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/{yellow note》-o6:on your mark

マークをつける。
ぼくがここにいるよ
生きてるぜ
という。
マーキングという。
今月何人の女の子と寝たぜ。
ナンパしたぜ。
深夜のパーティ。
連日のようだぜ。
出かけて行って
マーキングして
それを成し遂げた自分にほっとする。
何者でもない不安。
飢餓感。
身体のうずき。
心の渇望。
乾きはひりひりして
すり切れて血がにじんでいるのに
潤いを求めてこすりつけ
皮が剥けてまたひりひりして
瑞々しさを求めて
もっとナイーブな
より純情なものに
一生懸命手法をつくしてこすりつけて
また皮を剥く。
やめろよ、愛が欲しいんだろ。
快楽が欲しい訳じゃないんだろ。
最も個人的な
最もプライベートな
最も代わりのない部分を
花のように繊細に扱い
慈しんで
自分が他の何者でもないことに安心したいんだろ。
今自分が
自分のプライベートな部分を
自分自身が
ゴミのように扱っていることに
気付けよ、相棒。




fin

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