手紙
ずっと、大事にしている手紙があり、それを昨日、読んだ。
病院に入院していた私は、誰かにべったりと縋りたいと思っていた。べったりと縋る人が欲しかった。親に縋りついた私は、ショウカフリョウを起こして、食べたものを吐いたのだと思う。
親がくれるソレっぽいものを食べ、吐き戻すのは、その行為自体に縋りつく価値があった。だから、辞められなかった。
モノよりもサイクルに嵌まり込んで、疲れていた。
私は、中学校の教師に、病棟から電話をかけた。
「今、入院しているから、手紙を書いて欲しい」
私はその教師に、お願いしたのだと思う。覚えていない。
教師は手紙をくれた。シンプルな縦長の白い封筒は、二重の造りになっていた。中には、縦書きの便せんが二枚入っていた。私はそれを大事にした。
手紙の内容は書かない。今読むと、先生もだいぶ、おっかなびっくり、文章を書いてくれたんだなと思う。なるべく、当たり障りのない内容で、でも、伝えたいことは伝わるように。
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