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リニューアルした国立西洋美術館へ行ってきた!

前回のゲルハルト・リヒター展でもちょっと書きましたが、9月11日まで国立西洋美術館で開催されていた"自然と人のダイアローグ"展に行ってきました!平日にも関わらず、こちらもたくさんの人が観に来ていました。私はリヒターの絵がどういう絵なのか、ということと、リニューアルした館内で常設展が観たい、という主に二つの理由で観に行きました。

"自然と人のダイアローグ"展自体は100点ぐらい展示がありましたが結構人が多かったので、これは、という作品以外は留まらずにささっと観て進みました(ゲルハルト・リヒターの《雲》こそ立ち止まって観ましたが)。というわけで結構あっという間に観終わってしまい、よし、このままの勢いで常設展へGO!と思い会場を移動したらそこからが長かった…!常設展の会場、どんだけ広いんだ!!と思いました。もう最後の方は二部屋ぐらい観るのを諦めました(笑)

そんな中でもいくつか心を動かされる作品に出会えました。まずはこちら。マリー=ガブリエル・カペという女性が描いた自画像。「私ってキレイだし才能もあるしすっごいんだから!」って感じの自信満々な表情をしています。この絵を観た時になんとなく「あれっ?」と思いました。その時は気づかなかったのですが、今になってその時に感じた違和感の正体がわかりました。

おそらく男性がうら若き女性を描こうとするとき、どちらかといえば控えめに笑みをたたえていたり、ミステリアスな表情をしていることが多い気がします。ちょっと男性による女性の理想フィルターがかかってるというか、現実の女性なのに現実ではないような。なのでこんな風にリアルさを感じさせる女性の表情を珍しく感じたのかもしれません。あとこの顔の角度もあんまり見ないような?私はこの生き生きした表情、すごく良いなと思いました。

そして話題の作品、"フェルメールに帰属する"とされている《聖プラクセディス》。要するにフェルメール作かも?とされてるけどハッキリしない、という作品。

フェルメール作なのかそうでないかは神のみぞ知るわけですが、まあ誰が描いたにせよ、布地の質感や光と影の描き方が素晴らしいです!しかもフェルメール作だとしたらこれだけ近くで観れることもそうそうないと思うので、常設展に行ったら要チェック、の作品と思います。

そして私が常設展でいちばん心惹かれた作品はこちら。

この絵を観たときに一瞬フェルメール?と思いました。構図がちょっと似てるというか、だいたいフェルメールも部屋の中の誰かを描いていることが多い気がするので。それと光と影の描き方からなんとなくそう思ったのかもしれません。部屋の"シーン"という音まで聴こえてきそうな絵だな、と思いました。反対側にはバスケニスが楽器を描いた絵が飾られてあって、横の解説を見るとこの二つは"黙せる音楽"というテーマで飾られています、と書いてありました。なるほど!確かに。

こちらの絵、作者を見てみるとヴィルヘルム・ハンマースホイとあります。19世紀末に活躍したデンマークの画家らしい。さらに解説を読んでみるとフェルメールに影響を受けている、とのこと。やっぱりそうなんだ。でもフェルメールとはまた違った魅力があってすっかりこの絵の虜になってしまいました。こちらを向いていない画家の妻、イーダ。背中を向けていることが余計に静けさを感じさせるのかもしれません。もっとたくさんハンマースホイの作品を観てみたいな!と思いました。

というわけで国立西洋美術館、リニューアルしてさらに魅力が増した場所になっていました。楽しかったです!(写真は国立西洋美術館で撮ったもの)


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