃないのか?」って思って悩んだ時があったからね。
A:だから「ペン卒」という概念も分かった。
B:この「ペン」は「ファン」じゃなくて、このグループワークを抜けるということなのね。
A:ものすごくエネルギーのいる、人生の一部を使ったワークだから、しんどいし負担もかかる。「そこから降りる」のは、生活も変わるし、覚悟もいるし、交友関係も変わるし、宣言もいる、というのは、わたしは全く違和感がない。
C:「ファン」と「ペン」は違うと。
A:違うということが分かったわ。みんなそういうつもりで使ってないと思うけど。「ファン」であるわたしは、「ペン」の皆さんみたいに、持ち出してない。
C:受け取ってるだけだね。恩恵を受けてるだけ。
A:そう。だけどその代わり、仮にj-hopeくんがアイドルの形式を外れても、わたしにとって価値が損なわれない。ここが違うところかもしれない。
B:こだわってない。彼がアイドルの形式を使うかどうか。
C:それを自覚したわけね。今回の彼を見て。
A:写真が同梱されたり、グッズがあったり、セルカがあったり、しなくても、彼の作品の聴き方も見方も変わらない。変わらないというか、最初からそれを外した「音楽」とか「パフォーマンス」が一番中心にあって、それ以外のものはアクセサリーみたいな感じで、そもそも重要度がほとんどない。
B:ARMYじゃなかったね。
A:ファンだった。すっきりした。
C:ジンくんの「ARMY」の響きが特別だったね。
A:すごくしみじみ聞こえた。表に出る活動がない彼を表彰させたことで、関係性がすごくくっきり見えたみたい。いつも見えてる相互関係がなかったので、彼の受け取ってるものが、わたしにはハイライトされて見えたんだな…。すごい関係性だよ。改めて。


C:さて。今回3人で初めて長く喋りましたけどどうでした。
B:これ文章としてどうなんだろうね。
A:大体こんな感じでいつも頭の中なってるからね。リアルでいいと思います。これを平らな文章にいつも書き換えてるから。
B:いや〜〜。発見あったな〜〜。清々しい。
A:だからむしろ、もしかしたら、ソロ活動に入ったことで、「アイドル」テイストが大分抜けてるじゃん。それはわたしにとっては受け取りやすいのかもしれない。無意識レベルで「…」と口に当たる何か、が、ない。
B:「アイドル」にはみなさん、常識的な、モラル、一般人としてロールモデルを求めるじゃないですか。人として見習えるような。
A:彼らふつーの人じゃないから。
C:うん。ふつーじゃない。
B:でもアイドルでいる限り「ふつう」を求められるよね。全部が「ふつう」の範囲に収まってるって、それはつまり最高ってことだけど。
A:それはこのグループワークを続ける条件なんだよ。このグループワークはすごく偉大な目的を持ってるし、実際に機能してたくさんのことを実現してきたよ。
C:たとえソロになっても、生涯そこから離れることはないんだろうな。アイドルとして「ふつうさ」を期待する人たちのグループから。
B:ただ、ふつうの人が立てないってことを皆んなもっと知ってほしいって思っちゃう。ふつうの人は、MAMAのステージ、セリの中央、あそこに立ちたいと思わないんだよ。ふつうの人はあそこに立っても成立しない。立ってられない。視線の圧に飲まれて。照明に押されて。防御の意識になる。そしたらもう体を開いて地に足つけて立てない。
A:まあね。立てたらその人は素質があるわ。
B:ふつーの人のように見えるだけで、全然違う!全然ふつーじゃない!ふつーなわけないから!だからふつーじゃないことにびっくりしないで欲しい…今さら…。「ふつう」の感覚がみんなとアイドルを繋げてるのは分かるけど…。
A:ふつうじゃない部分を尊重して欲しいってことね。
C:逆説的に言えば、常軌を逸したものがある人のみが、あの高みにまで登って、その高さにいることに耐えられる、さらに言えば楽しめるのだ。と。
B:必須不可欠なのに。それが今の彼らを作ってるんだよ!と。
A:ルールとか概念とか、思考が作ってる規制を、切ったり捨てたり貼ったりできる自在性とか、それを受け入れられる感受性の柔軟性が、トップにいる人にはすごく要る。
C:逆に無いと苦しむからね。
B:ふつうの感覚の人ならとっくに続けられなくなってる。常軌を逸していることがつまり彼らを窮地からいつでも生かしているんです。

ねえ、いいの
彼らにふつうを求めたら、
芸能人はできなくなるよ

B:小学校のポスターの標語風にしてみました。
C:分かった。辛いのね。
B:辛い…。
A:分かりました。ありがたがりましょう!もしもアイドルのMADな表現を見たときは、「これこそが、彼らを成功に導いた、必要不可欠だったものか…!」と。
C「これぞこれぞ」「おお…ありがたい…」
B:よろしくお願いします!!!


それでは、また!





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