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父と餃子とヤマザキのお皿

実家に何日か滞在しました。
五月に帰省するのは何年ぶりなんだろう。

近くの山には、常緑樹の深い緑、新緑の緑、それに桜の淡いピンクが所々ある。遠くの山々は、まだ真っ白な雪に覆われていて。

ちょうど山菜の時期でもあり、

こごみ。
こごみ、わかる人いますか?
くるくるのあたりが、少し虫っぽいのだけれど、美味しい。美味しいというほど、味がないかも。歯触りを楽しむものかな。私は好きです。

それから、

笹かまを親戚にいただいた。
お正月やお盆にも、その人は笹かまを持ってきてくれる。家では、サーモン(オレンジの粒)と、じんだん(緑の粒)はあまり人気がなく、オリジナルの大判笹かまは取り合い。この大きいのだけの詰め合わせでいいなと思っているけど言えない。

それから、餃子。
父の自尊心である餃子。
父が酒を飲んで酔っ払いながら作る餃子。
うまいか?うまいか?
と聞かれ、うまいと言わなければならない餃子。
おいしくないと言ったら、彼は拗ねてなお一層酒を飲むだろう餃子。

一時期、私はこの餃子を断固として拒否していた。
お前のデタラメな生きざまなど、絶対に受け入れないと、餃子を作る父親を憎み、出来上がった餃子を軽蔑した。
空っぽな自分を満たすために周りの人を使わないで。自分で自分をいっぱいにしなよ。やり方がわからないなら、素面で探して。

今回、子どもが手伝って包んだ。それを焼いたら破裂してしまった。
父親が包んだものは、一つも破れなかった。
みんなでビールを飲み、餃子を食べた。野菜が多いから、いくらでも食べられる。
私は、おいしいと言う。
私の、酒に酔っていろんな感情をごまかすところが、父にそっくりだ。
でも、それだけじゃない。父の餃子はおいしいと思う。

父は相変わらず弱い。私も弱い。私だって同じなのだ。でも父はまだ生きている。彼はナイスなサバイバーだ。

ところで、実家には、ヤマザキ春のパン祭りの景品でもらった皿が、たくさんある。画像のもの以外でも、あと三種類くらい。枚数も、一種類につき四~五枚は揃っている。

パンを食べるのは、週末の朝だけだった。それでも、一番多いときで七人家族。シールの点数もすぐに貯まった。

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