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Xデザイン学校ベーシック年間総まとめ 〜サービスデザインのHow〜

昨年5月からスタートしたXデザイン学校ベーシックコースでの学びも、ついに終了しました。全部終わってみて、ようやく1つ1つのことが繋がって、自分の言葉で解釈できる部分も一部はできてきたので、集大成として、学びをまとめてみようと思います。

まず、最近の大きな気づきとしては、

ゲームチェンジが今求められている

ということです。

ベーシックコースが始まる前は「なぜゲームチェンジ?そんな大きなことは一部の人ができればいいんじゃないの?オレに必要?」という感じでしたが、いまは普通に「必要」だと思えるようになりました。以下のステップの中で、その理由は書いていこうと思います。

前々回のブログから、サービスデザインを行うステップを少し更新しました。

<STEP1>企業の変革の方向性を掴む
<STEP2>ユーザーの購買欲求の変化を発見する
<STEP3>ユーザーを可視化する
<STEP4>ビジネス(サービス)を構想する
<STEP5>新たに生まれた欲求実現シナリオを設計する
<STEP6>STEP1〜5を繰り返す

それぞれのステップでのポイントを考察していきます。

<STEP1>企業の変革の方向性を掴む

■実施の流れ
0.クライアントの既存市場の調査
1.ビジネスインタビュー
2.ビジネスモデルキャンバス作成
ポイント
・既存のアセットを正と負に分ける
・「これは負のアセットだ」と言い切る大局観を持つ

STEP1でのポイントは、クライアントの既存のアセットを正と負に分けることです。ただそれはそう簡単なものではなく、「このアセットは負だ」と言い切れるということは、「このクライアントはこのままでは10年後には立ち行かなくなる」と言い切れるレベルで、クライアントの主戦場である市場がゲームチェンジしていることを理解していなくてはならない。そのためには、大局的に、長期的な視野で物事が見れていないと難しいことだと思います。
なので、前提として、視座高く、視野広く、考える力が必要になります。

0.クライアントの既存市場の調査
ビジネスインタビューで的確な情報を引き出すには、ある程度、既存市場への理解が必要になります。少なくとも、既存市場の市場規模、推移、顧客ニーズ、競合、トレンドくらいは理解しておいた方がいい。その上で、多少なりとも仮説を持って、深くインタビューができる準備は必要です。

1.ビジネスインタビュー
その上で、ビジネスインタビューに臨みます。
ただ、今振り返ってみると、ネットでもわかるような情報を引き出しても意味がない。クライアントにとっても時間の無駄。なので、ネットでわかる情報から、ある程度ビジネスモデルキャンバスを作成して、クライアントや市場への理解を深めて上で、インタビュー項目を絞り込み、深く聞ける準備を行います。仮説も複数持ち、仮説をぶつけてみることも有効だと考えます。

そうすると、インタビューで理解したい内容としては、

・クライアントのビジョンやこだわり、信念
  →繰り返し語られる言葉に宿っていそう。
・ビジネスモデルキャンバスを完成させる上での不足情報
・準備した仮説の検証

そんなことが必要なのかなと思います。

2.ビジネスモデルキャンバス作成(as is & to be)

ここでas isのビジネスモデルキャンバスを書く目的は「クライアントのビジネスの本質を掴む」ため。書くことで、その企業のビジネスの流れが掴め、現在どんな価値を提供することで市場で勝ち残ってきているのか、どんなアセットが日々蓄積されてきているのかを理解できるようになります。

その上で、to be(あるべき姿)に向けた、ビジネスモデルキャンバスを描いていく。ここは現状、これと言ってこうしたらいいという方法論は思いつかないので、ひとまず3,4つくらいのビジネスモデルキャンバスを描いて、変革の方向性だけでも掴めると良いのかなと思います。

ここまでできて、次にユーザー調査に移っていく、そんな流れかなと思います。


<STEP2>ユーザーの購買欲求の変化を発見する

STEP1では、企業側の視点でビジネスの方向性を探りました。
STEP2では、顧客側の視点でビジネスの方向性を探っていくステージになります。

ここが自分でできるようになりたいと思ったこともXデザイン学校に通う目的の1つだったので、ここは深く考えてみました。

■実施の流れ
3.定性調査でユーザー動向の情報収集
4.情報分析で新たな着眼を得る
5.インサイトの発見
■ポイント
・キーワードは「広く、その後、深く」
・まず、場のルールを掴む。
・場のルールの仮説を立てると、違和感のあるユーザーの行動に目がいくようになる。そこをエスノグラフィックインタビュー、デプスインタビューで理解を深め、ルールへの理解を深める。

3.定性調査でユーザー動向の情報収集

定性調査の方法は、以下3つ。
・参与観察(エスノグラフィ)
・行動観察(フィールドワーク)
・インタビュー(グループ、デプスなど)

参与観察もいつかやってみたいですが、まだ未経験なので、割愛。

行動観察の流れ
① 場のルールを掴む
② 違和感に問いを立て、インタビューを行う
③ 違和感を解消し、ルールの理解を深める


「場のルールを掴む」とは、その場のルールの全体像を掴むことであり、繰り返し取られているユーザーの行動を掴むこと。それを掴むためには、個々の行動に注目し過ぎないことが大事です。

俯瞰的にユーザーの行動を見ながら、自分のフィルターを通さずに、あるがままに見る。そのためには、まず慣れないうちは、とにかく勝手な解釈を入れずに、事実情報をできる限り多く集めることが重要だと思います。

少し慣れてきて、場のルールが掴めるようになってくると、そのルールからは外れているように見えるユーザーの行為に問いが立つようになるはず。そうすれば、その人にインタビューで深掘りする。そうすることで、より場のルールへの理解が深まっていくと考えています。

4.情報分析で新たな着眼を得る
5.インサイトの発見

情報分析の手法
・KA法
・価値マップ
・パターン・ランゲージ
・上位下位関係分析

次の段階は、フィールドワークやインタビューで得た一次情報を元に、分析を進めていくステージになります。

分析手法は様々ご紹介いただきましたが、この分析手法を使う過程で重要なことは、

・概念化
・二軸四方(新たな切り口を見つける)
・カテゴリ分けではなく、価値でグルーピングする
・とにかく手を動かしながら考える

です。

この中で、今後自分にとって重要だと思うのは、「とにかく手を動かしながら考える」姿勢です。

「基本すぐ手が止まる。悩む。そして正解探しに走る。」それらが自分のこれまで染み付いている姿勢ですが、ここから脱却していかないといけない。

つまり

自分の思考プロセスの中にデザイン思考を習慣化させることが重要

じゃないかと思いました。「考えてから良い意見を言おう」ではなく、「とにかく思いついた意見を書いてみる」「色んな軸で分けて見る」「ビジネスアイデアも一旦ビジネスモデルキャンバスで書いてから評価する」など。そうすることで、新たな発見が得られる可能性もあるし、チームでの議論であれば、そこから他のメンバーに気づきを与え、他のメンバーが閃くかもしれない。そんな創発的なプロセスを自分で思考する時やチームで議論する中に、組み入れていく必要があるのではないかと今は考えています。ここの習慣化にはもっと意識的に取り組んで行きます。


<STEP3>ユーザーを可視化する

■実施の流れ
6.ペルソナ作成
■ポイント
・構造化シナリオのためにペルソナをつくる

ここでは<STEP2>の分析を用いて、ペルソナを明確化します。ペルソナを明確にする目的は、<STEP5>のシナリオの中を、この人物像が動いた時に、おかしなところがないかを確認するため。だとすると、<STEP5>での検証において使えるレベルの情報が必要となります。

なので、

<STEP5>を意識して、ペルソナの粒度を決めていくことが重要

ということかなと思います。つまり、いまあるペルソナのフォーマットを埋めるだけの作業にならないように、必要な情報を考えながら、ペルソナを設定することが必要です。


<STEP4>ビジネス(サービス)を構想する

■実施の流れ
7.ビジネス(サービス)を構想する
■ポイント
・技術からサービスを構想しない
・あるべき姿を描いてから何ができるかを考える
・ビジネスの収益性・実現性とユーザーニーズのバランスをとる

ここについては、今は語れるほどノウハウはありません。とにかく大量にビジネスを構想してみる必要があるのかなと思います。

ただ、講評で山崎先生が仰っていたことは「技術からサービスを構想しない」「自分自身が体験的に考える」ということ。常に知的好奇心を持ちながら、日々過ごすこと。その上であるべき姿を描いていくこと。そんな姿勢が大事なんだと理解しました。ここはXデザイン学校に通うようになってから意識的に行なっていることであり、「迷ったら新しい体験ができる方を選ぶ」姿勢を日々培おうとしています。

あと、そういえば、ちょっと引っかかっていたのは、先生が「ペルソナよりシナリオが大事。ペルソナは古い。」という言葉で仰っていたかは定かではないですが、そんなニュアンスのことを仰っていた印象が残っています。

その言葉を改めて考えてみると、ペルソナにこだわりすぎると、サービスが小さくなり過ぎる可能性もあるのかなと。まさに今回の自分たちが発表したサービスのように。

ペルソナも、特定の人に入り過ぎないように、定性調査から得た情報を元に概念化して捉え直さないといけないのかなと思います。そういう意味で、ペルソナよりシナリオが大事、という意味なのかなと今の所、解釈しました。


<STEP5>新たに生まれた欲求実現シナリオを設計する

■実施の流れ
7.構造化シナリオの作成
8.ストーリーボード、ワイヤーフレームの作成
9.ウォークスルー評価
10.オズの魔法使い
■ポイント
・小説のように物語を描く。ペルソナを矛盾なく動かす。
・アクティビティシナリオとインタラクションシナリオを分けて書く

ここでは物語を書きます。設定したペルソナの人物像が、自分のあるべき姿を獲得するまでに物語を描いて行きます。

大事なことは、「この人、そんなことしないよね?」とならないように矛盾なく描くこと。小説でも漫画でも「このキャラクター、そんなこと言わないよね、やらないよね」と読者に思われたら、その世界に入り込めないのと同じ。

物語を描き、自分が設定したペルソナは本当にそう動くのか?そんな自分たち都合でペルソナを動かさず、リアルを追求すること。そのあたりが物語を描いていくセンスだと考えます。

ちなみに、構造化シナリオを書くところまでは良かったのですが、その先のワイヤーフレームを書くことは、やっぱり苦手というか、途中で飽きちゃう自分がいました。このあたりはやはり向いてない。デザイナーのみなさまのお力を借りる領域だなと感じました。

<STEP6>STEP1〜5を繰り返す

意外とここが一番重要かも、と思えてきました。

おそらくどんなに熟達してきたとしても、一発で良い解にたどり着くことは少ないんじゃないかと思います。ゲームチェンジの事業を構想することはそんなに易しいことではないから。

なので、

ここまでのプロセスを何度も何度も書き換えながら、よりピッタリくるサービスを考えること。そんな粘り強く、何度も修正を続けられることがUXデザイナーに求められる資質

かなと思いました。

<その他>
全10回を通して先生が仰っていたことの中で印象に残った言葉の、現時点での自分の解釈を書いておこうと思います。

■「教養が大事」

先生から年間通して繰り返し「教養が大事」とのお話を頂きました。

では、教養とは何か?
これまでは「知識が豊富な人」と漠然と思っていましたが、おそらくそうではないと思います。二軸四方で考えてみると、

      情報入力
         │
  経験 ─ 教養 ─ 書籍
            │
      情報加工 

こうなんじゃないかと今、考えています。
インプットする情報は、書籍などの文字情報だけでなく、経験からの生きた情報も必要。そして、単にインプットすれば良い訳ではなく、情報を加工する技術(類推、概念化、大局観、関連づけなど)を駆使して、自分なりの着眼で物事を語ること。これが教養ではないかと思いました。

その点、先生は、インプットの広さだけでなく「そこでその切り口から説明するか」という関連づける力によって「話が面白い」に繋がっているんだろうと解釈しました。また懇親会でも発揮されていた「どんな話も拾って、広げることのできる教養の広さ」は正直驚きました。このあたりも大きな差だなと感じました。

人材育成に関わっている分、私自身も教養を磨いていかなければいけないと考えさせられた1年でした。

「必殺技を捨てる」

懇親会にて、ヤフーの日野さんに

「うまくいき始めたらやばいと思え」

と教えていただきました。それが「必殺技を捨てる」ということ。

どうしてもうまくいっていると、それを手放したくない。しがみつきたい。でも、それはゲームチェンジしなくてはならない企業と同じ心理状態です。

常に1つの成功に固執せず、変化し続ける。プロとしても、UXデザイナーを目指す人にとっても、重要な姿勢なのかなと思いました。

まさに自分もいまそんな状態に踏み込みつつあるので、思い切って動きを変えていきたい。自己変革を成し遂げて行こうと思った最終回の懇親会でした。

あとは、自分自身もビジョン次第ですね。結局「どうなりたいのか?」「どのレベルを目指すのか?」その視点から考えてみて、今の成功がその実現を邪魔しているのであれば、さっさと捨てるべきだな、と思いました。



■個人的な変革

今回の講座を通じて、最も大きな変化は「公式当てはめて解決思考」から「自分独自の公式を構築思考」へと一歩踏み出せたことでした。

精度は甘いですが、自分で思考を深めて、自分なりの解を見つけていこうとする姿勢の重要性に気づき、少しずつ頭の使い方が変わってきていることは、この36年の人生でも大きな変化だったんじゃないかと思います。本業にも良い影響を与えてくれています。そういう意味でも、先生やチームメンバーにはすごく感謝しています。

そもそも、こんなに長くブログを書く行為をしたのも初めてです。

ただこうして書いてみて、はじめて理解できることはあるんだなと気づきました。頭の中で「お!これは発見だ!」と思って書いてみると、全くダメなことに気づいて消したり、「ある程度理解できたな」と思って書いてみると、全然文字に落とせず、理解していない自分に気づいたり。自分の理解を文字にする重要性にも改めて気づきました。

■まとめ

今回、UXデザインという全く異分野のことを学ばせて頂き、とても勉強になりました。いまでは参加する意思決定をして心底よかったと感じています。

純粋にUXデザインもやっていきたいと思いましたが、まずはUXデザインの考え方を持って、人材開発分野を進化させていくことにチャレンジして行こうと思います。

またデザイナーの方々と仕事すると、こんなにアウトプットの質が高まってくるんだということも実感でき、今後もデザイナーの方々の力を借りながら仕事を進めていきたいと思うようになりました。

さらに、先生の講義、フィードバックを得ながら、チームメンバーとのディスカッションして作り上げていくプロセスは非常に勉強になりました。ありがとうございました。

最後に、先生のお話と関連して、昨年、私の思考法を変えるきっかけを与えてくれた本たちを紹介して締めくくります。

問い続ける力(石川 善樹)・・・「問い」から考える思考について

メモの魔力(前田裕二)・・・概念化の習慣をつけるノート術

知の編集術 発想・思考を生み出す技法(松岡正剛)
              ・・・思考・編集の技術について


以上。ありがとうございました。


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株式会社ビータップ代表取締役。人材アセスメント×UXデザインで、経験学習をリデザインする。 noteのテーマは「日々の学び・気づきのアウトプットを通じて、自身の熟達過程を公開する」こと。
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