以前、介護の仕事を二年くらいしていた 2

有料老人ホームは三階建てで、二階と三階が居室になっている。全て個室で、各々にトイレ、洗面台、クローゼットがついている。部屋数はワンフロア十五くらい。あとお風呂と洗濯室、共有トイレが一つずつ。二階は、私が働き始めた頃にはまだ入居者はいなかった。三階は一、二部屋以外は埋まっていた。

各階にキッチンと食堂兼リビングもあり、本当は、可能ならば、入居者さんがキッチンでお茶を淹れたりするらしいのだけれど、誰もそんなことしなかった。というか、できなかった。みんな車椅子移動か、やっと歩行器か。キッチンは車椅子対応の仕様ではなかった。

廊下の突き当たりに非常口があり、そこから外が見えた。ガラスの中に格子が入っていて、じっと見てると3Dになってくらくらした。

早番。
朝の七時から午後四時まで。
朝食の介助から、移動、食後の口腔ケア。あとは、入浴係になりがち。入浴は一人ずつ介助。Tシャツにハーフパンツ。汗だく。二つ歳上の看護師と仲が良かった。お風呂上がりの入居者さんを、入浴後の処置のため彼女に受け渡す。入居者さんが、満ち足りた雰囲気だと、彼女は私にだけわかるように、「ナイス風呂」みたいなサインを送ってくれた。楽しいとき。

職員は、管理の方含めて十人ほど。男女半々くらい。

また書きたくなったら書くかもしれません。