見出し画像

ソクジンさまの「美」の無駄遣い

BTSのジンくんが出演した『特に準備したものはないけど』、楽しく笑って、見終わって幸せな気持ちで布団に入ったのに、まさか自分が眠れないとは思わなんだ。目を瞑ると脳裏にこのバラエティのいくつものシーンのジンくんが止めどなくフラッシュバックして、

全然寝付けん…。

見たことのないジンくんがいっぱい見られて、わたしにはとてつもなく刺激が強かったのか…。

胸が痛んだこのシーン、

「なぜ友達がいないのですか?」に「負担になると思うから」と答えて、

そうか…それが理由なのか…、それ…

が?理由?

う…ん…?分かるような気もするが、申し訳なさそうにすごいことを言っているな。でも切なそうな表情に、きっと冗談抜きで実際に「負担」は深刻なんだろうと思われ、しかしこんなに魅力のある人だったら、負担を超えて友達になれる人はいくらもいると思うけれど…。

結論から言うと、ホストのヨンジさんは収録終盤に酔い潰れてしまうのだが、そもそも彼女が結構な勢いでアルコールを摂取していたのには「私は今お酒のせいか分からないけどあまり負担にならないです」、つまりそこそこの酒量ではジンくんのスーパースターオーラを意識せずに自分の自然体を保つのが難しかったかもしれない訳で、威光と美の敷居を打ち破り、彼とオープンに話し続けようとし続けると、最終的にはリバース、そして10分で就寝、

こ、こりゃ…大変どころの負担じゃねーな…!!!!

これがジンくんの美の破壊力か…。

別にステージや撮影時のように振りかざしてなくても。

人を素面じゃおかさない。

恐るべしWWH…。

最後のエンディングのコメント、目が座ってますがジンくん、ちゃんと正気を保って理路が整然としていて、素晴らしいですね。パクチーがゲストのコミュニティラジオを飲んで最終回の収録をしたら、終盤、句点の無い長文が一息でまとめられんかったで。

以前舞台の仕事をしていた頃、し始めの時に、「本番の舞台上で絶対酒を飲んではいけない」と言われました。スポットライトの熱と、本番で意識が高揚しているせいで、すぐに酔いが回っちゃうんだそうです。番組の収録の場合だと、それがどうかは知らないのだけれど、似た様な要素はあると思うんだが…。

韓国の方は、でも基本、お酒にすごく強そうですね。ジンくん「僕は大丈夫」って言ってるし…。

こういうゲームだったか…、手、いいな…、手…

しかし際どいものを天秤にかけた、体張った番組だな…!というか改めて、出演したジンくんも、許可したHYBEも、色々冒険したな…!

ところで。

自作曲「スーパーチャムチ」がかかって以降、大分顔から力が抜けて、するすると言葉が出てくるようになった風に見えるジンくん、

「ファンの方々が見たい姿を見せたいというマインドがあるから(パクチー訳)」。以前にも語られたことのあるこの彼のポリシーが、ここでまた語られるのを見て、「ファンに見せないことにしている自分」の中にあるものと向き合うことが、今彼のテーマとして結構あるのかなあ…という気になった。


ソクジンさまの、「美」の無駄遣い

と、ここでタイトルです。美の化身ソクジンさまは、割合自分の美をぞんざいに扱われることがある。

[BANGTAN BOMB] Hotteok Time During Break - BTS (방탄소년단) より

ジンくんのセルカの撮り方がすごく適当だ、と言うRMくん。

パクチーが眼から鱗だったのはこれ。

結構前のVliveですが、こんな理由で髪を切る人がいるんだって、初めて知ったよ…「上がりすぎたプライドをへし折る為」(←こういう風には言ってない)。後日、埼玉のホテルのパスタに味の素を使っていることがジンくんにバレてしまうこの動画では、

BTS Live : 잇진 🤣🤣

彼的にはチョッパーバングは良くなかったらしい。つまり目的は果たしたってことなんでしょうか。すんげ可愛かったけどね…。

そして、2022年の久しぶりの公開収録に出勤するジンくん。

(출근) 방탄소년단(BTS), 음방에서 탄이들을 볼 수 있다니... (뮤직뱅크 사전녹화) / KBS 'MUSIC BANK' 22.06.10

わたしはこの写真を見て、「昼間せっかく買い物に行ったのに、夕飯を作っている最中に買い忘れに気付いて、部屋着で下層階の高級スーパーに醤油だけ買いに来た、タワーマンションに住むセレブ」、のようだ、と思った(これが句点の無い長文だ!)。このハイブランドの残念な無駄遣いっぷり、正に正真正銘のセレブっぽい…!

パクチーはかつて、イケメンが苦手だった。

それは一言で言うと「不信」だ。これは…なぜだろうこの根深い不信…イケメンに何をされた訳でもないのに…と思った時、男性に対してピュア(?)だったパクチーが、たったひとりと真剣に男女交際して、真面目に破局したきりの20歳が、片足の小指だけ突っ込んだ芸能界で「ルール無用Fight」を見聞きしたことが、実はかなり深く衝撃を与えたのかもしれない…と思い当たった。

「美」はパワーなのか。魔法だ、魔法。頭を地面に擦り付けて全身言うことを聞かせてしまう魔法。ただでさえ強い魅力の「イケメン」が、さらに「才能」「ステイタス」「財産」なんかが掛け算されたとき、自分の全てを捧げて、自ら以上のものを棒に振りまくってる女性というのが一定数常時おられ、どれだけ破綻した人格も、彼女たちの渾身の献身が負の要素をマスキングしてしまうことで、問題が表面化しない。「俺はそれでいいんだ」ってなっちゃってる。

これがクズというやつか…!小説とかで見たことのある…!

イケメンの、女性に対する許容範囲は狭くないかい?彼らは自分のセルフイメージを、体裁を傷つけられると、紙くずを見るような視線を、女性に向けて来ません…?イケメンのアイデンティティの置き方とは、複雑な形に高く、複雑に低いのであろうか。彼らが温かく接してくれる時、それはハロゲンヒーターのごとき暖かさで、首振りの向きが変われば熱は瞬時に抜ける。その温度差が怖い。許容範囲からはみ出した女性に対する目つきが怖い。イケメンは基本、イケメンのマスクの下に隠されているものと向き合うことを求めていない。

でも、イケメンにはイケメンの苦悩があって、それは無理もないことなのかもしれない…。イケメンゆえに、発情した女子2人がかりに屋上で骨を折られて腕から骨がはみ出たり(小学生の実話)、イケメンゆえに、未成年ですでに「女はプロでいい…」となったり、そりゃトラウマになるか…と無理からぬバックグラウンドが、みんなみ〜んな、あるのかもしれない、が、

「女性を同じ目線に置いていない」という、そこはかとない自覚、無自覚の女性全般に対する憎悪、

それが怖かった。

優れた美とは、絶妙な均衡の上に成り立つものなのだろうか。

そんな思いがあってか、イケメンに少しの歪み、綻びから「素」が見えると、それは美に致命傷を与えて、わたしの中でそのイケメンは「見ておれない、不憫な者」に格下げされてしまう。ほんの些細な、本人の意図しない、コントロールから外れた表情、ふとした弾みでとった姿勢、面で見れば一瞬の小さなズレなのだけど、そのギャップは「普通の人」を通り越して「残念」、その落差はイケメンがイケメンであるほど大きい…。

…360°全方向でイケメンであることなんて、そんなことなんてないんだ…。

と、そんな20代を送ったパクチーが、BTSを好きになってジンくんを見始めた時、やはり一番苦手なのはジンくんだった。イケメンの均衡が崩れる瞬間を、面が割れた時にその下から見えるものを、見たくない、と思ってたのかもしれない。

ところがどっこいしょ、

積極的に割ってくるのである、この方、このイケメンは…。

目をかっぴらいてラップ調で怒ったり、甲高い声で大笑いしたり、注目されると耳を真っ赤にしたり、親父ギャグで隙間風を吹かせたり、ほっぺたぱんぱんにご飯を頬張ったり、弟にいじられて少々ダサかったり、上手くいかなくてみっともなかったり、その時その時で等身大の彼自身を、「イケメン」のマスクの下に覆い隠さずに、むしろ自分の「イケメン」をぞんざいに扱うことで、決して気持ちよく見せたいと思われないようなものまで開示してくれていた。

全ての短所を覆い隠すことも出来る強大な「美」を、彼はそういう風には使わない方向でいてくれた。

対面する人をドランカーにする自分の「美」を、彼はそういう風には使わない方向でいてくれた…!

彼の持っている「美」以外のものが、ちょっとずつ成長していくさまを、彼は見せようとしてくれた。だからわたしは、少しずつ安心し始めて、彼を見て、全体として彼を見始めて、心のありように胸を打たれ、彼を全体として、自然に好きになることが出来た。「美」に首根っこ掴まれて振り回された訳じゃない。わたしは少しずつ自然に彼を好きになれた。

それは彼が、自分の中の見難い要素を、他人が喜んで見ないであろう自分も、ちゃんとよく見ようとする人だったからじゃないだろうか。それも自分の部分だと肯定して、愛情を向けて育てることができる人だったからじゃないだろうか。

実生活において、ジンくんは、自分の「イケメン」さを、持て余したりもしてるのかもしれない。彼がこれほどのイケメンじゃなかったら、こんな数奇な運命を辿る事はなかったろうし、アイドルにもならず、スカウトもされなかったろう。画面越しに見てるのと違って、同じ空間にいる人が「自分の人生全部差し出していい」と思うテンプテーションにかかると、いやほんと、でもこれって、実際、洒落にならんのだぜ…。

今やわたしは、全てのイケメンに対して、見方を変えることができた。わたしがジンくんを通して見ることができたのは、「イケメンであることは、その人の要素の一部だ」、という言葉にすると当たり前のことだった。「イケメン」がその「面」を、全てを覆い隠す万能なマスクとして使用しなかった場合、普通の人が自分の向き合い難い部分と向き合うこととは違った種類の、そこには難しさがあるのかもしれない、とも思った。

「女性を憎悪していないイケメンはいない」という思い込みは、すっかり無くなった訳ではないけれど、ずっと軽くすることが出来た。彼らの中に憎悪はあるかもしれないが、その自分と向き合って、憎悪を濾過して女性と接せられるイケメンもいるのか、と思えた。「不信」は個人に付随するもので、「イケメン全体」の問題ではなくなった。

「イケメンを生きる人は、このように生きていますよ」、ということを初めて彼を通して、少しだけ知見を深めることができた。わたしは無条件でイケメンに対して、不信と恐怖を持ち出さなくても良くなったのである。


ジンくんが自分に向き合って手にする破壊力

ジンくんが番組内で言っていた「ファンに見せたくない自分」。それは例えば「番組で悪口を言っている自分」だったりするのだろうが(←見たいけど)、彼は自分で言う「否定的な部分」、ここにフォーカスして、そこからエゴと真実を選り分けようとしているのかな…、という気持ちになった。否定的な部分にも真実はあるからね。それを発する自分の側がどこにトーンが合っているかによって、「否定的な部分」は真実に至る推進力に、なりもする。動機が否定的でも、目的があれば、言葉を言い換えてポジティブな効果を生む表現にだってなれる。

ファンに見せられる部分は、もう少し広くなれるのでは?

と、ジンくんが思っているのかどうかは分からないが、イケメンが、「見せたくない部分について考えている」ということ自体が、わたしにとってはものすごい、輝いている、希望案件なんすよ…。

あるいは、彼が自分の「否定的」な部分から「エゴ」をより分けて、それも自分の一部として見せられるものになった時、彼は自分の破壊的な「美」を、今よりもっと開示してしまうのかもしれない。

ていうか、釜山コンサートももちろん、最近公開されているプロモーション類、すごい本気を感じる…。

ここでコンバース…くっ…!芝生で鬼ごっこ出来ちゃう…!

パクチーは思ったんです…。

正しい人が、正しいことを言う。

これはパワーがありますね。

美しい人が、正しいことを言う。

これは…すごい…破壊力がありませんか…?もしも、お釈迦様、つまり「ゴータマシッタールダ王子」が絶世の美形だったとしたら、その美形に説かれる真理の破壊力たるや、ものすごそうだと思ったんですけど。いかがでしょう。

ジンくんが未だ開示していない「否定的な部分」には、破壊的な強度のある真理が隠されているのでは。

えっと、今回のnote、全体的に笑う回とのつもりで書いております。

あおいうえさんのnoteに、「彼はアーティストというよりエンターテイナーだよね」という記述がある。わたしは「本当だ、その通りだ!」と思ってはっとした。

彼は、自分の「美」を無駄に使うことで、彼が表現している全てをよく見えるようにしてくれている。でなければ、「美」の照度が眩しすぎて、他のものが、歌がどうとか、人格がどうとか、よく見えないし、どうでもよくなっちゃって、中身が見える前に頭がばーんってなって地に伏しちゃうから。

でも本当は、本質は彼の中にあって、彼が本当に持ち出して人々と交流したいものは内側にあって、「美」は、彼が持つたくさんのものの中の一要素だ。

彼は自分のイケメンさを、エンターテイメントの一部に嵌め込んで、自在に照度を落として扱ってくれている。これは、その他の要素、歌、表現、ダンス、トーク、人格、機転、何もかもが、エンターテイナーとしての充分な実力があるから可能なことで、これは彼がゼロからじっくり育ててきた力だ。実際のステージにおいて確固とした実力と魅力があるからこそ、彼は自分の美を、面白くも使えるし、耽美にも使えるし、芸術的にも使えるし、ギャグにも使えるし、残念にも使える。わたしたちは彼の美を、たくさんある彼の魅力の中のひとつとして、気を楽にして楽しめるのである。

エンターテイナーとしてのジンくんの形。

新曲シングルの発表を控えて、さまざまプロモーションがなされていますが、誰か、プロモーションのシナリオを書いているライターがいるのかどうか、彼の熱い情熱を感じました。

これまでに無かった形の、彼の「みんなを楽しませたい」という情熱が元になって、ある世界観が構築されている今回。

新曲のために新しく生まれたキャラクター、ウットくんのinstagramの、ウットくんのコメントを見たりしていると、わたしはすごく、パチパチと脳内が刺激されるんですけど、今回のプロモーションは、彼が言わずにいた、言いたかったことの言い方として、彼が生み出した一つの手法なのだという気がした。

『0rr3; 0rr3;』。

彼が作り上げたこの世界観を、とても愛おしいと思う。

よく見たらそばかすついてた!

それでは、みなさま、また。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?