兄の話

私には兄がいる。午年だから、今年いくつになるんだろう。兄は早生まれで、私と学年は四つ違う。

兄のブログを昨日で全て読み終えた。私のこと、妹について何か書いていないかなと、少し探してもいたんだけれど、なかった。別にいいんです。

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十五年くらい前に、兄に言われたことがある。
「◯◯(私)のしていることが理解できなかった。でも今は理解できる。自分も□□(弟)も気がつかなかった、気がつかないふりをしてきた、無視してきた、本当は三人でやらなきゃならないことを、全部一人でやらせてごめん」と。

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兄には子どもが三人いて、全員私が名前をつけた。
兄の奥さんが一人目の子どもを妊娠したという知らせを母からもらい、私は兄に、考えた名前をメールした。兄はその名前を子どもにつけた。二人目も、三人目も、同様に。

兄が、私の考えた名前を、どうして子どもにつけたのかについて、真実はわからない。でも、どうしてなのか思い巡らす自由があり、こうなんじゃないかなと思う自由もある、と、すれば。

兄は、私の生きるを、そうすることで、応援しているのだと思っている。

年に二回くらい兄とその家族に会う。その子たちは素敵だ。一生懸命考えた名前を持っているんだから、当たり前だし、ありがとうと、思う。

うちにも子どもがいる。私は音で名前を決める。キラキラな名前ではない。

なまえの由来を聞かれると少し困ってしまう。でも、名前は呼ばれるし、誰かが呼ぶもの。呼ばれた人も呼ぶ誰かも、幸せで、大丈夫な、大丈夫というとなんか変かもしれないけれど、とにかく、大丈夫な人になる名前を、考える。

そうすると、私の名前をつけた人のことを、考える。
倒れたドミノを起き上がらせて、逆に倒すことの可能性を、考える。

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